うつろぶね 歌詞 日食なつこ ふりがな付

考かんがえる事ことを辞やめてしまった真まっ黒くろい船ふねが海うみに出でた
廃棄物はいきぶつのような理想りそうを積つんで全速力ぜんそくりょくで飛とび出だした
胸むねに掲かかげた金かねぴかのドクトリン 只ただ一ひとつのそいつの誇ほこり
風かぜになびく心こころとかいうものは置おいてこいと教おしえられていた

回まわる灯台とうだい その光ひかりが照てらさない道みちを 知しらなすぎた 君きみも確たしかに悪わるかったのさ

またも1つおんなじ形かたちの真まっ黒くろい船ふねが海うみに出でた
沖おきで漂ただよう奴やつらと混まざってすぐに分わからなくなった
それを見下みくだす岸壁がんぺきのヘッケルン 呆あきれ顔がおで吐はき捨すてた
「導みちびくものはいつだって導みちびいたその先さきに興味きょうみなどない」

ああ僕ぼくら 選えらんだのか選えらばされたのか
考かんがえたいのに未来みらいは容赦ようしゃなく押おし寄よせる
うつろな舟ふねのような僕ぼくの 空からっぽなはずのこの体からだに
爆弾ばくだんのような訴うったえを積つんで転覆てんぷくしそうな今日きょうこの頃ごろ

「何なんだっていいから使つかえそうな嘘うそを全部ぜんぶ積つんでさっさと行いけ」
振ふり向むきかけた僕ぼくらの背せを誰だれかが無理むりやり押おし戻もどす
求もとめられるは完璧かんぺきのレッテル 剥はがれかけてまた貼はって
風かぜになびく心こころとかいうもの、忘わすれちゃえばもう帰かえれない

ああ僕ぼくら 望のぞんだのか望のぞまされたのか
奪うばい合あう日々ひび 果はたして何人なんにんが生いき延のびる
うつろな舟ふねのような僕ぼくの 空からっぽなはずのこの頭あたまに
ガソリンのような感情かんじょうが満みちて炎上えんじょうしそうな今日きょうこの頃ごろ

黒ぐろく巨大きょだいな流ながれに紛まぎれられて
こっそり安心あんしんしているそんなもんが幻まぼろしだっていつ気きづく?

ああ僕ぼくら 選えらんだのか選せんはばされたのか
考かんがえたいのさ 未来みらいをようやく疑うたがい出だす
うつろな舟ふねのような僕ぼくの空からっぽなはずのこの体からだに
爆弾ばくだんのような訴うったえを積つんで反逆はんぎゃく起おこす夜明よあけの鐘かね