「父上ちちうえにお目めにかかれるまでは、母上ははうえ、死しんではなりませぬぞ!」
母ははの病やまいを 癒いやすため
弓ゆみで捕とらえた 雁がん一いち羽わ
死罪しざい覚悟かくごの 仕置しおき場ばで
新三郎しんざぶろうが 夢見ゆめみるは
まだ見みぬ父ちちの 御尊顔ごそんがん
いずこにおわす 父ちち恋こいし
宝たから三種さんしゅを 見みせたれば
覚おぼえあるぞと 撫なでさすり
新三郎しんざぶろうの 顔かおを見みて
口元くちもと目元めもと 姿すがたさえ
昔むかしのわしに そっくりじゃ
ほそめた殿とのの 目めに涙なみだ
「口くちには出ださねど父上ちちうえと、心こころで一度いちど呼よばせてくだされませ」
よくぞ立派りっぱに 育そだてたと
母ははの名なを呼よび 手てを取とりて
親子おやこの絆きずな 認みとめむれば
もらい泣なきする 娘むすめあり
花はなびら受うけて 山陽道さんようどう
晴はれ晴ばれ歩あゆむ 笠かさ三みっつ
「父上chichiueにおnio目meにかかれるまではnikakarerumadeha、母上hahaue、死shiんではなりませぬぞndehanarimasenuzo!」
母hahaのno病yamaiをwo 癒iやすためyasutame
弓yumiでde捕toraえたeta 雁gan一ichi羽wa
死罪shizai覚悟kakugoのno 仕置shioきki場baでde
新三郎shinzaburouがga 夢見yumemiるはruha
まだmada見miぬnu父chichiのno 御尊顔gosongan
いずこにおわすizukoniowasu 父chichi恋koiしshi
宝takara三種sansyuをwo 見miせたればsetareba
覚oboえあるぞとearuzoto 撫naでさすりdesasuri
新三郎shinzaburouのno 顔kaoをwo見miてte
口元kuchimoto目元memoto 姿sugataさえsae
昔mukashiのわしにnowashini そっくりじゃsokkurija
ほそめたhosometa殿tonoのno 目meにni涙namida
「口kuchiにはniha出daさねどsanedo父上chichiueとto、心kokoroでde一度ichido呼yoばせてくだされませbasetekudasaremase」
よくぞyokuzo立派rippaにni 育sodaてたとtetato
母hahaのno名naをwo呼yoびbi 手teをwo取toりてrite
親子oyakoのno絆kizuna 認mitomeむればmureba
もらいmorai泣naきするkisuru 娘musumeありari
花hanaびらbira受uけてkete 山陽道sanyoudou
晴haれre晴baれre歩ayuむmu 笠kasa三mixtuつtsu