イメージの詩 歌詞 吉田拓郎 ふりがな付

これこそはと 信しんじれるものが
この世よにあるだろうか
信しんじるものがあったとしても
信しんじないそぶり
悲かなしい涙なみだを流ながしている人ひとは
きれいなものでしょうね
涙なみだをこらえて 笑わらっている人ひとは
きれいなものでしょうね

男おとこはどうして女おんなを求もとめて
さまよっているんだろう
女おんなはどうして 男おとこを求もとめて
着飾きかざっているんだろう
いいかげんな奴やつらと 口くちをあわして
俺おれは歩あるいていたい
いいかげんな奴やつらも 口くちをあわして
俺おれと歩あるくだろう

たたかい続つづける人ひとの心こころを
誰だれもがわかってるなら
たたかい続つづける人ひとの心こころは
あんなには 燃もえないだろう
傷きずつけあうのが こわかった昔むかしは
遠とおい過去かこのこと
人ひとには人ひとを傷きずつける力ちからがあったんだろう

吹ふきぬける風かぜのような
俺おれの住すむ世界せかいへ
一度いちどはおいでよ
荒あれはてた大地だいちにチッポケな花はなを一ひとつ
咲さかせておこう
俺おれもきっと君きみのいる太陽たいようのあるところへ
行いってみるよ
そして きっと言いうだろう
来きてみて良よかった 君きみがいるから

長ながい長ながい坂さかを登のぼって
後あとを見みてごらん
誰だれもいないだろう
長ながい長ながい坂さかをおりて
後あとを見みてごらん
皆みんなが上うえで手てを振ふるさ
きどったしぐさが したかったあんた
鏡かがみを見みてごらん
きどったあんたが映うつってるじゃないか
あんたは立派りっぱな人ひとさ

空そらを飛とぶのは鳥とりに羽はねがあるから
ただそれだけのこと
足あしがあるのに歩あるかない俺おれには
羽はねも生はえやしない

激はげしい激はげしい恋こいをしている俺おれは
いったい誰だれのもの
自分じぶんじゃ 言いいたいのさ
君きみだけの俺おれだと 君きみだけのものだよと
裏切うらぎりの恋こいの中なかで
俺おれは一人ひとりもがいている
はじめから だますつもりでいたのかい
僕ぼくの恋人こいびとよ

人ひとの命いのちが絶たえる時ときが来きて
人ひとは何なにを思おもう
人ひとの命いのちが生うまれる時ときには
人ひとはただ笑わらうだけ

古ふるい船ふねには新あたらしい水夫すいふが
乗のり込こんで行いくだろう
古ふるい船ふねをいま 動うごかせるのは
古ふるい水夫すいふじゃないだろう
なぜなら古ふるい船ふねも 新あたらしい船ふねのように
新あたらしい海うみへ出でる
古ふるい水夫すいふは知しっているのさ
新あたらしい海うみのこわさを

いったい
俺おれたちの魂たましいのふるさとってのは
どこにあるんだろうか
自然しぜんに帰かえれって言いうことは
どう言いうことなんだろうか
誰だれかが言いってたぜ
俺おれは人間にんげんとして 自然しぜんに生いきているのさ
自然しぜんに生いきるって
わかるなんて
何なんて不自然ふしぜんなんだろう

孤独こどくをいつの間まにか
淋さびしがり屋やと かんちがいして
キザなセリフをならべたてる
そんな自分じぶんを見みた
悲かなしい男おとこと 悲かなしい女おんなの
いつもひとりごと
それでもいつかは
いつものように 慰なぐさめあっている