おいらはふり袖そで小僧こぞう
咲さいたやくざな花はなさ
江戸えどの町まちに夜よるが来くれば
こっちのもんだよ
おいらの檜舞台ひのきぶたいだよ
高たかい屋根やねから屋根やねへ 度胸どきょう一ひとつで渡わたる
ちょいとそこの腰抜こしぬけの
目明めあかしさん
おう おう おう
十手じってがこわくて 渡わたれるかい
おいらはふり袖そで小僧こぞう
ひびく呼よび子この中なかで
狙ねらう相手あいては何万なんまん石ごくだよ
御用ごよう御用ごようは
おやすい御用ごようだここまでおいで
ぽんと身軽みがるにとべば ゆれる高張提灯たかはりちょうちん
女おんなだてらの荒業あらわざと
あなどるまいぞ
おう おう おう
地獄じごくにゃ二丁目にちょうめ ないところ
おいらはふり袖そで小僧こぞう
義理ぎりと人情にんじょうにゃもろい
人ひとのためなら生命いのちはいらぬ
貧乏人びんぼうにんや
かよわい者ものの味方みかただよ
脱ぬいだ振袖ふりそで模様もよう かぶる紫むらさき頭巾ずきん
花はなのお江戸えどの立たち姿すがた
はばかりながら
おう おう おう
ふり袖そで小僧こぞうは 義賊ぎぞくだよ
おいらはふりoirahafuri袖sode小僧kozou
咲saいたやくざなitayakuzana花hanaさsa
江戸edoのno町machiにni夜yoruがga来kuればreba
こっちのもんだよkotchinomondayo
おいらのoirano檜舞台hinokibutaiだよdayo
高takaいi屋根yaneからkara屋根yaneへhe 度胸dokyou一hitoつでtsude渡wataるru
ちょいとそこのchoitosokono腰抜koshinuけのkeno
目明meaかしさんkashisan
おうou おうou おうou
十手jitteがこわくてgakowakute 渡wataれるかいrerukai
おいらはふりoirahafuri袖sode小僧kozou
ひびくhibiku呼yoびbi子koのno中nakaでde
狙neraうu相手aiteはha何万nanman石gokuだよdayo
御用goyou御用goyouはha
おやすいoyasui御用goyouだここまでおいでdakokomadeoide
ぽんとponto身軽migaruにとべばnitobeba ゆれるyureru高張提灯takaharichouchin
女onnaだてらのdaterano荒業arawazaとto
あなどるまいぞanadorumaizo
おうou おうou おうou
地獄jigokuにゃnya二丁目nichoume ないところnaitokoro
おいらはふりoirahafuri袖sode小僧kozou
義理giriとto人情ninjouにゃもろいnyamoroi
人hitoのためならnotamenara生命inochiはいらぬhairanu
貧乏人binbouninやya
かよわいkayowai者monoのno味方mikataだよdayo
脱nuいだida振袖furisode模様moyou かぶるkaburu紫murasaki頭巾zukin
花hanaのおnoo江戸edoのno立taちchi姿sugata
はばかりながらhabakarinagara
おうou おうou おうou
ふりfuri袖sode小僧kozouはha 義賊gizokuだよdayo