燦々さんさんと差さす光ひかり 俯うつむいた横顔よこがお
殺人的さつじんてきな夏なつの陽ひ 蜃気楼しんきろう 揺ゆれていた
いつか思おもい出だせなくなる前まえに あなたの事ことを全部ぜんぶ書かいておこう
多分たぶん僕ぼくはいつか 会あえなくなって 全すべてを忘わすれてしまうから
自己否定じこひていの傘かさを被おおって 「止やまない雨あめだ」なんて嘯うそぶいて
傷付きずつけない自分じぶんにしがみ付つく そんなものはもう終おわらせなきゃ
あなたは今いまも俯うつむいたまま 涙なみだすら出でずにいるんだろうか
「誰だれの役やくにも立たたない」だなんて 馬鹿ばかなことまた言いってやしないか
太陽たいようが暗闇くらやみに負まけ 落おちていく夕暮ゆうぐれと夜よるの間あいだ
こんな時ときはよく思おもい出だすんだ ああ 僕ぼくはなんて言いえば良よかったかなぁ
花弁かべん落おちて水面すいめんが揺ゆれて眩まぶしく光ひかって
あの長ながく伸のびたやつはきっと飛行機雲ひこうきぐもで
その時とき僕ぼくは 確たしかにあるような気きがしてたんだ
消きえない 壊こわれない 無なくならない
そんなものが
あなたの事こと 掠かすれた声こえ 肌はだの色いろと 視線しせんの先さき
思おもい出だすよ いつまで経たっても 僕ぼくも同おなじだったから
水みずの無ない浴槽よくそうの中なか 踞うずくまって 泣ないたあなたの
悲かなしみも 美うつくしさも 僕ぼくだけが知しっていたから
人類じんるいを救すくい給たまうのが 神かみでも暴力ぼうりょくでもないのなら
それは協調きょうちょうと言いう名なの諦観ていかんか 際限さいげん無なく広ひろがるネットの海うみか
ボタン一ひとつ押おしただけで恵めぐまれる愛情あいじょう 与あたえられなかった者ものは富とめる者ものを嫌悪けんお
誰だれも彼かれも透明とうめいな敵てきと戦たたかっては 「死しにたい」とか「死しんでくれ」の投なげつけ合あいさ
ねえ 本当ほんとうは分わかってたよ 僕ぼくはずっとずっと前まえから分わかってた
「何故なぜ生いきるか」ばかり考かんがえても 答こたえなど誰だれにも分わからないと
側そばに誰だれかいないと駄目だめなんだ 一人ひとりきりでは息いきも出来できないんだ
それで弱よわいなんて言いわれようが僕ぼくはもう 一生いっしょう弱よわいままで生いきて行いくよ
焼やけ付つくような日差ひざしの中なかで人影ひとかげが揺ゆれて
ヒグラシの声こえずっと耳みみに張はり付ついたまま
花火はなびの音おとが止やむ頃ころにはもうあなたは気付きづいてた
止とまれない 帰かえれない 引ひき返かえせない
大人おとなになって
あなたがもし 居いなかったなら もしも僕ぼくと 会あわなかったら
考かんがえるよ 考かんがえるほど 恐おそろしくてしょうがないよ
その足あしで 花はなを踏ふみつけて その指先ゆびさきで 果実かじつを剥むいて
そして僕ぼくと 少すこし似にている 道みちを歩あるいてきたんだな
比くらべてみたって 仕方しかたがないよ
誰だれも替かわってあげられないよ
あなたの痛いたみは あなたのもので
僕ぼくの痛いたみは僕ぼくのもの だけど
心臓しんぞうの鼓動こどうが 何時いつの日ひか止とまるように
それと同おなじように その悲かなしみも いつか必かならず終おわるよ
あなたの事こと そして僕ぼくの事こと 大嫌だいきらいな 夏なつの出来事できごと
思おもい出だすよ それでも生いきて 僕ぼくらは出会であえたんだから
水みずの無ない浴槽よくそうの中なか 踞うずくまって 泣ないた僕ぼくらの
悲かなしみは 美うつくしさは 何一なにひとつ 無駄むだじゃなかったんだ きっと
燦々sansanとto差saすsu光hikari 俯utsumuいたita横顔yokogao
殺人的satsujintekiなna夏natsuのno陽hi 蜃気楼shinkirou 揺yuれていたreteita
いつかitsuka思omoいi出daせなくなるsenakunaru前maeにni あなたのanatano事kotoをwo全部zenbu書kaいておこうiteokou
多分tabun僕bokuはいつかhaitsuka 会aえなくなってenakunatte 全subeてをtewo忘wasuれてしまうからreteshimaukara
自己否定jikohiteiのno傘kasaをwo被ooってtte 「止yaまないmanai雨ameだda」なんてnante嘯usobuいてite
傷付kizutsuけないkenai自分jibunにしがみnishigami付tsuくku そんなものはもうsonnamonohamou終oわらせなきゃwarasenakya
あなたはanataha今imaもmo俯utsumuいたままitamama 涙namidaすらsura出deずにいるんだろうかzuniirundarouka
「誰dareのno役yakuにもnimo立taたないtanai」だなんてdanante 馬鹿bakaなことまたnakotomata言iってやしないかtteyashinaika
太陽taiyouがga暗闇kurayamiにni負maけke 落oちていくchiteiku夕暮yuuguれとreto夜yoruのno間aida
こんなkonna時tokiはよくhayoku思omoいi出daすんだsunda ああaa 僕bokuはなんてhanante言iえばeba良yoかったかなぁkattakanaa
花弁kaben落oちてchite水面suimenがga揺yuれてrete眩mabuしくshiku光hikaってtte
あのano長nagaくku伸noびたやつはきっとbitayatsuhakitto飛行機雲hikoukigumoでde
そのsono時toki僕bokuはha 確tashiかにあるようなkaniaruyouna気kiがしてたんだgashitetanda
消kiえないenai 壊kowaれないrenai 無naくならないkunaranai
そんなものがsonnamonoga
あなたのanatano事koto 掠kasuれたreta声koe 肌hadaのno色iroとto 視線shisenのno先saki
思omoいi出daすよsuyo いつまでitsumade経taってもttemo 僕bokuもmo同onaじだったからjidattakara
水mizuのno無naいi浴槽yokusouのno中naka 踞uzukumaってtte 泣naいたあなたのitaanatano
悲kanaしみもshimimo 美utsukuしさもshisamo 僕bokuだけがdakega知shiっていたからtteitakara
人類jinruiをwo救sukuいi給tamaうのがunoga 神kamiでもdemo暴力bouryokuでもないのならdemonainonara
それはsoreha協調kyouchouとto言iうu名naのno諦観teikanかka 際限saigen無naくku広hiroがるgaruネットnettoのno海umiかka
ボタンbotan一hitoつtsu押oしただけでshitadakede恵meguまれるmareru愛情aijou 与ataえられなかったerarenakatta者monoはha富toめるmeru者monoをwo嫌悪keno
誰dareもmo彼kareもmo透明toumeiなna敵tekiとto戦tatakaってはtteha 「死shiにたいnitai」とかtoka「死shiんでくれndekure」のno投naげつけgetsuke合aいさisa
ねえnee 本当hontouはha分waかってたよkattetayo 僕bokuはずっとずっとhazuttozutto前maeからkara分waかってたkatteta
「何故naze生iきるかkiruka」ばかりbakari考kangaえてもetemo 答kotaえなどenado誰dareにもnimo分waからないとkaranaito
側sobaにni誰dareかいないとkainaito駄目dameなんだnanda 一人hitoriきりではkirideha息ikiもmo出来dekiないんだnainda
それでsorede弱yowaいなんてinante言iわれようがwareyouga僕bokuはもうhamou 一生issyou弱yowaいままでimamade生iきてkite行iくよkuyo
焼yaけke付tsuくようなkuyouna日差hizaしのshino中nakaでde人影hitokageがga揺yuれてrete
ヒグラシhigurashiのno声koeずっとzutto耳mimiにni張haりri付tsuいたままitamama
花火hanabiのno音otoがga止yaむmu頃koroにはもうあなたはnihamouanataha気付kiduいてたiteta
止toまれないmarenai 帰kaeれないrenai 引hiきki返kaeせないsenai
大人otonaになってninatte
あなたがもしanatagamoshi 居iなかったならnakattanara もしもmoshimo僕bokuとto 会aわなかったらwanakattara
考kangaえるよeruyo 考kangaえるほどeruhodo 恐osoろしくてしょうがないよroshikutesyouganaiyo
そのsono足ashiでde 花hanaをwo踏fuみつけてmitsukete そのsono指先yubisakiでde 果実kajitsuをwo剥muいてite
そしてsoshite僕bokuとto 少sukoしshi似niているteiru 道michiをwo歩aruいてきたんだなitekitandana
比kuraべてみたってbetemitatte 仕方shikataがないよganaiyo
誰dareもmo替kaわってあげられないよwatteagerarenaiyo
あなたのanatano痛itaみはmiha あなたのものでanatanomonode
僕bokuのno痛itaみはmiha僕bokuのものnomono だけどdakedo
心臓shinzouのno鼓動kodouがga 何時itsuのno日hiかka止toまるようにmaruyouni
それとsoreto同onaじようにjiyouni そのsono悲kanaしみもshimimo いつかitsuka必kanaraずzu終oわるよwaruyo
あなたのanatano事koto そしてsoshite僕bokuのno事koto 大嫌daikiraいなina 夏natsuのno出来事dekigoto
思omoいi出daすよsuyo それでもsoredemo生iきてkite 僕bokuらはraha出会deaえたんだからetandakara
水mizuのno無naいi浴槽yokusouのno中naka 踞uzukumaってtte 泣naいたita僕bokuらのrano
悲kanaしみはshimiha 美utsukuしさはshisaha 何一nanihitoつtsu 無駄mudaじゃなかったんだjanakattanda きっとkitto