ぶらん。ぶらん。風吹かぜふきゃ ぶらん。 踊おどるよ、黒くろいぶらんこ……。
おらは貧まずしい村むらに生うまれ いっつも腹はらを空すかせてた
お菓子かしで出来できた家いえがあったら あったら本当ほんとうに良よかんべな
「人ひとは信仰しんこうによってのみ救すくわれる」と
偉えらい坊ぼうさんが言いったとさ 本ほんっていうのに書かいたとさ
神様かみさまが助たすけてくれるなら たらふく飯食おまんまくえっべな
お父達とうたちは鎌かまを手てに 出掛でかけて行いった
その日ひの空そらの色いろ 哀かなしい程ほどに朱あかく……
大砲たいほうが吼ほえりゃ 翼つばさも無ないのに 人ひとが空そらを飛とぶ 軽かろやかに高たかく 戦争せんそうとは名なばかりの 唯ただの殺戮さつりくさ
嗚呼ああ 武器ぶきが農具のうぐじゃ 残念ざんねんだけれど 射程しゃていが短みじか過すぎた 残酷ざんこくな程ほどに 戦争せんそうとは名なばかりの 唯ただの殺戮さつりくさ
村むらの働はたらき手ては 結局けっきょくその殆ほとんどが 二度にどとは帰かえって来こなかった……
そしておらは、遠とおくの町まちへと……
年齢不詳。性別も不詳。出遇えば不詳。正に人生の負傷。
胡散臭い女将が、夜な夜な暗躍する宿屋。
その名を【黒狐亭】という!
「薹とうが立たって久ひさしい、クソババアが独ひとり。
図太ずぶとく生いきてゆくには、綺麗事きれいごとばかりじゃ……ないわよっ!」
「愛あいした男おとこは、皆儚みなはかなく散ちった。
運うんが悪わるいのか、時代じだいが悪わるいのか……」
「嗚呼ああ【Muntzer】は気高けだかく、
【Hutten】は華麗かれいで、
【Sichingen】は、嗚呼ああ、誰だれよりも--」
激はげしかったわ
おい、クソババア!
「あんたのような田舎いなかっぺ、拾ひろってやったのは、何処どこの誰だれかしら?
口くちの利きき方かたにゃ……気きをつけなさいっ!」
「さぁさ、旦那だんな、どうぞ。温ぬるい麦酒ビーアは如何いかが?
自慢じまんの最高グーな肝臓料理レバーカッヒェン、ご用意致よういいたしま--」
宵闇よいやみへ 飛とび出だした 女将おかみを睨にらみ
客きゃくは怒いかり おらは平謝ひらあやまり
そして小一時間後こいちじかんご...
空気読くうきよまず 出戻でもどった 女将おかみの手てには
贖罪しょくざいの 新鮮しんせんな食材しょくざい
その味あじに 怒いかり狂くるった客きゃくも 機嫌きげんを直なおした
その事ことで 味あじを占しめた女将おかみの暴走ぼうそうは続つづく……
必死ひっしに生いきたけど、ロクなことがねぇ。
結局けっきょく、人生じんせいって何なんだべ…よく分わかんねぇ……
とん
とん とん
とん とん とん とん
とん とん
とん とん
とん とん とん とん
とん とん とん とん
躍おどるよ黒くろい
ぶ ら ん こ
ぶらんburan。ぶらんburan。風吹kazefuきゃkya ぶらんburan。 踊odoるよruyo、黒kuroいぶらんこiburanko……。
おらはoraha貧mazuしいshii村muraにni生uまれmare いっつもittsumo腹haraをwo空suかせてたkaseteta
おo菓子kashiでde出来dekiたta家ieがあったらgaattara あったらattara本当hontouにni良yoかんべなkanbena
「人hitoはha信仰shinkouによってのみniyottenomi救sukuわれるwareru」とto
偉eraいi坊bouさんがsanga言iったとさttatosa 本honっていうのにtteiunoni書kaいたとさitatosa
神様kamisamaがga助tasuけてくれるならketekurerunara たらふくtarafuku飯食omanmakuえっべなebbena
おo父達toutachiはha鎌kamaをwo手teにni 出掛dekaけてkete行iったtta
そのsono日hiのno空soraのno色iro 哀kanaしいshii程hodoにni朱akaくku……
大砲taihouがga吼hoえりゃerya 翼tsubasaもmo無naいのにinoni 人hitoがga空soraをwo飛toぶbu 軽karoやかにyakani高takaくku 戦争sensouとはtoha名naばかりのbakarino 唯tadaのno殺戮satsurikuさsa
嗚呼aa 武器bukiがga農具nouguじゃja 残念zannenだけれどdakeredo 射程syateiがga短mijiかka過suぎたgita 残酷zankokuなna程hodoにni 戦争sensouとはtoha名naばかりのbakarino 唯tadaのno殺戮satsurikuさsa
村muraのno働hataraきki手teはha 結局kekkyokuそのsono殆hotonどがdoga 二度nidoとはtoha帰kaeってtte来koなかったnakatta……
そしておらはsoshiteoraha、遠tooくのkuno町machiへとheto……
年齢不詳。性別もmo不詳。出遇えばeba不詳。正にni人生のno負傷。
胡散臭いi女将がga、夜なna夜なna暗躍するsuru宿屋。
そのsono名をwo【黒狐亭】というtoiu!
「薹touがga立taってtte久hisaしいshii、クソババアkusobabaaがga独hitoりri。
図太zubutoくku生iきてゆくにはkiteyukuniha、綺麗事kireigotoばかりじゃbakarija……ないわよっnaiwayoxtu!」
「愛aiしたshita男otokoはha、皆儚minahakanaくku散chiったtta。
運unがga悪waruいのかinoka、時代jidaiがga悪waruいのかinoka……」
「嗚呼aa【Muntzer】はha気高kedakaくku、
【Hutten】はha華麗kareiでde、
【Sichingen】はha、嗚呼aa、誰dareよりもyorimo--」
激hageしかったわshikattawa
おいoi、クソババアkusobabaa!
「あんたのようなantanoyouna田舎inakaっぺppe、拾hiroってやったのはtteyattanoha、何処dokoのno誰dareかしらkashira?
口kuchiのno利kiきki方kataにゃnya……気kiをつけなさいっwotsukenasaixtu!」
「さぁさsaasa、旦那danna、どうぞdouzo。温nuruいi麦酒bîaはha如何ikaga?
自慢jimanのno最高gûなna肝臓料理rebâkahhyen、ごgo用意致youiitaしまshima--」
宵闇yoiyamiへhe 飛toびbi出daしたshita 女将okamiをwo睨niraみmi
客kyakuはha怒ikaりri おらはoraha平謝hiraayamaりri
そしてsoshite小一時間後koichijikango...
空気読kuukiyoまずmazu 出戻demodoったtta 女将okamiのno手teにはniha
贖罪syokuzaiのno 新鮮shinsenなna食材syokuzai
そのsono味ajiにni 怒ikaりri狂kuruったtta客kyakuもmo 機嫌kigenをwo直naoしたshita
そのsono事kotoでde 味ajiをwo占shiめたmeta女将okamiのno暴走bousouはha続tsuduくku……
必死hisshiにni生iきたけどkitakedo、ロクrokuなことがねぇnakotoganee。
結局kekkyoku、人生jinseiってtte何nanだべdabe…よくyoku分waかんねぇkannee……
とんton
とんton とんton
とんton とんton とんton とんton
とんton とんton
とんton とんton
とんton とんton とんton とんton
とんton とんton とんton とんton
躍odoるよruyo黒kuroいi
ぶbu らra んn こko