春はるかほる風かぜは凪なぎ
塵ちりと消しょうゆる夢ゆめ
霞草かすみそうが乱みだれ咲さく
細ほそく立たつ雲くもは
紫苑しおんに染そめられ
いとはかなきかな
無常むじょうなる
ふわり ふわり
漂ただよふ蜻蛉とんぼが
ゆらり ゆらり
火影ほかげに溶とけてゆく
藍あい深ふかく流ながれる水みず
交まじわるたび
揺ゆれうつろふ影かげ
あはれなり
雨あめ雫しずくこぼれ落おち
響ひびくたびに
いとかなしきかな
静しずけさを増ます
あてもなく
徒然つれづれなるままに
かぎりあるみちは
いつしか目めの前まえに
つかのまの
夢ゆめのまにまに
映うつる景色けしきは
遠とおく遠とおく
うたかたの
涙なみださへ染そめた
沙羅双樹さらそうじゅの花はなの色いろ
激はげしく燃もえる
はるかなる霞かすみのむこうがわ
かすかに木漏こもれ日びが差さし込こむ
花はな やがて露あらわに濡ぬれ悩なやましく
鳥とり 高たかく狂くるひ舞まふ艶あでやかに
風かぜ さやか細ほそい羽根はね吹ふき上あげる
月つき まで届とどくように
つかのまの
夢ゆめのまにまに
揺ゆれる憂うき世よは
巡めぐる 巡めぐる
うたかたの
涙なみださへ沁しみる
沙羅双樹さらそうじゅのはなびら
遠とおく まだ遠とおく
あまづたふ
日ひのもとへ
巡めぐる また巡めぐる
現うつし世よの
虚むなしさよ
深ふかくしたたり穿うがつ血滴しずく
大地だいちが音おとを立たてて割われる
春haruかほるkahoru風kazeはha凪naぎgi
塵chiriとto消syouゆるyuru夢yume
霞草kasumisouがga乱midaれre咲saくku
細hosoくku立taつtsu雲kumoはha
紫苑shionにni染soめられmerare
いとはかなきかなitohakanakikana
無常mujouなるnaru
ふわりfuwari ふわりfuwari
漂tadayoふfu蜻蛉tonboがga
ゆらりyurari ゆらりyurari
火影hokageにni溶toけてゆくketeyuku
藍ai深fukaくku流nagareるru水mizu
交majiわるたびwarutabi
揺yuれうつろふreutsurofu影kage
あはれなりaharenari
雨ame雫shizukuこぼれkobore落oちchi
響hibiくたびにkutabini
いとかなしきかなitokanashikikana
静shizuけさをkesawo増maすsu
あてもなくatemonaku
徒然tsuredureなるままにnarumamani
かぎりあるみちはkagiriarumichiha
いつしかitsushika目meのno前maeにni
つかのまのtsukanomano
夢yumeのまにまにnomanimani
映utsuるru景色keshikiはha
遠tooくku遠tooくku
うたかたのutakatano
涙namidaさへsahe染soめたmeta
沙羅双樹sarasoujuのno花hanaのno色iro
激hageしくshiku燃moえるeru
はるかなるharukanaru霞kasumiのむこうがわnomukougawa
かすかにkasukani木漏komoれre日biがga差saしshi込koむmu
花hana やがてyagate露arawaにni濡nuれre悩nayaましくmashiku
鳥tori 高takaくku狂kuruひhi舞maふfu艶adeやかにyakani
風kaze さやかsayaka細hosoいi羽根hane吹fuきki上aげるgeru
月tsuki までmade届todoくようにkuyouni
つかのまのtsukanomano
夢yumeのまにまにnomanimani
揺yuれるreru憂uきki世yoはha
巡meguるru 巡meguるru
うたかたのutakatano
涙namidaさへsahe沁shiみるmiru
沙羅双樹sarasoujuのはなびらnohanabira
遠tooくku まだmada遠tooくku
あまづたふamadutafu
日hiのもとへnomotohe
巡meguるru またmata巡meguるru
現utsuしshi世yoのno
虚munaしさよshisayo
深fukaくしたたりkushitatari穿ugaつtsu血滴shizuku
大地daichiがga音otoをwo立taててtete割waれるreru