溜息ためいきに融とけ込こんだ
アナクロめいた十とおの指ゆびと
贅沢ぜいたくに混まぜ込こんだ
自由じゆうに泣ないた 少女しょうじょは言いった
「虫むしの音ねよ 絶たえゆくなよ」
一鳴ひとなき応こたえ 窓まどの縁ふち
月つきの端はも 暈ぼかす憂世うきよに
踊おどる人影ひとかげ
薫かおり 誘さそい また拐かどわかす
悲かなし 愉たのし 奏かなでの織糸いとは
彩葉いろは 撫なぜる 夢弦むげんの調しらべ
朽くちた 恋はなまで 芽吹めぶくようで
裸足はだしで 忍しのび込こんだ
白黒絨毯しろくろじゅうたん 毎夜まいよの青眼せいがん
奇あやしげに 洒落込しゃれこんだ
光ひかりの中なか 男おとこは言いった
「僕ぼくの音ねを君きみに託たくそう」
千秋ちあきの風かぜに 泣なき濡ぬれた
刻きざむ指ゆび 震ふるわす弓ゆみは
殊更ことさらに烈はげしく
ひらり わらう 世よの不条理ふじょうりと
冬ふゆの 跫あしおとに抱いだかれて
出逢であい 別わかれ 然されども止やまぬ
経緯たてよこの愛いとは 永久とわの夢ゆめ
「君きみの音ねよ 明日あすはきっと」
祈いのり呟つぶやく窓まどの外そと
指先ゆびさきに 一片ひとひらの葉は -----
ただ散ちりゆく花弁かべんに
涙なみだも忘わすれてた
月つきに 雪ゆきに 鳴なく螽斯きりぎりす
どうか 君きみに 聞きこえるならば
春はるに 恋はなに 奏かなでておくれ
垂たらす この愛いとに 絡からませて
出逢であい 別わかれ 背中合せなかあわせた
悲かなし 愛かなし 奏かなでの織糸いとは
枯かれた 恋はなに 羽衣着はごろもきせて
麗うるわしき 実みを 結むすぶでしょう
君きみの 温ぬくもりに 眠ねむらせて
溜息tameikiにni融toけke込koんだnda
アナクロanakuroめいたmeita十tooのno指yubiとto
贅沢zeitakuにni混maぜze込koんだnda
自由jiyuuにni泣naいたita 少女syoujoはha言iったtta
「虫mushiのno音neよyo 絶taえゆくなよeyukunayo」
一鳴hitonaきki応kotaえe 窓madoのno縁fuchi
月tsukiのno端haもmo 暈boかすkasu憂世ukiyoにni
踊odoるru人影hitokage
薫kaoりri 誘sasoいi またmata拐kadowaかすkasu
悲kanaしshi 愉tanoしshi 奏kanadeのno織糸itoはha
彩葉iroha 撫naぜるzeru 夢弦mugenのno調shirabe
朽kuちたchita 恋hanaまでmade 芽吹mebuくようでkuyoude
裸足hadashiでde 忍shinoびbi込koんだnda
白黒絨毯shirokurojuutan 毎夜maiyoのno青眼seigan
奇ayaしげにshigeni 洒落込syarekoんだnda
光hikariのno中naka 男otokoはha言iったtta
「僕bokuのno音neをwo君kimiにni託takuそうsou」
千秋chiakiのno風kazeにni 泣naきki濡nuれたreta
刻kizaむmu指yubi 震furuわすwasu弓yumiはha
殊更kotosaraにni烈hageしくshiku
ひらりhirari わらうwarau 世yoのno不条理fujouriとto
冬fuyuのno 跫ashiotoにni抱idaかれてkarete
出逢deaいi 別wakaれre 然saれどもredomo止yaまぬmanu
経緯tateyokoのno愛itoはha 永久towaのno夢yume
「君kimiのno音neよyo 明日asuはきっとhakitto」
祈inoりri呟tsubuyaくku窓madoのno外soto
指先yubisakiにni 一片hitohiraのno葉ha -----
ただtada散chiりゆくriyuku花弁kabenにni
涙namidaもmo忘wasuれてたreteta
月tsukiにni 雪yukiにni 鳴naくku螽斯kirigirisu
どうかdouka 君kimiにni 聞kiこえるならばkoerunaraba
春haruにni 恋hanaにni 奏kanaでておくれdeteokure
垂taらすrasu このkono愛itoにni 絡karaませてmasete
出逢deaいi 別wakaれre 背中合senakaaわせたwaseta
悲kanaしshi 愛kanaしshi 奏kanadeのno織糸itoはha
枯kaれたreta 恋hanaにni 羽衣着hagoromokiせてsete
麗uruwaしきshiki 実miをwo 結musuぶでしょうbudesyou
君kimiのno 温nukuもりにmorini 眠nemuらせてrasete