相剋の家 歌詞 人間椅子 ふりがな付

慚愧ざんきの数かずだけ涙なみだを零こぼせば
呵責かしゃくの鎖くさりが切きれるというのか
刹那せつなの庵いおりを股旅またたび歩あるけば
菩提ぼだいの地平ちへいが見みえるというのか

青春せいしゅんとは不仕合ふしあわせの驕おごり
諦念ていねんとは高利貸こうりがしの夜逃よにげ

楡にれの花はなが咲さいたよ

中絶ちゅうぜつの夜よる
絶食ぜっしょくの月つき
童貞どうていの道みち
相剋そうこくの家いえ

自じ瀆とくの汚泥おでいにその日ひを窶やつせば
憤怒ふんぬの仮面かめんが笑わらうというのか
懶惰らいだの墓標ぼひょうに誰だれかを刻きざめば
紅蓮ぐれんの車輪しゃりんが止とまるというのか

情熱じょうねつとはチンドン屋やの悟さとり
追憶ついおくとは破傷風はしょうふうの家出いえで

茱萸ぐみの実みひとつ弾はじけた

獄中ごくちゅうの友とも
中傷ちゅうしょうの秋あき
月経げっけいの春はる
相剋そうこくの家いえ

あぁ 淡あわい光ひかり
茜あかねのさす森もりの中なか
あぁ 貴方あなたの声こえ
我わが懐なつかしの埴生はにゅうの宿やど

あぁ 甘あまい記憶きおく
寄よせては返かえす夢ゆめの中なか
あぁ 数多あまたの恋こい
我われ忘わすれじの慟哭どうこくの歌うた 相剋そうこくの家いえ

帰かえりたい帰かえりたくない
帰かえろかな帰かえるのよそうかな

お前まえは逃にげてるお前まえは逃にげてる
お前まえは逃にげてるお前まえは逃にげてる

生いきている生いきてはいない
生いきよかな生いきるのよそうかな

お前まえは恐おそれるお前まえは恐おそれる
お前まえは恐おそれるお前まえは恐おそれる

人生じんせいとは長襦袢ながじゅばんの契ちぎり
絶望ぜつぼうとは団地だんち妻づまの午睡ひるね

赤あかい柘榴ざくろ割われたよ

勘当かんどうの町まち
引導いんどうの河かわ
恩讐おんしゅうの母はは
相剋そうこくの家いえ

他人たにんを羨うらやみ自分じぶんを蔑さげすみ
未来みらいを諦あきらめ何処どこへ行いこうか