風かぜが散ちらばる
雲くもが裂さかれる
月つきは欠かけもせず
神獣鏡しんじゅうきょう 宿やどす闇やみ
君謡きみうたう声音こわねへと
女人にょにんが舞まい降おりて
羽衣脱はごろもぬぎ捨すてて沐浴もくよくす
滴弾しずくはじくは白尾はくび
花はなを食くらうは牙きば
妖あやかしの影かげ
目蓋まぶたに映うつらんか
私わたしはいつも此処ここに 此処ここにいる
君きみのすぐ前まえに
どんなモノに姿すがたを 変かえたとて
君きみのすぐそばに
この世よとあの世よを行ゆき交かう吾等われらに
安息あんそくの地ちはなくも
刻ときが重かさなる
空くうが罅入ひびいる
城しろに灯あかりなく
天守閣てんしゅかく 棲すまう夜よる
君きみが吹ふく笛ふえの音ねに
鬼おにが来きたりて哭なく
草陰くさかげに満みつる黒くろい涙なみだ
怪異かいいなる容かんばせに
夢ゆめの香かの名残なごりを
覚おぼえるだろう
その手ては触ふれもせず
私わたしはいつも此処ここに 此処ここにいる
君きみのすぐ前まえに
どんなモノに姿すがたを 変かえたとて
君きみのすぐそばに
私わたしはいつも此処ここで 此処ここで死しす
君きみの目めの前まえで
たとえいくど命いのちを 得えたとても
君きみのそばで死しす
この世よとあの世よを行ゆき交かう吾等われらに
安棲あんじゅうの地ちはなくも
風kazeがga散chiらばるrabaru
雲kumoがga裂saかれるkareru
月tsukiはha欠kaけもせずkemosezu
神獣鏡shinjuukyou 宿yadoすsu闇yami
君謡kimiutaうu声音kowaneへとheto
女人nyoninがga舞maいi降oりてrite
羽衣脱hagoromonuぎgi捨suててtete沐浴mokuyokuすsu
滴弾shizukuhajiくはkuha白尾hakubi
花hanaをwo食kuらうはrauha牙kiba
妖ayakashiのno影kage
目蓋mabutaにni映utsuらんかranka
私watashiはいつもhaitsumo此処kokoにni 此処kokoにいるniiru
君kimiのすぐnosugu前maeにni
どんなdonnaモノmonoにni姿sugataをwo 変kaえたとてetatote
君kimiのすぐそばにnosugusobani
このkono世yoとあのtoano世yoをwo行yuきki交kaうu吾等wareraにni
安息ansokuのno地chiはなくもhanakumo
刻tokiがga重kasaなるnaru
空kuuがga罅入hibiiるru
城shiroにni灯akariなくnaku
天守閣tensyukaku 棲suまうmau夜yoru
君kimiがga吹fuくku笛fueのno音neにni
鬼oniがga来kiたりてtarite哭naくku
草陰kusakageにni満miつるtsuru黒kuroいi涙namida
怪異kaiiなるnaru容kanbaseにni
夢yumeのno香kaのno名残nagoriをwo
覚oboえるだろうerudarou
そのsono手teはha触fuれもせずremosezu
私watashiはいつもhaitsumo此処kokoにni 此処kokoにいるniiru
君kimiのすぐnosugu前maeにni
どんなdonnaモノmonoにni姿sugataをwo 変kaえたとてetatote
君kimiのすぐそばにnosugusobani
私watashiはいつもhaitsumo此処kokoでde 此処kokoでde死shiすsu
君kimiのno目meのno前maeでde
たとえいくどtatoeikudo命inochiをwo 得eたとてもtatotemo
君kimiのそばでnosobade死shiすsu
このkono世yoとあのtoano世yoをwo行yuきki交kaうu吾等wareraにni
安棲anjuuのno地chiはなくもhanakumo