いくぢなし(ナゴムver.サイズ) 歌詞 筋肉少女帯 ふりがな付

昔むかし 昔むかしのお話はなしです

フェティシストの義兄あにはいくぢなし
フェティシストの義兄あにはいくぢなし
それでも僕ぼくの姉ねえさんと恋こいに落おちました
フェティシストの姉あねは可愛かわいくて
フェティシストの姉あねは可愛かわいくて
それでも根性こんじょうなし男おとこと恋こいに落おちました

僕ぼくの姉ねえさんは美うつくしかったが若わかくして死しんだ
姉あねは美うつくしかったがフェティシストだった
空模様そらもようの機嫌きげんの悪わるい日ひには夕暮ゆうぐれまで近所きんじょをうろつきまわった
葬式そうしきの夜よる 姉ねえさんの恋人こいびとと称しょうする男おとこがやってきた
僕ぼくに言いった
「ケンジ君くん これからは僕ぼくを義兄にいさんだと思おもってくれ」と
その夜よる 義兄にいさんは僕ぼくの手てを握にぎってこう言いった
「君きみの姉ねえさんとは理解りかいしあっていたよ」
やがて彼かれは感かん極きわまったのかポロポロと涙なみだを流ながしはじめた
僕ぼくの手てを握にぎりながら涙なみだを流ながしはじめた
手ては妙みょうにあったかくて僕ぼくはちょっといやだなぁと思おもっていた

フェティシストの義兄あにはいくぢなし
フェティシストの義兄あにはいくぢなし
それでも僕ぼくの姉ねえさんと恋こいに落おちました
フェティシストの姉あねは可愛かわいくて
フェティシストの姉あねは可愛かわいくて
それでも根性こんじょうなし男おとこと恋こいに落おちました

その夜よるから義兄あには時々ときどき僕ぼくに会あいに来くるようになった
二人ふたりで近ちかくの小学校しょうがっこうへ行いって鉄棒てつぼうでグルグル回まわった
グルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグル
もう二人ふたりで十万じゅうまん回かいは回まわった
回まわりながら義兄にいさんは
「ケンジ君くん 君きみの姉ねえさんのことはいい想おもい出でだよね」と言いった
義兄にいさん!いくぢなしの義兄にいさん!
僕ぼくは君きみと姉ねえさんを
脳髄のうずいは人間にんげんの中なかの迷宮めいきゅうであるという視点してんからあえて許ゆるそう
だから義兄にいさん
十万じゅうまん人にんのアジテーターが馬鹿ばかにしても
君きみたちはフェティシストであり続つづけてほしい
義兄にいさん聞きいているのか
義兄にいさん聞きいているのかっ!

しかしその後ご 義兄あにはしがないアンテナ売うりで一生いっしょうを終おえた
このいくぢなしが
…そして私わたしは義兄あにの年齢ねんれいをはるかに超こえた
「この根性こんじょうなしが」