銀幕にこんがらがって 歌詞 山崎まさよし ふりがな付

夜よるを待またずに深紅しんくの口紅くちべにを引ひく
異国いこくの風かぜが黒髪くろかみに絡からみ付ついて

去さっていった人ひとは もう戻もどらないから
身みをゆだねましょう あのカンツォーネに

嗚呼ああ 灯あかりがともる 偽いつわりの物語ものがたりに
束つかの間まの夢ゆめ 涙なみだを静しずかに誘さそう

思おもい出でに溺おぼれてゆく
週末しゅうまつだけのプリズナー

砂漠さばくを彷徨さまよう亡命者ぼうめいしゃのその様さまが
乾かわいた心こころに折おり重かさなってゆくよう

わずかな痛いたみで 潤うるおってゆくはず
見知みしらぬ街まちの 幻影げんえいに浸ひたらせて

嗚呼ああ 絡からみ合あってゆく 憧あこがれと戒いましめとが
魅みせられてゆく 銀幕ぎんまくのフォノグラムに

カラカラと音おとを立たてる
フィルムは回まわり続つづける

週末しゅうまつだけのプリズナー