『あいつを棄すてた女おんなは 今頃いまごろ別べつの男おとこの部屋へやで
おそらく 可愛かわいい涙なみだ混まじりに 鮮あざやかな嘘うそを身みにまとっている
自分じぶんの何処どこが魅力みりょくか 数かぞえ尽つくして知しり抜ぬいていて
あいつの悲かなしい程ほどの純愛じゅんあいを 階段かいだん昇のぼる様ように
踏ふみつけて行いった 踏ふみつけてった
恋こいはいつでも必かならず 独法師ひとりぼっちの影踏かげふみゲーム
足元あしもとにあるのに追おいつけない
追おえば追おう程ほどきっと 取とり残のこされてゆく
気きがつけば いつも夕暮ゆうぐれ』
『違ちがうわ別わかれた夜よるの あの娘この姿見すがたみてないからよ
一晩ひとばん 私わたしの部屋へやで泣ないて 血ちを吐はく程ほどに泣ないて
謝あやまり続つづけていたわ
確たしかにそれはあの娘この 心変こころがわりがすべてだったわ
けれどもあの娘こなりにいつも 一所懸命いっしょけんめいいつも
生いきようとしてる 生いきている
恋こいはいつでも必かならず 両刃りょうばの剣つるぎと同おなじ
傷きずつかない方ほうがきっと 嘘うそをついてる
斬きりつけていった方ほうが 斬きりつけられた方ほうより
傷きずつく事ことだってあるはずよ』
『あの娘こを棄すてた男おとこは 今頃いまごろ別べつの女おんなの部屋へやで
自分じぶんの掌てのひらの広ひろさと懐ふところの狭せまさを 身みに浸しみているさ
あの娘こは自分じぶんの姿すがたを 口くちに出だすのが下手へただったから
男おとこはあんなにすてきなひとを 酒さけを変かえる様ように
飲のみ捨すてて行いったに 決きまってる
恋こいはいつでも必かならず あみだくじみたいなものさ
たどる奴やつ以外いがいは道程みちのりを知しらない
ひとしきり風吹かぜふけば 風紋ふうもんが消きえる様ように
見みて見みぬふりの藪やぶの中なか』
『あいつをaitsuwo棄suてたteta女onnaはha 今頃imagoro別betsuのno男otokoのno部屋heyaでde
おそらくosoraku 可愛kawaiいi涙namida混maじりにjirini 鮮azaやかなyakana嘘usoをwo身miにまとっているnimatotteiru
自分jibunのno何処dokoがga魅力miryokuかka 数kazoえe尽tsuくしてkushite知shiりri抜nuいていてiteite
あいつのaitsuno悲kanaしいshii程hodoのno純愛junaiをwo 階段kaidan昇noboるru様youにni
踏fuみつけてmitsukete行iったtta 踏fuみつけてったmitsuketetta
恋koiはいつでもhaitsudemo必kanaraずzu 独法師hitoribotchiのno影踏kagefuみmiゲgeームmu
足元ashimotoにあるのにniarunoni追oいつけないitsukenai
追oえばeba追oうu程hodoきっとkitto 取toりri残nokoされてゆくsareteyuku
気kiがつけばgatsukeba いつもitsumo夕暮yuuguれre』
『違chigaうわuwa別wakaれたreta夜yoruのno あのano娘koのno姿見sugatamiてないからよtenaikarayo
一晩hitoban 私watashiのno部屋heyaでde泣naいてite 血chiをwo吐haくku程hodoにni泣naいてite
謝ayamaりri続tsuduけていたわketeitawa
確tashiかにそれはあのkanisorehaano娘koのno 心変kokorogaわりがすべてだったわwarigasubetedattawa
けれどもあのkeredomoano娘koなりにいつもnariniitsumo 一所懸命issyokenmeiいつもitsumo
生iきようとしてるkiyoutoshiteru 生iきているkiteiru
恋koiはいつでもhaitsudemo必kanaraずzu 両刃ryoubaのno剣tsurugiとto同onaじji
傷kizuつかないtsukanai方houがきっとgakitto 嘘usoをついてるwotsuiteru
斬kiりつけていったritsuketeitta方houがga 斬kiりつけられたritsukerareta方houよりyori
傷kizuつくtsuku事kotoだってあるはずよdattearuhazuyo』
『あのano娘koをwo棄suてたteta男otokoはha 今頃imagoro別betsuのno女onnaのno部屋heyaでde
自分jibunのno掌tenohiraのno広hiroさとsato懐futokoroのno狭semaさをsawo 身miにni浸shiみているさmiteirusa
あのano娘koはha自分jibunのno姿sugataをwo 口kuchiにni出daすのがsunoga下手hetaだったからdattakara
男otokoはあんなにすてきなひとをhaannanisutekinahitowo 酒sakeをwo変kaえるeru様youにni
飲noみmi捨suててtete行iったにttani 決kiまってるmatteru
恋koiはいつでもhaitsudemo必kanaraずzu あみだくじみたいなものさamidakujimitainamonosa
たどるtadoru奴yatsu以外igaiはha道程michinoriをwo知shiらないranai
ひとしきりhitoshikiri風吹kazefuけばkeba 風紋fuumonがga消kiえるeru様youにni
見miてte見miぬふりのnufurino藪yabuのno中naka』