闇やみも見みえぬ 無明むみょうの 淵ふちから
添そうこともなく 散ちりぬる 此この身み 嘆なげく
忘わすれられた 形見かたみの 衣手ころもで
まほろばへと 戦慄わななく 手た房ぶさ 伸のばす
眼めを 凝こらすには 時間じかんが 無ない故から
思おもい出だして綻はころぶ 前まえに
貴方あなたを 待まっている
矯ためし瞳ひとみ 眇すがめつ 顰ひそみて
然そう 音おとも無なく
非ひ太刀だちを 袈裟けさに 降おろす
鮮血せんけつまで 愛あいして 月つきの光ひかりに
騙だまされた儘ままで
噫ああ 「許ゆるせよ」と 呟つぶやく 聲こえが 離さかる
哭ねを 絶たやすのは 終焉おわりが 無ない故から
さあ 連つれ出だして 衣桁いこうの 涅くりを
貴方あなたを 待まっている
貴方あなたを 呼よんでいる
ほら 差さし伸のべて 其その手てを
良よらし心こころで 手向たむけて
襟えりに 這はわせた 此この 手てで
そっと 輪わを描かいて
貴方あなたを 待まっている
貴方あなたを 呼よんでいる
闇やみも見みえぬ 無明むみょうの 淵ふちから
添そうこともなく 散ちりぬる 此この身み 嘆なげく
忘わすれられた 形見かたちの 衣手ころもて
貴方あなただけを 此この手てで 探さがして
闇yamiもmo見miえぬenu 無明mumyouのno 淵fuchiからkara
添soうこともなくukotomonaku 散chiりぬるrinuru 此koのno身mi 嘆nageくku
忘wasuれられたrerareta 形見katamiのno 衣手koromode
まほろばへとmahorobaheto 戦慄wananaくku 手ta房busa 伸noばすbasu
眼meをwo 凝koらすにはrasuniha 時間jikanがga 無naいi故kara
思omoいi出daしてshite綻hakoroぶbu 前maeにni
貴方anataをwo 待maっているtteiru
矯taめしmeshi瞳hitomi 眇sugaめつmetsu 顰hisoみてmite
然soうu 音otoもmo無naくku
非hi太刀dachiをwo 袈裟kesaにni 降oろすrosu
鮮血senketsuまでmade 愛aiしてshite 月tsukiのno光hikariにni
騙damaされたsareta儘mamaでde
噫aa 「許yuruせよseyo」とto 呟tsubuyaくku 聲koeがga 離sakaるru
哭neをwo 絶taやすのはyasunoha 終焉owariがga 無naいi故kara
さあsaa 連tsuれre出daしてshite 衣桁ikouのno 涅kuriをwo
貴方anataをwo 待maっているtteiru
貴方anataをwo 呼yoんでいるndeiru
ほらhora 差saしshi伸noべてbete 其soのno手teをwo
良yoらしrashi心kokoroでde 手向tamuけてkete
襟eriにni 這haわせたwaseta 此koのno 手teでde
そっとsotto 輪waをwo描kaいてite
貴方anataをwo 待maっているtteiru
貴方anataをwo 呼yoんでいるndeiru
闇yamiもmo見miえぬenu 無明mumyouのno 淵fuchiからkara
添soうこともなくukotomonaku 散chiりぬるrinuru 此koのno身mi 嘆nageくku
忘wasuれられたrerareta 形見katachiのno 衣手koromote
貴方anataだけをdakewo 此koのno手teでde 探sagaしてshite