太陽たいように炙あぶられて
這はい回まわる蜥蜴とかげのようだ
忙いそがしい足並あしなみで
闇雲やみくもに年としを重かさねた
いつの間まに磨すり減へって
鈍にぶくなるこの胸むねさえも
蒸むし返かえす郷愁きょうしゅうが薫かおるっては
少すこし騒さわいだ
結末忘けつまつわすれた映画えいがみたい
この碧みどりのあの日ひの続つづき?
わからない
少年特有しょうねんとくゆうの熱ねつの
その痕跡きずあとを辛かろうじて辿たどろう
あの夏なつの幽霊ゆうれいは
声こえもなく僕ぼくの記憶きおくを揺ゆらして
今いまもまだこの道みちに
冷ひややかな影かげを落おとしている
さりげない焦燥しょうそうが風かぜに解とけ
薄うすれゆくのを感かんじては
手繰たぐり寄よせるようにまた
思おもい出でと伴ともに
痛いたみを確たしかめる
浮うかんでは消きえて行いく
雨雲あまぐものような俤おもかげを
微睡まどろみの嗅覚きゅうかくで追おいかけて
その手てに触ふれた
蘇よみがえるものは蝉せみの音ねと
光ひかりを纏まとって笑わらった、
君きみは誰だれ?
少年期特有しょうねんきとくゆうの熱ねつが
鮮あざやかな夢ゆめみたいに囁ささやく
あの夏なつの幽霊ゆうれいは
声こえもなく僕ぼくの記憶きおくを揺ゆらして
今いまもまだこの胸むねに
ささやかな棘とげを残のこしている
密ひそやかな感傷かんしょうが
止とめどなく膨ふくらんで僕ぼくを満みたす
君きみの手てを取とり歩あるく憧憬あこがれを
僕ぼくは忘わすれていたのに
大切たいせつだったこと たがて霞かすんで
少すこしずつ違ちがう自分じぶんになっていった
夕立ゆうだちに洗あらわれて 雲くもが過すぎたら
あの日ひと同おなじ青あおを持もつ
帰かえろう
あの夏なつが続つづくなら
もう一度欠いちどかけた想おもい抱だき寄よせて
ありふれた痛いたみでも
年としを取とる僕ぼくの栞しおりに変かえてゆく
あの夏なつの幽霊ゆうれいは
声こえもなく僕ぼくの記憶きおくを揺ゆらして
今いまもまだこの胸むねに
ささやかな棘とげを残のこしている
太陽taiyouにni炙abuられてrarete
這haいi回mawaるru蜥蜴tokageのようだnoyouda
忙isogaしいshii足並ashinaみでmide
闇雲yamikumoにni年toshiをwo重kasaねたneta
いつのitsuno間maにni磨suりri減heってtte
鈍nibuくなるこのkunarukono胸muneさえもsaemo
蒸muしshi返kaeすsu郷愁kyousyuuがga薫kaoruってはtteha
少sukoしshi騒sawaいだida
結末忘ketsumatsuwasuれたreta映画eigaみたいmitai
このkono碧midoriのあのnoano日hiのno続tsuduきki?
わからないwakaranai
少年特有syounentokuyuuのno熱netsuのno
そのsono痕跡kizuatoをwo辛karoうじてujite辿tadoろうrou
あのano夏natsuのno幽霊yuureiはha
声koeもなくmonaku僕bokuのno記憶kiokuをwo揺yuらしてrashite
今imaもまだこのmomadakono道michiにni
冷hiややかなyayakana影kageをwo落oとしているtoshiteiru
さりげないsarigenai焦燥syousouがga風kazeにni解toけke
薄usuれゆくのをreyukunowo感kanじてはjiteha
手繰taguりri寄yoせるようにまたseruyounimata
思omoいi出deとto伴tomoにni
痛itaみをmiwo確tashiかめるkameru
浮uかんではkandeha消kiえてete行iくku
雨雲amagumoのようなnoyouna俤omokageをwo
微睡madoroみのmino嗅覚kyuukakuでde追oいかけてikakete
そのsono手teにni触fuれたreta
蘇yomigaeるものはrumonoha蝉semiのno音neとto
光hikariをwo纏matoってtte笑waraったtta、
君kimiはha誰dare?
少年期特有syounenkitokuyuuのno熱netsuがga
鮮azaやかなyakana夢yumeみたいにmitaini囁sasayaくku
あのano夏natsuのno幽霊yuureiはha
声koeもなくmonaku僕bokuのno記憶kiokuをwo揺yuらしてrashite
今imaもまだこのmomadakono胸muneにni
ささやかなsasayakana棘togeをwo残nokoしているshiteiru
密hisoやかなyakana感傷kansyouがga
止toめどなくmedonaku膨fukuらんでrande僕bokuをwo満miたすtasu
君kimiのno手teをwo取toりri歩aruくku憧憬akogareをwo
僕bokuはha忘wasuれていたのにreteitanoni
大切taisetsuだったことdattakoto たがてtagate霞kasuんでnde
少sukoしずつshizutsu違chigaうu自分jibunになっていったninatteitta
夕立yuudachiにni洗araわれてwarete 雲kumoがga過suぎたらgitara
あのano日hiとto同onaじji青aoをwo持moつtsu
帰kaeろうrou
あのano夏natsuがga続tsuduくならkunara
もうmou一度欠ichidokaけたketa想omoいi抱daきki寄yoせてsete
ありふれたarifureta痛itaみでもmidemo
年toshiをwo取toるru僕bokuのno栞shioriにni変kaえてゆくeteyuku
あのano夏natsuのno幽霊yuureiはha
声koeもなくmonaku僕bokuのno記憶kiokuをwo揺yuらしてrashite
今imaもまだこのmomadakono胸muneにni
ささやかなsasayakana棘togeをwo残nokoしているshiteiru