よみ：つきよのはまべ
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月夜つきよの晩ばんに、ボタンが一ひとつ
波打際なみうちぎわに、落おちてゐた。
それを拾ひろって、役立やくだてようと
僕ぼくは思おもったわけでもないが
なぜだかそれを捨すてるに忍しのびず
僕ぼくはそれを、袂たもとに入いれた。
月夜つきよの晩ばんに、ボタンが一ひとつ
波打際なみうちぎわに、落おちてゐた。
それを拾ひろって、役立やくだてようと
僕ぼくは思おもったわけでもないが
月つきに向むかってそれは抛はふれず
浪なみに向むかってそれは抛はふれず
僕ぼくはそれを、袂たもとに入いれた。
月夜つきよの晩ばんに、拾ひろったボタンは
指先ゆびさきに沁しみ、心こころに沁しみた。
月夜つきよの晩ばんに、拾ひろったボタンは
どうしてそれが、捨すてられようか?
波打際なみうちぎわに、落おちてゐた。
それを拾ひろって、役立やくだてようと
僕ぼくは思おもったわけでもないが
なぜだかそれを捨すてるに忍しのびず
僕ぼくはそれを、袂たもとに入いれた。
月夜つきよの晩ばんに、ボタンが一ひとつ
波打際なみうちぎわに、落おちてゐた。
それを拾ひろって、役立やくだてようと
僕ぼくは思おもったわけでもないが
月つきに向むかってそれは抛はふれず
浪なみに向むかってそれは抛はふれず
僕ぼくはそれを、袂たもとに入いれた。
月夜つきよの晩ばんに、拾ひろったボタンは
指先ゆびさきに沁しみ、心こころに沁しみた。
月夜つきよの晩ばんに、拾ひろったボタンは
どうしてそれが、捨すてられようか?
