川端かわばたの
宿やどにしとしと 雨あめが降ふる
ひそかな胸むねの火ひ 消けすように
会あえばはなやぐ 妻つまとなり
別わかれりゃ飛とべない 鳥とりになる
叶かなわぬ恋こいと 知しりながら
追おいかけて ひとり泣なく 朝あさの宿やど
川端かわばたの
橋はしのたもとに たたずんで
流ながれに捨すてたい こころ傷きず
月つきに一度いちどの 逢おう瀬せでも
顔かお見みりゃ言いえない うらみごと
芝居しばいであれば すむはずの
かりそめの 恋こいに泣なく 朝あさの宿やど
川端かわばたの
宿やどを離はなれて ふり返かえる
名残なごりのほてりを抱だきながら
覚悟かくごしてても 愛いとしさに
落おとした涙なみだは 数知かずしれず
責せめるはわが身み ただひとつ
はかなさに ひとり泣なく 朝あさの宿やど
川端kawabataのno
宿yadoにしとしとnishitoshito 雨ameがga降fuるru
ひそかなhisokana胸muneのno火hi 消keすようにsuyouni
会aえばはなやぐebahanayagu 妻tsumaとなりtonari
別wakaれりゃrerya飛toべないbenai 鳥toriになるninaru
叶kanaわぬwanu恋koiとto 知shiりながらrinagara
追oいかけてikakete ひとりhitori泣naくku 朝asaのno宿yado
川端kawabataのno
橋hashiのたもとにnotamotoni たたずんでtatazunde
流nagaれにreni捨suてたいtetai こころkokoro傷kizu
月tsukiにni一度ichidoのno 逢oうu瀬seでもdemo
顔kao見miりゃrya言iえないenai うらみごとuramigoto
芝居shibaiであればdeareba すむはずのsumuhazuno
かりそめのkarisomeno 恋koiにni泣naくku 朝asaのno宿yado
川端kawabataのno
宿yadoをwo離hanaれてrete ふりfuri返kaeるru
名残nagoりのほてりをrinohoteriwo抱daきながらkinagara
覚悟kakugoしててもshitetemo 愛itoしさにshisani
落oとしたtoshita涙namidaはha 数知kazushiれずrezu
責seめるはわがmeruhawaga身mi ただひとつtadahitotsu
はかなさにhakanasani ひとりhitori泣naくku 朝asaのno宿yado