温風おんかぜに揺ゆらぎ張はり付つきし頬ほおの
乱みだれ髪がみゆらぁり目隠めかくし
糸車いとぐるまかたりかたり紡つむぎ音ねも途絶とだえ
引ひいても応いらえぬ手繰たぐり虚ぞら
気紛きまぐれの蛍此ほたるこの身みとまれど
見知みしらぬ影かげへと灯篭揺とうろうゆらし
待まてど暮くらせど来こぬ人ひとを唯只管ただひたすらに
宵待草よいまちぐさ…其それでもいいと
所詮しょせんは想詩そうし、葬哀そうあい 其それでも
「…倖しあわせだったのに」
糜爛裂びらんさき石榴ざくろ 此この身腫みはらせど
泥濘ぬかる執念しゅうねんを 撥はねるは蛙かわず
あな哀かなしき いと憎にくしや あな悔くやしき いと怨うらめし
逸いっそ四肢ししもぎて 両りょうの耳削みみそぎ
刳くり貫ぬき眼まなこに 舌したちょん切ぎろか
あな哀かなしき いと憎にくしや あな悔くやしき いと怨うらめし
いと憎にくしや いと怨うらめし いとど憎にくき いとど怨うらめしや
汚よごれつちまつた悲哀かなしみの海うみに溺おぼるる
棄すてるのなら跡形あとかたも無なく切きり刻きざんでよ
物云ものいわぬ背せに紫煙しえんの燻くゆりも…
待まてど暮くらせど来こぬ人ひとを唯只管ただひたすらに
宵待草よいまちぐさ…其それでもいいと
所詮しょせんは想詩そうし、葬哀そうあい 夢見ゆめみたる成なれの果はて
温風おんかぜは頬撫ほほなで殊更ことさらに煽おあり 打うち付つけ濁月夜にごりつきよ
待まつ身みの口惜くちおしさ故ゆえ
鬼おにと化かす心こころよ
温風onkazeにni揺yuらぎragi張haりri付tsuきしkishi頬hooのno
乱midaれre髪gamiゆらぁりyuraari目隠mekakuしshi
糸車itogurumaかたりかたりkatarikatari紡tsumuぎgi音neもmo途絶todaえe
引hiいてもitemo応iraえぬenu手繰taguりri虚zora
気紛kimaguれのreno蛍此hotarukoのno身miとまれどtomaredo
見知mishiらぬranu影kageへとheto灯篭揺tourouyuらしrashi
待maてどtedo暮kuらせどrasedo来koぬnu人hitoをwo唯只管tadahitasuraにni
宵待草yoimachigusa…其soれでもいいとredemoiito
所詮syosenはha想詩soushi、葬哀souai 其soれでもredemo
「…倖shiawaせだったのにsedattanoni」
糜爛裂biransaきki石榴zakuro 此koのno身腫mihaらせどrasedo
泥濘nukaるru執念syuunenをwo 撥haねるはneruha蛙kawazu
あなana哀kanaしきshiki いとito憎nikuしやshiya あなana悔kuyaしきshiki いとito怨uraめしmeshi
逸ixtuそso四肢shishiもぎてmogite 両ryouのno耳削mimisoぎgi
刳kuりri貫nuきki眼manakoにni 舌shitaちょんchon切giろかroka
あなana哀kanaしきshiki いとito憎nikuしやshiya あなana悔kuyaしきshiki いとito怨uraめしmeshi
いとito憎nikuしやshiya いとito怨uraめしmeshi いとどitodo憎nikuきki いとどitodo怨uraめしやmeshiya
汚yogoれつちまつたretsuchimatsuta悲哀kanashimiのno海umiにni溺oboるるruru
棄suてるのならterunonara跡形atokataもmo無naくku切kiりri刻kizaんでよndeyo
物云monoiわぬwanu背seにni紫煙shienのno燻kuyuりもrimo…
待maてどtedo暮kuらせどrasedo来koぬnu人hitoをwo唯只管tadahitasuraにni
宵待草yoimachigusa…其soれでもいいとredemoiito
所詮syosenはha想詩soushi、葬哀souai 夢見yumemiたるtaru成naれのreno果haてte
温風onkazeはha頬撫hohonaでde殊更kotosaraにni煽oaりri 打uちchi付tsuけke濁月夜nigoritsukiyo
待maつtsu身miのno口惜kuchioしさshisa故yue
鬼oniとto化kaすsu心kokoroよyo