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【歌詞コラム】星野源の『Week End』は、なぜ唐突に「電波」が出現するのか?

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まあ、星野源をよく知らない人のイメージは、たぶん「ハイハイ、イケメンね。歌も売れてるのね。」

公開日:2016年11月11日 更新日:2019年7月8日


この記事の目次 []
  1. ・星野源のイメージって…
  2. ・Week end
  3. ・終盤に込められた歌詞の意味
  4. ・表面からは感じられない隠された意味

星野源のイメージって…


まあ、星野源をよく知らない人のイメージは、たぶん…

「ハイハイ、イケメンね。歌も売れてるよね。オールナイトニッポンでラジオ番組のDJやってる人ね。おまけに、俳優もやっててコントもやってて、本とかも出してるみたいね。ハイハイすごいすごい」とか、こんなもんだろう。

そんな星野源が歌う『Week End』をちょっろっと聴かせたところで「ハイハイ、薄いPOPな曲歌っとるわ」とか思われるかもしれない。まあ、間違っちゃいないのかもしれない。

さらに言えば『Week End』のライブ動画を観てみると…

「身体を交わそうの歌詞で胸もむ仕草してるじゃねーか!この曲、週末にセックスしてー!って歌詞じゃねーか!ハイハイ、イケメンならエロいこと言っても許されるわけね!薄いわ!」

…とか思われてるかもしれない。まあ、間違っちゃいないのかもしれない。

けどね。もうちょい、歌詞とかも見てやって下せえよと思うんだ。この曲、ホントすげーんですよ。

Week end


----------------
さよなら
目が覚めたら 君を連れて
未来を今 踊る
週末の街角 ここから 始まる
夢から目が覚めたら 君を連れて
未来を今 踊る
週末の街角 朝まで
身体を交わそう
花が色づく頃は
≪Week End 歌詞より抜粋≫
----------------

まず、この『Week end』は「さよなら」と「始まる」、「夢」と「身体」みたいな対比で構成されてるわけだ。「身体を交わそう」はセックスの暗喩だっつーのは、まあその通りだろう。

ポイントは後半でここが「言葉を交わそう」に歌詞が変化してるところだ。

----------------
夢から目が覚めたら 君を連れて
未来を今 踊る
週末の街角 朝まで
言葉を交わそう
今を踊る すべての人に捧ぐ
君だけのダンスを 世間のフロアに出て叫べ
≪Week End 歌詞より抜粋≫
----------------

わざわざ「身体を交わそう」から「言葉を交わそう」に変化させている。さらにそのすぐ後で「今を踊る すべての人に捧ぐ」という壮大な宣言がくるわけだ!

いきなり壮大すぎるだろ、星野源!星野源は、暗い奴もアンチも含めた「すべての」人間に向かって歌っている。

しかも「君だけのダンスを 世間のフロアに出て叫べ」ときた!ここが急にメッセージっぽくなるわけだ。ここら辺はあくまでさらりと歌ってる。だが、曲の要だ。

終盤に込められた歌詞の意味


----------------
さよなら
目が覚めたら すべて連れて
未来を今 変える
週末の街角 朝まで
電波を 世間を 未来を 踊ろう
≪Week End 歌詞より抜粋≫
----------------

この怒涛の終盤を見てくれよ。

「君を連れて 未来を今踊る」だった箇所は「すべて連れて 未来を今変える」に変わってる!

そう、この曲は「無茶な口説き方」も「俯いた貴方」も「心に空いた穴」も、ネガティブやマイナスの象徴である「夜」も「すべて連れて未来を今変える」っつー歌なんだ!

さらに、ラストは「電波を世間を未来を踊ろう」としめてる!

唐突に出てくる「電波」は何だ?星野源は、突然電波発言するイカレた電波ヤローだったのか?いやいや、違うね。星野源が発表した作品の中には『電波塔』という曲があるんだ。

この『電波塔』って曲は、ラジオのことを歌っている曲なんだよ。

ライムスター宇多丸がやってる「ウイークエンド・シャッフル」っつーラジオ番組に「スーパー・スケベ・タイム」の名前でジングル送って採用されたこともある。『Week End』のタイトルは、もちろんこの番組にもかかってる。

星野源は、それほどのラジオ好きなんだ。「電波」は「言葉」の象徴だ。

表面からは感じられない隠された意味


この曲は、確かに「週末にセックスがしたい」っつー分かりやすい意味がある。同時に、自分の「言葉」で、自分の「身体」で未来を変えよう、っつー意味も込められてんだ!

しかもだ。「週末」は、普通のつづりなら「weekend」。間を空けない。じゃあなんでこの曲のタイトルは『Week End』とわざわざ間を空けてるんだ?これは、弱い(Weak)心の状態を終わらせる(End)意味をかけている。

だから、この曲は「さよなら」で始まり、「さよなら」で終わってる。弱い夢を終わらせて、今、現実の未来を変えるからだ!そういう曲だ!

ね。星野源はとんでもねえ野郎ですよ!スケベソングに見せかけた強烈なメッセージソングのような、そんなこと感じさせるほどのドスケベなシロモノ作ってるわけですよ!

だからこそこの曲は、俯いて暗くてネガティブな人にこそ聴いてもらいてーわけです。そして、あなただけのダンスを踊ってもらいてーわけです。

TEXT テイキけん


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1981年、埼玉県生まれ。音楽家・俳優・文筆家。 2010年に1stアルバム『ばかのうた』にてソロデビュー。 2015年12月にリリースしたアルバム『YELLOW DANCER』がオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得。 2016年10月にリリースしたシングル『恋』は、自身も出演したドラマ『逃げるは恥···

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