硝子がらす細工さいくの其その思おもい出での
割われたかけらで 凍こごえた指ゆびを切きる
今いまだに二人ふたり居いるかのような
夢ゆめの夢ゆめの夢ゆめこそ 哀あわれなれ
どれ程ほどきれいにつこうと嘘うそは嘘うそ
あなたがついたか 私わたしがつかせたか
茨いばら道みち 袖そでを裂さく けもの道みち
陵墓みさきぎづたいに 枯かれた竹林たけばやし
追おいかけられるようで おそるおそる振ふり向むけば
しづ心こころなくはらり 紅あかい寒椿かんつばき
独ひとり道みち行いく身みには あなたの
くれた傷きずの痛いたみさえ愛いとおしい
私わたしの髪かみをすべるあなたの
指先ゆびさきの名残なごりこそ 哀あわれなれ
どれ程ほどきれいに刺さしても傷きずは傷きず
私わたしが刺さしたか あなたが刺ささせたか
耳みみを塞ふさいでも 水みずの音おと
真昼まひるの月つき 傾かたむいて鳥辺とりべ山やま
遠とおくで嘲あざわらい声こえ 誰だれかの嘲あざわらい声こえ
小ちいさな石いしになって 沈しずみゆく私わたし
追おいかけられるようで おそるおそる振ふり向むけば
しづ心こころなくはらり 紅あかい寒椿かんつばき
あなたのいくつかの 嘘うそを道連みちづれに
私わたしの心こころだけ 今いま 死しんでゆく
一足ひとあしずつに 消きえてゆく
夢ゆめの夢ゆめこそ 哀あわれなれ
硝子garasu細工saikuのno其soのno思omoいi出deのno
割waれたかけらでretakakerade 凍kogoえたeta指yubiをwo切kiるru
今imaだにdani二人futari居iるかのようなrukanoyouna
夢yumeのno夢yumeのno夢yumeこそkoso 哀awaれなれrenare
どれdore程hodoきれいにつこうとkireinitsukouto嘘usoはha嘘uso
あなたがついたかanatagatsuitaka 私watashiがつかせたかgatsukasetaka
茨ibara道michi 袖sodeをwo裂saくku けものkemono道michi
陵墓misakigiづたいにdutaini 枯kaれたreta竹林takebayashi
追oいかけられるようでikakerareruyoude おそるおそるosoruosoru振fuりri向muけばkeba
しづshidu心kokoroなくはらりnakuharari 紅akaいi寒椿kantsubaki
独hitoりri道michi行iくku身miにはniha あなたのanatano
くれたkureta傷kizuのno痛itaみさえmisae愛itoおしいoshii
私watashiのno髪kamiをすべるあなたのwosuberuanatano
指先yubisakiのno名残nagoriこそkoso 哀awaれなれrenare
どれdore程hodoきれいにkireini刺saしてもshitemo傷kizuはha傷kizu
私watashiがga刺saしたかshitaka あなたがanataga刺saさせたかsasetaka
耳mimiをwo塞fusaいでもidemo 水mizuのno音oto
真昼mahiruのno月tsuki 傾katamuいてite鳥辺toribe山yama
遠tooくでkude嘲azawaraいi声koe 誰dareかのkano嘲azawaraいi声koe
小chiiさなsana石ishiになってninatte 沈shizuみゆくmiyuku私watashi
追oいかけられるようでikakerareruyoude おそるおそるosoruosoru振fuりri向muけばkeba
しづshidu心kokoroなくはらりnakuharari 紅akaいi寒椿kantsubaki
あなたのいくつかのanatanoikutsukano 嘘usoをwo道連michiduれにreni
私watashiのno心kokoroだけdake 今ima 死shiんでゆくndeyuku
一足hitoashiずつにzutsuni 消kiえてゆくeteyuku
夢yumeのno夢yumeこそkoso 哀awaれなれrenare