蛇蠱 歌詞 陰陽座 ふりがな付

海鳴うみなりさえ 届とどかない 静寂しじま
波なみに踊おどる 泡あわと 私わたしの慟なげき

漂ただよい乍ながら 蠱こ毒どくを 宿やどす 菖蒲あやめは
憑つく 憑坐よりましに 齎もたらす事ことを 選すぐらぬ

想おもい丈だけを 抱だき締しめたの 恋こい恨うらみ 乍ながら
赤あかむ 頬ほおが 訴うたうのは 煩わずらう 胸むね
此この 祷いのりは 身みに過すぎたの 忌いまわしい 置目おきめ
貴方あなたの 背せを 睨にらまえた 其その 業わざ 異けし

呼よび名なにさえ 音おとのない 蠱むしが
際きわに迫せまる 気振けぶり 酬むくいの調しらべ

只ただ 酔よい乍ながら 孤独こどくを 厭いやとし 危あやめた
尽ことごとくより 増ましに 覚おぼゆる 心こころの 儘ままに


想おもい丈だけを 抱だき締しめたの 恋こい恨うらみ 乍ながら
赤あかむ 頬ほおが 訴うたうのは 煩わずらう 胸むね
此この 祷いのりは 身みに過すぎたの 忌いまわしい 置目おきめ
貴方あなたの 手てを 掴つかまえた 其その 業わざ 異けし

漕こぎ戻もどして 告つげたい 其その愛あいこそ
彼我ひがに 蠧毒とどくを 沃いる
愛いとしい男ひと 憎にくんだ 私わたしを 怨えず

其その骸むくろを 抱だき締しめたの 只ただ 悔くやみ 乍ながら
絡からむ程ほどに 痛いたむのは 足掻あがきの 指ゆび
然そうよ 敵あだして 此この 宿主しゅくしゅ 呪のろわしい 朽きゅう女くちめ
骨身ほねみ 深ふかく 貫つらぬいて 波なみ 静しずけし