People In The Box、3人が歩んだ10年の軌跡 全国ツアー終幕 【ライブレポート】

3ピースバンドのPeople In The Boxが1月21日に、東京・EX THEATER ROPPONGIで10th Anniversary「The Final」公演を開催。

2018年1月25日


この記事の目次
  1. ・暗闇から音を紡ぐようにスタート
  2. ・10年の歩み、そしてその先へ
  3. ・感情をぶつける様に歌う後半戦
  4. ・最後に残るのは気持ちの芯を揺さぶる衝動と衝撃
  5. ・セットリスト
  6. ・People In The Box 最新情報
  7. ・リリース情報
  8. ・People In The Box Profile
2007年2月にバンドを結成。昨年、活動10周年を迎えたPeople In The Box。2017年は、10th Anniversary album『Things Discovered』のリリースや全国ツアーを実施。10周年イヤーを締め括るライブとして、People In The Boxは1月21日・EX THEATER ROPPONGIを舞台に10th Anniversary「The Final」公演をおこなった。1月24日には、最新アルバム『Kodomo Rengou』もリリース。ここでは、1月21日・EX THEATER ROPPONGIを舞台に開催された10th Anniversary「The Final」公演の模様をお届けしたい。

暗闇から音を紡ぐようにスタート

闇に包まれた場内。時間軸を繋げ、10年の日々を自在に行き交う合図のように流れ出したノイズな音…。時の流れの中から、揺らめくように姿を現したメンバーたち。そして…。
ライブは、3人が囁くように音を響かせた『汽笛』から幕を開けた。楽曲という大きな箱の中、緊張感を抱いた3人の演奏がジワリと沸き上がるように音を紡ぎ、重なり合う。その音楽は、生を受け、動き始めた鼓動のよう。いや、闇の中へ、己の存在を示すように掻いた引っ掻き傷のような音や歌にも聞こえていた。言えるのは、何かが生まれだしたということ。それが10年という歴史の歩みを告げる調べなのか。それとも、3人の馳せた鼓動なのか…。緊張感を抱いた覚めた始まりが、とても刺激的だ。



満員の観客たちが詰めかけた大きな空間の中へ、蒼い衝動を音の絵筆で塗りたくるようにPeople In The Boxは『火曜日/空室』を演奏。冷めた音に刺激を受け、感情が静かに唸りを上げ始めた。テンション高い3人の演奏に触発され、身体は確かに熱を感じている。何時しかその音は、場内を、大きな歪んだノイズの幕として覆っていた。
一転、熱を抱いた音の塊が場内へ波紋のように広がりだした。とてもスリリングな演奏だ。大きな空間の中へ、『聖者たち』が熱をどんどん上げてゆく。けっして熱狂し騒ぐ音楽ではない。でも、身体の奥底へ直撃してゆく音の衝動がジワジワと身体を揺らしていく。それが、心地好い。



巨大な空間の中、3人の繰り出す音が自由奔放に飛び交い刺激を交わしあう。そこへ、People In The Boxの楽曲の心地好さを覚える。とくにライブという環境の中では、テンション高い互いの感情のせめぎ合いが、どんな風に聞き手の意識へ興奮の稲妻を落としてゆくかへ面白さを感じている。
MCでも語っていたが、この日は、10年間という歴史を1本のライブの中へ集約する形で構築していた。もちろん、その10年間という時間の中には、11年目へ向けた現在進行形の姿も含まれている。

10年の歩み、そしてその先へ

「ここからPeople In The Boxは始まりました」の言葉と共に演奏したのが、1stミニアルバム『Rabbit Hole』の冒頭を飾った『She Hates December』。美しい旋律が、会場へ光を集約させてゆくようだ。同じく、活動前期ナンバー『犬猫芝居』へは、緩急描いたテンション高い演奏の駆け引きを投影。語るように歌う波多野裕文の歌にも、耳がスーッと引き寄せられていた。『空は機械仕掛け』は、波多野裕文の歌声に演奏が引っ張られる形で展開。観客たちも、その歌声へ気持ちをぐんぐん吸い寄せられてゆく。





この日は、10年間の歩みを振り返るのみならず、11年目のPeople In The Boxの姿も投影。続いては、1月24日発売の最新アルバム『Kodomo Rengou』の中から、いち早く新曲を披露してくれた。
メンバーどうしのスリリングな演奏の駆け引きやバトルを堪能、ソリッドでアグレッシブな演奏に気持ちを熱く掻き立てられた『無限会社』。ダウナーな表情からの幕開け、その中へ、輝きにも似た毒々しくも美しい衝動を与えた『デヴィルズ&モンキーズ』。異なる表情を持った楽曲を並べ、People In The Boxがより進化/深化した様を、演奏の衝撃を持って3人は伝えてきた。その嬉しい興奮を、メロウな歌やゆったりとした演奏に載せ『翻訳機』が包み込んでゆく。なんてドラマチックな展開だ。それぞれに意識を放つ演奏へ、僕らはただただ身を委ねていくのみ。でも、それが心地好い刺激なんだ。




続くブロックでは、波多野裕文がキーボードを演奏。ゆったり流れる音が楽曲を連れてきた。まるで深海で響く楽隊の音色のようにも感じた、メロウな歌物作『マルタ』。ミラーボールの光に心が妖しく乱反射。もの悲しく儚い『月』の演奏へ、何時しか気持ちがどっぷり溺れていた。なんて、切なさの中にも美しくロマンチックな香りを抱かせる歌だろう。続く『技法』では、愉しげに弾む演奏と歌声とが折り重なり、気持ちを優しくスキップさせてゆく。

次ページ : 演奏は観客を巻き込み突き進んでいく

DaizyStripper「可能性に気…

Hey!フルボリューム!イヤホン越しか…