合い鳴き 歌詞 鏡音リン,鏡音レン ふりがな付

同情どうじょう 高潔こうけつな御職おしょくの為ために呑のみこむ
六文ろくもんの足たしになるのなら仇かたきも愛めでよう
うんちょっと長船嬢おさふねじょうさん今日きょうはどこか
眺ながめのいい茶屋ちゃやとか行いかないか

「こんな日々ひびを過すごしています」
売女ばいたのような横顔よこがおだろう
伝屍でんしの人泣ひとないている 泣ないているよ
白しらけた目めを瞑つむる

きっとこの世よは蜃気楼しんきろう
浅葱あさぎの裃かみしもには散ちる桜さくら
ああ 時勢じせいは流ながれてゆく
僕ぼくの袖そでを掠かすめてゆく

山粧やまよそおう暮くれに篝火かがりびは冴さえ
一太刀ひとたちじゃどうにもこうにもならない
銀紙竹光ぎんしたけみつ
不義理ふぎり、義理ぎりの知しらぬ采配おてなみで
赤襟あかえりを自慢じまんする それも好いいわ

「こんな日々ひびを過すごしたくて」
陰間かげまのような掌てのひらだろう
兵つわものたち夢ゆめのあと 夢ゆめのあと
羨望せんぼうの目めを瞑つむる

そっと駆かけ出だす東海道とうかいどう
箱根はこねの関所せきしょを東ひがしに逸それて
ああ 時勢じせいを追おいかけて
僕ぼくは袖そでを濡ぬらしてゆく

慣なれぬものに慣なれようとして
扇子腹せんすはらに死しぬるような感情かんじょう
ああ 身みの丈たけも知しらで生いきてゆく
やぶれかぶれでも

「こんな日々ひびを過すごしています」
烈士れっしのような足元あしもとだろう
許ゆるされれば離はなれてゆく 離はなれてゆく
それでも進すすむ僕ぼくは

だってかき垂たれる雨模様あめもよう
ワケない手蜀てしょくに灯ともる閏火うるうひ
ああ後世こうせいに消きえてゆく
それでもいいとは思おもえない

なんて美うつくし蜃気楼しんきろう
浅葱あさぎの裃かみしもには散ちる桜さくら
ああ 時勢じせいは流ながれてゆく
僕ぼくの袖そでを掠かすめて
誰だれかの袖そでを濡ぬらしてゆく