甲斐かいの山々やまやま 陽ひに映はえて
われ出陣しゅつじんに うれいなし
おのおの馬ばは 飼かいたるや
妻子つまこに恙つつが あらざるや あらざるや
祖霊それいまします この山河やまが
敵てきにふませて なるものか
人ひとは石垣いしがき 人ひとは城しろ
情なさけは味方みかた 仇あだは敵てき 仇あだは敵てき
(詩吟しぎん)
疾風ときことかぜの如ごとく
徐しずかなること林はやしの如ごとし
侵掠しんりゃくすること火ひの如ごとく
動うごか不ざること山やまの如ごとし
つつじヶ崎つつじがさきの 月つきさやか
うたげをつくせ あすよりは
おのおの京きょうを めざしつつ
雲くもと興おこれや 武田たけだ武士ぶし 武田たけだ武士ぶし
甲斐kaiのno山々yamayama 陽hiにni映haえてete
われware出陣syutsujinにni うれいなしureinashi
おのおのonoono馬baはha 飼kaいたるやitaruya
妻子tsumakoにni恙tsutsuga あらざるやarazaruya あらざるやarazaruya
祖霊soreiましますmashimasu このkono山河yamaga
敵tekiにふませてnifumasete なるものかnarumonoka
人hitoはha石垣ishigaki 人hitoはha城shiro
情nasaけはkeha味方mikata 仇adaはha敵teki 仇adaはha敵teki
(詩吟shigin)
疾風tokikotokazeのno如gotoくku
徐shizuかなることkanarukoto林hayashiのno如gotoしshi
侵掠shinryakuすることsurukoto火hiのno如gotoくku
動ugoかka不zaることrukoto山yamaのno如gotoしshi
つつじヶ崎tsutsujigasakiのno 月tsukiさやかsayaka
うたげをつくせutagewotsukuse あすよりはasuyoriha
おのおのonoono京kyouをwo めざしつつmezashitsutsu
雲kumoとto興okoれやreya 武田takeda武士bushi 武田takeda武士bushi