1. 長編歌謡浪曲 嫁ぐ日歌詞

「長編歌謡浪曲 嫁ぐ日」の歌詞 菊地まどか

2011/11/23 リリース
作詞
宮本麗子
作曲
岡千秋
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よみがな
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明日あすとつ とうさんと
らしたいえとも 今日きょうかぎ
あんなに反対はんたい するなんて
一人ひとりいた あったけど あったけど
いまならわかるわ おやごころ

まじめで頑固がんこで おひとよし
いつでもわたしあたたかく
まもってくれてた あの日々ひび
いつかとおくに なりました なりました
とうさんゆるして わがままを

「おまえはわしのかわいい一人娘ひとりむすめや。その相手あいてかみ茶色ちゃいろでぼさぼさあたま
やぶれたジーパンはいて、ろくに挨拶あいさつ出来できんようなやつが、
うちのむすめとつきあいたいやとお!なにぼけたことをゆうてんねん!
つきあうどころか二度にどうこともゆるさんゆうたやろ!」
なんべんゆうたらわかるのん。
あのはコンサートに予定よていで、あんな格好かっこうやったんよ。」
結婚けっこんしたい相手あいていえにあんな格好かっこうるような非常識ひじょうしきや、
こえちいそうてたよりない。だれがあんなもんにおまえやれるかい。
そもそもおやがどんだけ心配しんぱいしてんのんか、おや気持きもちがわからんのんか。」

まえまで仲良なかよ父娘おやこ
いまではいつも けんかごし
近頃ちかごろむすめ返事へんじもしない
おやこころれずとも
わか二人ふたりこころいそ
はや一緒いっしょに なりたいと
いくら親父おやじらんと
ったところで かいもなく
むすめ決心けっしん ゆるぎなく
おや勝手かってしきめて
そのった ゆうまぐれ
いかに反対はんたい くちではえど
やはりひと ひとおや
かわいいむすめすえ
にせぬおやなど いないもの

「しょうがない。
いっぺんあのおとこがどんなみせはたらいてんのんかにいったろう。
あっあれやな、よしわしもいっぺん一緒いっしょってならんでみよか。」

うれしいときたのしいとき
元気げんきがない風邪かぜいた
そとはかりっと なかふんわりと
べたらたこが ええだしして
たこきみたいな かおしたおとこ
鉄板てっぱんまえ大汗おおあせかいて
ちっちゃなたこき くるくるいて
ってるおきゃく漫才まんざいをしながら
はたらたのしげに。

「すんません、たこきおくんなはるか。」
「ああ、おばあちゃん、ちょっとってな。
年寄としよりにながいことってもらうんはどくなんで、
さきにこのおばあちゃんに、たこきあげてもよろしいですか?すんません。
はい!おばあちゃん、まいどおおきに。」
「あら、おかあさん。またたこきもろてはる。」
美智子みちこさん、わたしはちゃんとうてますよ。ほれこれで…。」
「ええ!おかあさん、これはバスの老人ろうじん優待券ゆうたいけんやないの。
バスはただでれてもそんなんでものがえるわけないでしょ。」
「これせたらな…ここのたこきはってくれるんやで、
なぁ、たこさん。」
「うちのたこきがおいしいゆうてくれはるので、
時々ときどきちょっとだけつつませてもろうてますねん。おばあちゃん、
これからも元気げんきでたこいにてな。その優待券ゆうたいけんって。」

「ただいま。」
「おとうさん、おかえり。」
「これ土産みやげや。」
「えっえらいまた仰山ぎょうさんのたこき。」
「あいつあいつあたま茶色ちゃいろやけど、
なかなかのこころやさしいええ~おとこやないか。」
「えーっほんならおとうさん、これあのひといた…たこき。」
「あいつやったら、おまえことしあわせにしてくれるやろうなぁ。」
「おとうさん、ありがとう。ほんまにありがとうおとうさん。
そやけど、そやけどえらい仰山ぎょうさんうてきたんやね。」
「ええがな~近所きんじょへもおまえしあわせおすそわけや。」

一人娘ひとりむすめとつ
いつかこのることは
かねて覚悟かくごは していたが
花嫁姿はなよめすがたむすめから
おおきなひとみなみだをためて
めんかって あいさつされて
うれしいような さみしいような
おやこころは あるけれど
花嫁はなよめになる うれしさで
まえにもして かがやむすめ
こんがりけた まんまるかお
ええあじている たこおとこ
身内みうちだけでの 結婚式けっこんしき
豪華ごうか衣裳いしょう料理りょうりもないが
これが二人ふたり大事だいじ門出かどで
高砂たかさごやこの浦舟うらふねをあげて

とうさんお世話せわに なりました
心配しんぱいさせたが あのひと
かならしあわつけます
よめっても はなれても はなれても
わたしはあなたの むすめです