文學少女 歌詞 BURNOUT SYNDROMES ふりがな付

空そらは静しずかに白しろみ始はじめていた
小説家しょうせつか 〆切しめきり前まえのam4:00
少すこしずつ 少すこしずつ書かき溜ためてきた 君きみと僕ぼくの小説しょうせつを書かいている

『文學ぶんがく少女しょうじょ』

国境こっきょうの長ながいトンネルを抜ぬけると雪国ゆきぐにだった
背中せなかにくい込こんでいた夜よると 桜さくらの樹きの下したに埋うまる屍体したいと
『蜘蛛くもの糸いと』と『羅生門らしょうもん』と『城しろの崎さき』と『走はしれメロス』と
『君きみ』と『僕ぼく』で出来できた物語ものがたりに 名前なまえはまだない
恥はじの多おおい生涯しょうがいを送おくってきました

夕暮ゆうぐれ チャイムが鳴なり響ひびいていた
沈しずんだ目めで上履うわばきを探さがす少女しょうじょ
授業じゅぎょうも聞きかずに 日ひが暮くれるまで
窓際まどぎわの席せきで小説しょうせつを読よんでいた

ボーイ・ミーツ・ガール@　校舎こうしゃ裏うら
籠球ろうきゅう部ぶの喧噪けんそうと 風かぜに舞まうカーテンと 通知表つうちひょう飛行機ひこうきと
何遍なんべんも 何遍なんべんも書かき直なおした この世界せかいを君きみは笑わらうだろう
嘘うそばかりのストーリー と
ただ ラストシーンのこの台詞せりふが君きみ以外いがいに伝つたわりませんように
「その手首てくびの痣あざ、とても綺麗きれいでした。」

少女しょうじょはいつしか変かわり始はじめていた
戦たたかう術すべを小説しょうせつが教おしえていた
言葉ことばを剣けんに 沈黙ちんもくを盾たてに
君きみは 君きみだけの主人公しゅじんこうになる

ダンス・ダンス・ダンス@　高架下こうかした
総武線そうぶせんの振動しんどうと 右みぎのサイドスローで小石こいし 跳はねる 荒川あらかわ

何遍なんべんも 何遍なんべんも書かき直なおした その未来みらいで君きみは笑わらうだろう
誇ほこり高たかきストーリー と
いま
あの孤独こどくと 自殺じさつ願望がんぼうが 君きみのための文學ぶんがくになるんだ
跳はねる水飛沫みずしぶき とても綺麗きれいでした

朝あさ 食堂しょくどうで吸すう一ひとさじのスウプと
鳴なり響ひびくさびしさと "好すき"という絶望ぜつぼうの中なかでは
『檸檬れもん』も『蜜柑みかん』も『斜陽しゃよう』も『河童かっぱ』も
『こゝろ』も『破戒はかい』も『夜間飛行やかんひこう』も
『銀河ぎんが鉄道てつどう』も『砂糖さとう菓子かし』も 君きみと過すごした青春せいしゅん全部ぜんぶが
『限かぎりなく透明とうめいに近ちかいブルー』だ

シャープ・ペンで書かけるような 薄うすっぺらな僕ぼくの人生じんせいも
水性すいせいペンで書かいたような 涙なみだ滲にじむ 君きみの明日あしたも
世界せかいにたった一ひとつだけだ
共ともにハッピーエンドを信しんじて書かこう
人生じんせいはストーリー

何遍なんべんも 何遍なんべんも書かき直なおした この世界せかいを君きみは笑わらうだろう
嘘うそばかりのストーリー と
ただ ラストシーンのこの台詞せりふが君きみ以外いがいに伝つたわりませんように

「その手首てくびの痣あざ、とても綺麗きれいでした。」

『文學ぶんがく少女しょうじょ』