スズムシ 歌詞 中村中 ふりがな付

この手てを離はなれた 美うつくしい羽音はおとよ
ちいさなわがまま 許ゆるしてほしい
この目めに悲かなしい 景色けしきが映うつるから
やわらかいその声こえ 思おもい出ださせて りりりり

僕ぼくの部屋へやに迷まよい込こんだ君きみは
見掛みかけよりも素直すなおな目めをしてた
不器用ぶきような声こえが妙みょうに愛いとしくて
僕ぼくの耳みみをさんざん夢中むちゅうにさせたのに

この手てを離はなれた 美うつくしい羽音はおとよ
まだ僕ぼくは君きみのこと 愛あいせたけれど
その目めが肩越かたごし 窓まどの外そと映うつすから
やわらかいその声こえ 空そらに逃のがした りりりり

それからまた君きみに似にた迷子まいごを
見掛みかけるたび耳みみが熱あつくなった
何なにもない僕ぼくの何なにもない部屋へやは
君きみがいないことをうるさく教おしえるよ

震ふるえを止とめないで どこかで鳴ないていて
誰だれかの手てのひらで 歌うたい続つづけて

この手てを離はなれた 美うつくしい羽音はおとよ
戻もどって来くることは 望のぞまないから
この世よが悲かなしい 景色けしきを映うつすときは
やわらかいその声こえ 思おもい出ださせて りりりり