城しろも取とれます 男おとこなら
器量きりょうひとつで 戦国せんごくは
陰かげの苦労くろうが 織田おだ様さまの
お目めに止とまって 草履ぞうり取とり
ねねは ねねは ねねは人生じんせい
賭かけております お前まえさま
「ええっ 淀よど殿どのに男おとこのお子こが生うまれたと…
豊臣とよとみの家いえにとっては目出度めでたいことなれど
母ははになれない女おんなのねねには
それは それは死しぬよりもつらいことにございます。
秀吉ひでよし殿どの。」
出世しゅっせ峠とうげを 登のぼりつめ
いまは天下てんかの 太閤たいこう様さま
世継よつぎ生なせない この身みだけ
形かたちばかりの 北きたの方かた
ねねは ねねは ねねは心こころで
泣ないております お前まえさま
「お前まえさま 二人ふたりで築きずいた豊臣とよとみも
程ほどなく終おわりにございます。
これでよいのでございます。
ねねには 貧まずしくとも心こころ寄よせ合あえた昔むかしの方ほうが
幸しあわせにございました。」
主あるじ失なくした 豊臣とよとみの
旗はたを引ひき裂さく 関ヶ原せきがはら
辛つらいけれども 一代いちだいで
枯かれて悔くいなし 桐きりの紋もん
ねねは ねねは ねねは宿命さだめと
決きめております お前まえさま
城shiroもmo取toれますremasu 男otokoならnara
器量kiryouひとつでhitotsude 戦国sengokuはha
陰kageのno苦労kurouがga 織田oda様samaのno
おo目meにni止toまってmatte 草履zouri取toりri
ねねはneneha ねねはneneha ねねはneneha人生jinsei
賭kaけておりますketeorimasu おo前maeさまsama
「ええっeextu 淀yodo殿donoにni男otokoのおnoo子koがga生uまれたとmaretato…
豊臣toyotomiのno家ieにとってはnitotteha目出度medetaいことなれどikotonaredo
母hahaになれないninarenai女onnaのねねにはnoneneniha
それはsoreha それはsoreha死shiぬよりもつらいことにございますnuyorimotsuraikotonigozaimasu。
秀吉hideyoshi殿dono。」
出世syusse峠tougeをwo 登noboりつめritsume
いまはimaha天下tenkaのno 太閤taikou様sama
世継yotsuぎgi生naせないsenai このkono身miだけdake
形katachiばかりのbakarino 北kitaのno方kata
ねねはneneha ねねはneneha ねねはneneha心kokoroでde
泣naいておりますiteorimasu おo前maeさまsama
「おo前maeさまsama 二人futariでde築kizuいたita豊臣toyotomiもmo
程hodoなくnaku終owaりにございますrinigozaimasu。
これでよいのでございますkoredeyoinodegozaimasu。
ねねにはneneniha 貧mazuしくともshikutomo心kokoro寄yoせse合aえたeta昔mukashiのno方houがga
幸shiawaせにございましたsenigozaimashita。」
主aruji失naくしたkushita 豊臣toyotomiのno
旗hataをwo引hiきki裂saくku 関ヶ原sekigahara
辛tsuraいけれどもikeredomo 一代ichidaiでde
枯kaれてrete悔kuいなしinashi 桐kiriのno紋mon
ねねはneneha ねねはneneha ねねはneneha宿命sadameとto
決kiめておりますmeteorimasu おo前maeさまsama