初夏しょかの晴はれた昼下ひるさがり 私わたしは生うまれたと聞ききました
母親ははおやの喜よろこび様ざまは大変たいへんだったと聞ききました
「ただ真まっ直すぐ信しんじる道みちを歩あゆんでほしい」と願ねがいこめて
悩なやみ抜ぬいたすえに この名なを私わたしに付つけたと聞ききました
我わが家やはあの頃ころからやはり 裕福ゆうふくな方ほうではなく
友達ともだちのオモチャや自転車じてんしゃを羨うらやましがってばかり
少すこし困こまったような顔かおで
「ごめんね」と繰くり返かえす母親ははおやのとなりで
いつまでもいつまでも泣ないたのを覚おぼえてます
アンマーよ アナタは私わたしの全すべてを許ゆるし
全すべてを信しんじ全すべてを包つつみ込こんで
惜おしみもせずに 何なにもかもを私わたしの上うえに注そそぎ続つづけてきたのに
アンマーよ 私わたしはそれでも気付きづかずに
思おもいのままに過すごしてきたのでした
「強つよさ」の意味いみをはき違ちがえて ケンカや悪わるさばかりをくり返かえし
勝手気かってきままに遊あそびまわる 本当ほんとうにロクでもない私わたしが
真夜中まよなかの静しずけさの中なか 忍しのび足あしで家いえに帰かえったときも
狭せまい食卓しょくたくの上うえには 茶碗ちゃわんが並ならべられていました
自分じぶんの弱よわさに目めを背そむけ 言いい訳わけやゴタクを並ならべ
何なにもせずにただ毎日まいにちをだらだらと過すごし続つづけ
浴あびる程ほどに飲のんだ私わたしが 明あけ方がた眠ねむりに落おちる頃ころ
まだ薄暗うすぐらい朝あさの街まちへ 母ははは出でて行いくのでした
アンマーよ 私わたしはアナタに言いってはいけない
決けっして口くちにしてはいけない言葉ことばを
加減かげんもせずに投なげつけてはアナタの心こころを踏ふみにじったのに
アンマーよ アナタはそれでも変かわることなく
私わたしを愛あいしてくれました
木漏こもれ日びのようなぬくもりで 深ふかい海うみの様ような優やさしさで
全部ぜんぶ 全部ぜんぶ 私わたしの全すべてを包つつみ込こんだ
アナタの背中せなかに負おわれながら 眺ながめた八重瀬やえせ岳だけの夕陽ゆうひは
今日きょうも変かわらず 茜色あかねいろに街まちを染そめる yeah
度たびが過すぎるほどの頑固がんこさも わがままも卑怯ひきょうな嘘うそもすべて
すべてを包つつみ込こむような愛あいがそこにはありました
アナタのもとに生うまれ落おちたことは こんなにも幸しあわせだった
今頃いまごろようやく気付きづきました こんな馬鹿ばかな私わたしだから
春先はるさきの穏おだやかな朝あさに新あたらしい命いのちが生うまれました
アナタの様ように良よく笑わらう宝石ほうせきみたいな女おんなの子こ
「優やさしさの中なかに凛々りりしさを秘ひめた人ひと」になるようにと願ねがい
アナタの一番いちばん好すきな 花はなの名前なまえを付つけました
初夏syokaのno晴haれたreta昼下hirusaがりgari 私watashiはha生uまれたとmaretato聞kiきましたkimashita
母親hahaoyaのno喜yorokoびbi様zamaはha大変taihenだったとdattato聞kiきましたkimashita
「ただtada真maっxtu直suぐgu信shinじるjiru道michiをwo歩ayuんでほしいndehoshii」とto願negaいこめてikomete
悩nayaみmi抜nuいたすえにitasueni このkono名naをwo私watashiにni付tsuけたとketato聞kiきましたkimashita
我waがga家yaはあのhaano頃koroからやはりkarayahari 裕福yuufukuなna方houではなくdehanaku
友達tomodachiのnoオモチャomochaやya自転車jitensyaをwo羨urayaましがってばかりmashigattebakari
少sukoしshi困komaったようなttayouna顔kaoでde
「ごめんねgomenne」とto繰kuりri返kaeすsu母親hahaoyaのとなりでnotonaride
いつまでもいつまでもitsumademoitsumademo泣naいたのをitanowo覚oboえてますetemasu
アンマanmaーよyo アナタanataはha私watashiのno全subeてをtewo許yuruしshi
全subeてをtewo信shinじji全subeてをtewo包tsutsuみmi込koんでnde
惜oしみもせずにshimimosezuni 何naniもかもをmokamowo私watashiのno上ueにni注sosoぎgi続tsuduけてきたのにketekitanoni
アンマanmaーよyo 私watashiはそれでもhasoredemo気付kiduかずにkazuni
思omoいのままにinomamani過suごしてきたのでしたgoshitekitanodeshita
「強tsuyoさsa」のno意味imiをはきwohaki違chigaえてete ケンカkenkaやya悪waruさばかりをくりsabakariwokuri返kaeしshi
勝手気kattekiままにmamani遊asoびまわるbimawaru 本当hontouにniロクrokuでもないdemonai私watashiがga
真夜中mayonakaのno静shizuけさのkesano中naka 忍shinoびbi足ashiでde家ieにni帰kaeったときもttatokimo
狭semaいi食卓syokutakuのno上ueにはniha 茶碗chawanがga並naraべられていましたberareteimashita
自分jibunのno弱yowaさにsani目meをwo背somuけke 言iいi訳wakeやyaゴタクgotakuをwo並naraべbe
何naniもせずにただmosezunitada毎日mainichiをだらだらとwodaradarato過suごしgoshi続tsuduけke
浴aびるbiru程hodoにni飲noんだnda私watashiがga 明aけke方gata眠nemuりにrini落oちるchiru頃koro
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アンマanmaーよyo 私watashiはhaアナタanataにni言iってはいけないttehaikenai
決kextuしてshite口kuchiにしてはいけないnishitehaikenai言葉kotobaをwo
加減kagenもせずにmosezuni投naげつけてはgetsuketehaアナタanataのno心kokoroをwo踏fuみにじったのにminijittanoni
アンマanmaーよyo アナタanataはそれでもhasoredemo変kaわることなくwarukotonaku
私watashiをwo愛aiしてくれましたshitekuremashita
木漏komoれre日biのようなぬくもりでnoyounanukumoride 深fukaいi海umiのno様youなna優yasaしさでshisade
全部zenbu 全部zenbu 私watashiのno全subeてをtewo包tsutsuみmi込koんだnda
アナタanataのno背中senakaにni負oわれながらwarenagara 眺nagaめたmeta八重瀬yaese岳dakeのno夕陽yuuhiはha
今日kyouもmo変kaわらずwarazu 茜色akaneiroにni街machiをwo染soめるmeru yeah
度tabiがga過suぎるほどのgiruhodono頑固gankoさもsamo わがままもwagamamamo卑怯hikyouなna嘘usoもすべてmosubete
すべてをsubetewo包tsutsuみmi込koむようなmuyouna愛aiがそこにはありましたgasokonihaarimashita
アナタanataのもとにnomotoni生umaれre落oちたことはchitakotoha こんなにもkonnanimo幸shiawaせだったsedatta
今頃imagoroようやくyouyaku気付kiduきましたkimashita こんなkonna馬鹿bakaなna私watashiだからdakara
春先harusakiのno穏odaやかなyakana朝asaにni新ataraしいshii命inochiがga生uまれましたmaremashita
アナタanataのno様youにni良yoくku笑waraうu宝石housekiみたいなmitaina女onnaのno子ko
「優yasaしさのshisano中nakaにni凛々ririしさをshisawo秘hiめたmeta人hito」になるようにとninaruyounito願negaいi
アナタanataのno一番ichiban好suきなkina 花hanaのno名前namaeをwo付tsuけましたkemashita