二羽の鳥～寺山修司に捧ぐ～ 歌詞 橋本美香 ふりがな付

土つちに眠ねむる人ひとは皆みな
鳥とりになって飛とんでゆく
海うみを渡わたって世界せかいの果はてまで
思おもい出でだけを置おき去ざりにして

二羽にわの鳥とりが木きの枝えだにとまって
一羽いちわの鳥とりは餌えさをついばむ
もう一羽いちわの鳥とりは黙だまって
喜よろこんでそれを見みているばかり

ある日一羽ひいちわの鳥とりは夢追ゆめおい
翼つばさを広ひろげて旅たびに出でる
海うみの途中とちゅうで力尽ちからつきても
心こころは高たかく大空おおぞらを飛とぶ

残のこされたもう一羽いちわの鳥とりは
消きえていった空そらを見みあげて
今日きょうはきっと帰かえって来くるよと
夜よるを朝あさについで待まってる


数かぞえても数かぞえきれない
日々ひびが通とおりすぎてゆく
遠とおい昔むかしを思おもって今いまは
微笑ほほえみ浮うかべ眠ねむりにつく

眠ねむりに落おちたあとで皆みな
忘わすれた人生じんせいにまた出会であう
あなたはどこで目覚めざめるかしら
その時ときそばにいる人ひとは誰だれ