あしかせ 歌詞 黒木渚 ふりがな付

足あしをもがれたバッタは同おなじとこに留とまって
半径はんけい五ごセンチの中なかで一生いっしょうを終おえた
あしかせを付つけた私わたしは逃にげ出だすこともできず
この小ちいさな空間くうかんで死しんでいくのかな

耳みみも聞きこえるし 目めも見みえる 声こえを出だす事ことも
悲かなしい旋律せんりつは風かぜになって渓谷けいこくを駈かける
それだけ それだけ ただ歌うたうだけ
誰だれかを待まってただ歌うたうだけ

イタリアという国くにには素敵すてきな靴くつがあるという
美うつくしいビロウドで出来できた素敵すてきな靴くつが
あしかせを付つけた私わたしはその喜よろこびも知しらず
薄汚うすよごれたこの足あしで生いきていくのかな

耳みみも聞きこえるし 目めも見みえる 声こえを出だす事ことも
鮮明せんめいな感覚かんかくが仇あだになって絶望ぜつぼうを作つくる
それだけ それだけ ただ歌うたうだけ
何なにかを待まってただ歌うたうだけ

付つきまとう幻覚げんかくや幻聴げんちょう
振ふり切きってけたら会あえるのに 会あえるのに