VANGUARD 歌詞 じん ふりがな付

君きみが死しんだって聞きいて 旅たびに出でた
手紙てがみの最後さいごに記しるされた 遠とおい国くにへと

頼たよりない地図ちずを握にぎりしめ 鈍にぶい歩ほを進すすめる
懐なつかしい歌うたを 歌うたいながら

極寒ごっかんの荒野こうやの 孤独こどくのように
亡骸なきがらの側そばに 咲さいた花はなのように

惨むごたらしいものに 行ゆき逢あうほど
世界せかいは無情むじょうに 美うつくしく出来できていた

染そまっていく空そらの 朱しゅの色いろを写うつして
滲にじんだ僕ぼくらの 黄昏たそがれる命いのちが

途方とほうもないような 産声うぶごえを紡つむいで
今日きょうも歌うたっている 悲かなしみの歌うたを

アヴァターラの音おとに 涙なみだが零こぼれたら
誰だれも満みたせない世界せかいが 今日きょうも終おわっていく

言葉ことばになんてならない 想おもいを口遊くちずさむ
君きみの元もとに 届とどくように

波風なみかぜ 雲くもの峰みね 揺ゆれる水芭蕉みずばしょう
寂寞せきばくの風景ふうけいを 辿たどった旅たびの中なかで

君きみは確たしかに 見みつけたんだろう
生いきていく理由りゆうを 情熱じょうねつの在あり処かを

きっと誰だれもが 己おのが身みを窶やつして
残酷ざんこくな世界せかいに 意味いみを見出みいだすんだろう

消けさないようにと 謳うたい継ついだ歌うたが
今日きょうも響ひびいている 血ちの色いろと共ともに

西経せいけい 三十六さんじゅうろく度ど五ご分ふんで 空そらを灼やいた太陽たいようが
誰だれも届とどかない彼方かなたに 沈しずんでいく

シャングリラの夢ゆめを見みる 僕ぼくの目めに
緋ひの色いろを 焼やき付つけるように

やがて誰だれもが 屍しかばねを遺のこして
消きえていく世界せかいを 僕ぼくは愛あいせないけど

途方とほうもないほど 灯ともる星ほしを憂うれいて
今日きょうも歌うたうのさ 君きみの好すきな歌うたを

僕ぼくの声こえで

アヴァターラの音おとに 涙なみだが零こぼれたら
誰だれも満みたせない世界せかいが 今日きょうも終おわっていく

言葉ことばになんてならない 想おもいを口遊くちずさむ
君きみの元もとに 届とどくように

君きみの知しる 僕ぼくのままで

君きみが死しんだって聞きいて 旅たびに出でた
手紙てがみの最後さいごに記しるされた 遠とおい国くにへと

辿たどり着ついて やっと気きがついたよ
この旅たびは 続つづいていくんだと