小夜さよの中山なかやま 峠とうげを越こえて
草鞋わらじの先さきを 東ひがしへ向むける
聞きいてくれるな そのわけは
あゝ 茶山茶ちゃやまちゃどころ 茶ちゃの香かおり
ちゃっきり茶太郎ちゃたろう
故郷ふるさと恋こいしや 富士ふじの山やま
愚痴ぐちと弱音よわねは 得意とくいじゃないが
泣なきたい時ときは 俺おれにもあるさ
涙なみだ一粒ひとつぶ 振ふり払はらい
あゝ 唄うたいだすのさ 茶摘つみ唄うた
ちゃっきり茶太郎ちゃたろう
帰かえるに帰かえれぬ 牧之原まきのはら
何里なんり行ゆけども 忘わすれはしない
あの娘むすめの声こえが 背中せなかにからむ
何なにを隠かくそう 惚ほれていた
あゝ 赤あかい襷たすきに 菅すげの笠かさ
ちゃっきり茶太郎ちゃたろう
遠州えんしゅうはるかに 駿河湾するがわん
小夜sayoのno中山nakayama 峠tougeをwo越koえてete
草鞋warajiのno先sakiをwo 東higashiへhe向muけるkeru
聞kiいてくれるなitekureruna そのわけはsonowakeha
あaゝ 茶山茶chayamachaどころdokoro 茶chaのno香kaoりri
ちゃっきりchakkiri茶太郎chatarou
故郷furusato恋koiしやshiya 富士fujiのno山yama
愚痴guchiとto弱音yowaneはha 得意tokuiじゃないがjanaiga
泣naきたいkitai時tokiはha 俺oreにもあるさnimoarusa
涙namida一粒hitotsubu 振fuりri払haraいi
あaゝ 唄utaいだすのさidasunosa 茶摘tsuみmi唄uta
ちゃっきりchakkiri茶太郎chatarou
帰kaeるにruni帰kaeれぬrenu 牧之原makinohara
何里nanri行yuけどもkedomo 忘wasuれはしないrehashinai
あのano娘musumeのno声koeがga 背中senakaにからむnikaramu
何naniをwo隠kakuそうsou 惚hoれていたreteita
あaゝ 赤akaいi襷tasukiにni 菅sugeのno笠kasa
ちゃっきりchakkiri茶太郎chatarou
遠州ensyuuはるかにharukani 駿河湾surugawan