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「Amazing Grace(アメイジング グレイス)」歌詞の意味を考察!有名賛美歌は実話から生まれた?

『Amazing Grace(アメイジング グレイス)』は、世界中で親しまれてきた賛美歌のひとつです。牧師のジョン・ニュートンが実体験から得た気づきや感謝の想いを綴ったという歌詞の意味を紐解きます。

世界的名曲を和訳から徹底解釈!


映画やドラマ、アニメやCM曲にも用いられてきた世界的に有名な楽曲『Amazing Grace(アメイジング グレイス)』。

イギリスの牧師ジョン・ニュートンが作詞者となって制作した、キリスト教の賛美歌のひとつです。

特にアメリカで慕われ愛唱されており、「第二の国歌」とまで言われています。

日本でも本田美奈子をはじめ多くのアーティストがカバーし、結婚式などでよく使用されてきたため誰もが一度は耳にしたことがある名曲ですよね。

しかし、歌詞の内容は知らないという方も少なくないのではないでしょうか。

実は「Amazing Grace」は、ジョン・ニュートン自身が奇跡的な体験を通して神の恵みに目覚めた時の想いを綴っています

荘厳さが漂う音楽に乗せてどのようなメッセージが伝えられているのか、英語詞を和訳しながら考察していきましょう。

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Amazing Grace how sweet the sound
That saved a wretch like me
I once was lost, but now I'm found
Was blind but now
I see
≪Amazing Grace 歌詞より抜粋≫
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タイトルの「Amazing grace」は、「驚くほどの神の恵み」と訳すことができます。

ある体験を通して神の力を目の当たりにし、「how sweet the sound(何と美しい響きであろうか)」と感動している様子が伝わってくるでしょう。

そして「That saved a wretch like me(私のような者までも救ってくださる)」と、畏敬の念を抱いています。

どうしてここまで感動を覚えるのでしょうか?

それは「I once was lost but now am found(道を踏み外しさまよっていた私を神は救い上げてくださった)」と感じたからです。

作者のジョン・ニュートンは牧師になる前は船乗りで、黒人奴隷貿易により富を築いた奴隷商人でした。

ある日、彼の船が嵐によって沈没の危機に瀕する事態に。

クリスチャンとして育ったものの、救いを求めて心から神に祈りを捧げたのはこの時が初めてのことだったそうです。

その祈りが届いたのか船は沈没を免れ、生き延びた彼はこれまで罪深い生き方をしてきた自分にも神が許しを与えたことに深く感謝し、やがて牧師に転身しました。

『Amazing grace』という曲には、過去の自身の過ちを悔い改め、許しを与えてくれた神への感謝の祈りが綴られています

尊い神の恵みは、

「Was blind but now I see(今まで見えていなかったけれど今は見い出すことができる)」

と、罪を犯してきた自分にさえ存在を気づけるようにしてくれたことへの感謝の気持ちが確かに表現されていますね。

信じることで導かれる


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'Twas grace that taught my heart to fear
And grace my fears relieved
How precious did that grace appear
The hour
I first believed
≪Amazing Grace 歌詞より抜粋≫
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ジョン・ニュートンは奇跡のような救出によりはっきりと神を感じ始めてから、神以外に人が心の中に抱える苦しさから救ってくれる存在はいないと確信したようです。

その想いが、

「'Twas grace that taught my heart to fear And grace my fears relieved(神の恵みこそが私の恐れる心を諭し、その恐れから心を解き放つ)」

という言葉に示されています。

自分が当時の流れに乗って当然のように黒人奴隷にひどい扱いをしてきたのは、神を知らずに心が満たされていなかったからだと思い至ったのかもしれません。

そんな中で自分を見守り助けてくれる神がいることを知り、わけもなく感じていた恐れから解放され穏やかさを得られたのです。

「How precious did that grace appear The hour I first believed(信じることを始めたその時の神の恵みのなんと尊いことか)」

のフレーズは、幼い頃から聖書や賛美歌に触れていた彼だからこそ綴れる実感のこもった言葉と言えるでしょう。

神の恵みはいつもそばにあるものの、自身で感じ信じることで本当の価値を知れるという気づきが記されています。

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Through many dangerous toils and snares
I have already come
'Twas grace that brought me safe thus far
And grace will lead me home
≪Amazing Grace 歌詞より抜粋≫
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この部分では、

「Through many dangerous toils and snares I have already come(数多くの危機や苦しみ、誘惑を受けて私はここまで来た)」と、人生を振り返ります。

これは誰もが共感する言葉でしょう。

世代や生活環境にかかわらず、生きていれば何かしら思いがけない危機や苦難に直面したり、悪いことと分かっていながら猛烈に心惹かれるものに出会ったりすることがあるはずです。

それでも多くの人は、危ういながらも悪の道を進み続けることなく踏み留まって生きているのではないでしょうか。

その理由を彼は、

「'Twas grace that brought me safe thus far(これまで私を安全に救い導いてくれたのはほかでもない神の恵みだった)」と語っています。

また「And grace will lead me home(そして恵みが私を家へと導くだろう)」と続けています。

ここで出てくる「home」は文字通りの家のように安らげる場所を示しているようでもあり、人が最終的に行き着く場所という意味で死を表しているようでもあると考察しました。

これまで存在を感じていなかった間でさえ導いてくれた神は、その驚くほど素晴らしい恵みによって死ぬまでずっと自分を救い導き続けてくれるという確信が込められているように思えます。

神の存在が心の支えに


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How sweet, how sweet the name
of Jesus sounds
To a true and to believer's ear,
yes
And it soothes all his sorrow
and it heals all his wounds
And drives away each tear, oh
≪Amazing Grace 歌詞より抜粋≫
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「how sweet the name of Jesus sounds(なんて甘美なのだろう、イエスという名の響きは)」の歌詞から、

想いがあふれて思わず感嘆の言葉が漏れる様子が見えてくる気がします。

それまでも名前を知っていて口にしたこともあるのに、

「To a true and to believer's ear(真の信者の耳に)」

とあるように実在する身近な存在として見られるようになって初めて、その尊さに感動を覚えたことが分かりますよね。

この部分の後半では、さらに神を知ることの素晴らしさを伝えています。

まず「And it soothes all his sorrow(それは彼の全ての悲しみを和らげ)」、人生で降りかかる数々の悲しみが耐えられるようになります。

悲しみから完全に逃れることは難しいですが、今まで感じてきた悲しみが和らぐことを想像するだけで少し気持ちが楽になるでしょう。

また「and it heals all his wounds(彼の全ての傷を癒す)」ので、過去に負ったトラウマやこれから負うかもしれない心の傷の痛みに悩まされずに済むようにもなります。

時間が経っても癒えないと思っていた傷が癒やされるなら、もっと生きやすくなるはずです。

そして「And drives away each tear(涙をひとつひとつ追い払ってくれる)」とも綴っています。

「drives away」には一掃する・遠ざけるという意味があるので、悲しみや苦しみを遠ざけ涙を流すことがないように守ってくれる様子をイメージできます。

問題に圧倒されそうになるとしても、決して揺るがない心の支えがあれば希望を持って前向きに生きられることを教えてくれる歌詞ですね。

日本語で読み解くと歌詞がもっと心に響く!

Amazing Grace』を聴くと意味を知らなくても心が洗われるような気持ちになるのは、作詞者のジョン・ニュートンの神への純粋な想いが音楽を通して心に訴えかけてくるからかもしれません。

しかし意味を知ると、より自分の人生や生き方に真剣に向き合いたいという気持ちになるのではないでしょうか?

ぜひ歌詞の言葉に自身の心を重ねながらじっくり聴いてみてくださいね。

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