ずっと憶おぼえてるんだ 月明つきあかりの夜よるのこと
今いまもこう願ねがうよ "時ときを戻もどせたら――"
こんな昔話むかしばなし 聞きいたことがありますか
誰だれも知しらない 誰だれもが捨すてていった物語ものがたりを
悲かなしい決断けつだんはまるで 生いけ贄にえを選えらぶようだ
どうして どうして どうして
喚よんでも この足あしは動うごかない
『誰だれかのための行為こういも命いのちも 僕ぼくは全すべてを受うけ入いれるよ』
旅立たびだつ君きみは 月夜つきよに消きえていった
誰一人だれひとり 英雄えいゆうを 送おくる人影ひとかげもなく
「僕ぼくだけは信しんじて待まってるよ」 「いつまても君きみの味み方かただ」 と
あの時とき 君きみにそう言いえればよかったのに
これは昔話むかしばなし 今いまは遠とおい物語ものがたり
誰だれも救すくわない 誰だれもが忘わすれてきたこの別離べつりを
運命うんめいと呼よぶにはあまり に 神様かみさまは惨酷ざんこくだ
返かえして 帰かえして 反かえして
祈いのっても この懇望こんぼうは届とどかない
『弱よわい心こころを罪つみと云いうなら 真しんの強つよさを残のこして行いこう』
振ふり返かえらずに 闇やみを進すすんでいった
只ただ一ひとつ 英雄えいゆうを 守まもる一太刀ひとたちもなく
「君きみだけに負おわせたくはない」 と 張はり裂さけて溢あふれ出だしそうで
飲のみ込こんだ その言葉ことば 嘘うそじゃなかったのに
春はるを過すぎて 冬ふゆを越こえて 季節きせつが巡めぐっても
君きみは来こない 便たよりはない 静しずかに雨あめが降ふるだけ
最後さいごに君きみは それでも笑わらっていた
誰一人だれひとり 英雄えいゆうを 誇ほこる一言ひとこともなく
「君きみだけを行いかせたりしないさ」 「いつまても二人ふたり一緒いっしょだ」と
あの時とき 君きみにそう言いえればよかったのに
ずっとzutto憶oboえてるんだeterunda 月明tsukiaかりのkarino夜yoruのことnokoto
今imaもこうmokou願negaうよuyo "時tokiをwo戻modoせたらsetara――"
こんなkonna昔話mukashibanashi 聞kiいたことがありますかitakotogaarimasuka
誰dareもmo知shiらないranai 誰dareもがmoga捨suてていったteteitta物語monogatariをwo
悲kanaしいshii決断ketsudanはまるでhamarude 生iけke贄nieをwo選eraぶようだbuyouda
どうしてdoushite どうしてdoushite どうしてdoushite
喚yoんでもndemo このkono足ashiはha動ugoかないkanai
『誰dareかのためのkanotameno行為kouiもmo命inochiもmo 僕bokuはha全subeてをtewo受uけke入iれるよreruyo』
旅立tabidaつtsu君kimiはha 月夜tsukiyoにni消kiえていったeteitta
誰一人darehitori 英雄eiyuuをwo 送okuるru人影hitokageもなくmonaku
「僕bokuだけはdakeha信shinじてjite待maってるよtteruyo」 「いつまてもitsumatemo君kimiのno味mi方kataだda」 とto
あのano時toki 君kimiにそうnisou言iえればよかったのにerebayokattanoni
これはkoreha昔話mukashibanashi 今imaはha遠tooいi物語monogatari
誰dareもmo救sukuわないwanai 誰dareもがmoga忘wasuれてきたこのretekitakono別離betsuriをwo
運命unmeiとto呼yoぶにはあまりbunihaamari にni 神様kamisamaはha惨酷zankokuだda
返kaeしてshite 帰kaeしてshite 反kaeしてshite
祈inoってもttemo このkono懇望konbouはha届todoかないkanai
『弱yowaいi心kokoroをwo罪tsumiとto云iうならunara 真shinのno強tsuyoさをsawo残nokoしてshite行iこうkou』
振fuりri返kaeらずにrazuni 闇yamiをwo進susuんでいったndeitta
只tada一hitoつtsu 英雄eiyuuをwo 守mamoるru一太刀hitotachiもなくmonaku
「君kimiだけにdakeni負oわせたくはないwasetakuhanai」 とto 張haりri裂saけてkete溢afuれre出daしそうでshisoude
飲noみmi込koんだnda そのsono言葉kotoba 嘘usoじゃなかったのにjanakattanoni
春haruをwo過suぎてgite 冬fuyuをwo越koえてete 季節kisetsuがga巡meguってもttemo
君kimiはha来koないnai 便tayoりはないrihanai 静shizuかにkani雨ameがga降fuるだけrudake
最後saigoにni君kimiはha それでもsoredemo笑waraっていたtteita
誰一人darehitori 英雄eiyuuをwo 誇hokoるru一言hitokotoもなくmonaku
「君kimiだけをdakewo行iかせたりしないさkasetarishinaisa」 「いつまてもitsumatemo二人futari一緒issyoだda」とto
あのano時toki 君kimiにそうnisou言iえればよかったのにerebayokattanoni