雪花石膏アラバスターの背骨せぼねを軋きしませ歩あるくこの現世げんせは
なぜこんなにも醜みにくく穢けがれに満みちているのでしょうか
わたしは今日きょうもひとり
脇目わきめふらず
繻子しゅすの沓くつ 泥塗どろまみれようが
ただ歩あるいていたいのに
声こえをかけるのは誰だれ
肩かたを掴つかむのは何なに
厭いとわしい者ものらに湛たたえた
微笑びしょうは蒼白そうはくの蝶ちょう
日常にちじょうに舞まう死し
今いまはどこにいるの
わたしの愛いとしい
妹いもうとたち お姉ねえさま
頽くずおれる夜よるに問とう
かつて麗うるわしの森もり
同おなじひとつの茎くきに
連つらなり咲さいたわたしたちは
ああ美うつくしい白百合しらゆり
月光げっこうの愛人ラマン
忘わすれぬ 薫かおりを
風間かざまに 放はなって
しずかに声こえ 合あわせましょう
烟けむる靄もやは 震ふるえる
共ともに謳うたい 夢ゆめを交かわし
甘あまい眠ねむり 分わけあい
たとえ時ときを隔へだてたとて
つながる 指先ゆびさき 銀ぎんの糸いと
ひろげた胸むね 重かさねましょう
濡ぬれそぼって 零こぼれて
金華きんかの珠たま 月花つきかの種たね
また互たがいを身みごもる
けして人ひとが持もてなかった
愛あいという美学びがくは ここに在ある
鳩血紅色ビジョンブラッドの心臓潤しんぞううるませ視みるこの現実げんじつは
なぜこんなにも乾かわいた哀かなしみが溢あふれるのでしょうか
わたしたちはひとりも
朽くちはしない
白百合しらゆりの記憶きおくを抱だきしめ
ただ歩あるいていくでしょう
息絶いきたえぬように
雪花石膏arabasutâのno背骨seboneをwo軋kishiませmase歩aruくこのkukono現世genseはha
なぜこんなにもnazekonnanimo醜minikuくku穢kegaれにreni満miちているのでしょうかchiteirunodesyouka
わたしはwatashiha今日kyouもひとりmohitori
脇目wakimeふらずfurazu
繻子syusuのno沓kutsu 泥塗doromamiれようがreyouga
ただtada歩aruいていたいのにiteitainoni
声koeをかけるのはwokakerunoha誰dare
肩kataをwo掴tsukaむのはmunoha何nani
厭itoわしいwashii者monoらにrani湛tataえたeta
微笑bisyouはha蒼白souhakuのno蝶chou
日常nichijouにni舞maうu死shi
今imaはどこにいるのhadokoniiruno
わたしのwatashino愛itoしいshii
妹imoutoたちtachi おo姉neeさまsama
頽kuzuoれるreru夜yoruにni問toうu
かつてkatsute麗uruwaしのshino森mori
同onaじひとつのjihitotsuno茎kukiにni
連tsuraなりnari咲saいたわたしたちはitawatashitachiha
ああaa美utsukuしいshii白百合shirayuri
月光gekkouのno愛人raman
忘wasuれぬrenu 薫kaoりをriwo
風間kazamaにni 放hanaってtte
しずかにshizukani声koe 合aわせましょうwasemasyou
烟kemuるru靄moyaはha 震furuえるeru
共tomoにni謳utaいi 夢yumeをwo交kaわしwashi
甘amaいi眠nemuりri 分waけあいkeai
たとえtatoe時tokiをwo隔hedaてたとてtetatote
つながるtsunagaru 指先yubisaki 銀ginのno糸ito
ひろげたhirogeta胸mune 重kasaねましょうnemasyou
濡nuれそぼってresobotte 零koboれてrete
金華kinkaのno珠tama 月花tsukikaのno種tane
またmata互tagaいをiwo身miごもるgomoru
けしてkeshite人hitoがga持moてなかったtenakatta
愛aiというtoiu美学bigakuはha ここにkokoni在aるru
鳩血紅色bijonburaddoのno心臓潤shinzouuruませmase視miるこのrukono現実genjitsuはha
なぜこんなにもnazekonnanimo乾kawaいたita哀kanaしみがshimiga溢afuれるのでしょうかrerunodesyouka
わたしたちはひとりもwatashitachihahitorimo
朽kuちはしないchihashinai
白百合shirayuriのno記憶kiokuをwo抱daきしめkishime
ただtada歩aruいていくでしょうiteikudesyou
息絶ikitaえぬようにenuyouni