バンドを組んで曲を練習したら、次にバンドマンが挑戦するのはライブですよね。バンドマンだけでなく、音楽活動をしているアーティストにとってライブハウスなどで行われるライブイベントへの参加は、自分たちの実力を試すことができる場所でもあります。
一般的にそのようなイベントでは、ライブハウス側から「チケットノルマ」を各出演者に課しています。
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この記事のもくじ
チケットノルマとは?
「チケットノルマ」とは、主催者が出演者に対してあらかじめ課しているイベント出演料のことです。
イベントによっては「チケットの枚数」×「チケット代」で提示されることもあり、「チケットを最低〇〇枚売ってください」と要求されます。
ここでは、チケットノルマについて紹介します。
チケットノルマがある理由
ライブハウスにとって、チケットノルマは重要な収入源です。ライブイベントを開催するには、会場の音響機材費、電気代、スタッフの人件費など様々な経費がかかります。
ライブハウスは集客数に関係なく、確実に収入を得るためにバンド毎にチケットノルマを課しているのです。
チャージバックについて
お店の収入源となるチャージバックは、バンド側がきちんと集客することができればイベント終了後に金額を受け取ることができる制度のことです。
例えばチケットノルマが15枚だったとき、20人お客さんを集めることができればチケットの5枚分の金額がチャージバックとなります。
チャージバックはバンドの売り上げにつながり、この金額が少ないとバンド活動を続けることもが困難になってきます。しっかりとこの仕組みを理解しておきましょう。
ノルマが達成できなかった場合
チケットノルマが15枚のライブで10人しか集客できなかったとします。その際は不足分をバンド側で負担します。
この場合チケット代は
- 1,000円×15枚ー1,000円×10枚=5,000円
バンドは5,000円をイベント終了時に主催者に支払う必要が出てきます。
バンドの売り上げ
チケットノルマが1バンドあたり15,000円だったとします。そして、チケットが1枚1,000円だとすると、1バンドあたり最低15人にチケットを売る必要があります。
バンドがもし20枚チケットを売ることができた場合
- 1,000円×20枚ー15,000円=5,000円
5,000円がバンド側のチャージバックとなります。
イベントによっては超過分のチケット代から一部だけチャージバックになる場合もありますが、基本的には全額チャージバックとなります。
超過分のチケット売り上げから5割をバンドにバックするイベントの場合
1,000円×5枚(ノルマ超過分)×0.5=2,500円
となり、2,500円がチャージバックの金額です。
チャージバックの割合はイベントによって違うものの、集客がノルマを超えればバンドの売り上げとなり、金銭的に利益を得ることができます。
ノルマがないライブハウスについて
ライブ会場の多くは無料の公共施設ではないため、チケット代がかかります。しかし、営利目的の施設であるのにノルマがないライブハウスも存在します。
ここでは、ノルマを課していないライブハウスやライブ会場について紹介します。
参加費制ライブ
チケットノルマ制ではなく「参加費制」をとっているライブハウスもあります。参加費制のライブでは、バンドごとに金額やチケット枚数を指定するのではなく、出演者1人あたりに参加費を課しています。
出演者1人あたりに同じ金額が課せられるため、大所帯のバンドと3ピースなどの少人数バンドがいるイベントでも平等な金額負担になるのが特徴です。
この制度はライブ活動を始めたばかりの人にもわかりやすく、チケットが売れればチャージバックを実施する場合もあります。
集客の必要がない
バンド側にノルマを課していないイベントは、そもそも集客の必要がない場合もあります。イベントや主催者、出演バンドが有名でチケットの売り上げが見込める場合はわざわざチケットノルマを課す必要がないのです。
また、ライブハウス自体がある程度の集客力があれば、ノルマを課さなくても自然と人が集まるので、ノルマの必要がなくなります。
飲食がメインのライブハウス
お店によっては、普段は飲食店として営業していたり「ライブバー」のような形態で営業しているところもあります。こういった場合はチケット代で利益を出すよりもドリンクやフードの売り上げが店側の利益となるため、ノルマを課していないこともあります。
普段は飲食店であるため、キャパは小さめでジャズやアコースティック編成でのライブイベントを主体にしている店が多いです。
チケットのさばき方
初心者バンドにとっては、チケットのさばき方がわからないという人は多いのではないでしょうか?
ここでは、まだ知名度もなく、ファンもいない駆け出しのバンドやミュージシャンでもできる集客の仕方について紹介します。
友達や家族に協力してもらう
家族や友達に協力してもらうのも1つの方法です。身内であればバンドの音楽を知らなくても「友達がライブに出る」という理由でライブを見に来てくれるでしょう。
特に駆け出しの頃は集客が難しく、それが原因で音楽活動をやめてしまう人も多いです。音楽活動を続けていくためには、身内に協力してもらうことも大切ですよ。
SNSを活用する
最近ではSNSでライブ情報を収集している人も多く、お店側やイベンターもアカウントを作って宣伝しています。バンドのアカウントを作ってその地域の音楽好きの人をフォローして、ライブ出演の告知をすることでバンドを知ってもらうきっかけにもなります。
また、告知と一緒にデモ音源やスタジオ練習の様子、どんな曲を演奏しているかなどのバンド情報を告知するのもいいでしょう。
チケットノルマに関する注意点
ライブを開催しているお店やイベンターなどにとって、ライブイベントは収入源であり、お金が発生する以上は当然ビジネスでもあります。
チケットノルマに関するトラブルは音楽業界でもよくあることで、トラブルを予防するためにバンド側も注意しなければなりません。
ここでは、チケットノルマやライブイベントについての注意点を紹介します。
チケットノルマをいきなり提示・増やされる
ライブイベントに出演が決定すると、スタッフやイベンターとイベントに向けて連絡を取り合うことになります。
主催者の経験が浅く不慣れだったり、適当な主催者だったりするとチケットノルマをイベント直前に提示してきたり、金額を増やされることもあります。
中には「イベントのノルマはなしと聞いていたのに当日いきなり請求された!」なんてこともあります。こういった悪質な場合は支払う必要はありません。
出演が決まるまでノルマを教えてくれない
悪質な主催者の場合、ライブへの出演交渉を行う際に、ノルマ額は伏せて出演が決定してからノルマを提示することがあります。
一般的に、ライブの概要やタイムテーブルなどの詳細はあらかじめ知らされますが、その際にチケットノルマがいくらなのかを確認しておきましょう。
直前までお金がいくらかかるかわからない状態だと不安もあり、イベントを100%楽しめません。きちんと事前に確認しておきましょう。
ライブハウスからの誘いはただの営業
音楽活動をしていると、SNSなどでライブハウスからイベントへの出演依頼を受けることもあります。これはライブハウスのスタッフが真剣にそのバンドをブッキングしたいという場合もありますが、利益のために様々なバンドに営業として連絡している可能性もあります。
ライブハウスからの直接の誘いは駆け出しバンドにとって嬉しいものです。「場数を踏むため」と割り切るなら、そういったイベントに出るのもありかもしれませんが、チケットノルマには十分に注意しましょう。
ライブをする上でチケットノルマは必要不可欠?ライブハウスとのトラブルを避けるために事前にノルマを確認しよう!
ライブイベントの「チケットノルマ」という制度は、イベントの運営をするのに必要不可欠なものです。
しかし、この制度をしっかり理解していないと、主催者やお店とのトラブルに繋がることもあるので注意しましょう。
せっかくの楽しいイベントがお金のことでトラブルになったら台無しですよね。場合によってはその後のバンド活動にも影響してしまう可能性もあります。
チケットノルマの仕組みをしっかり理解して、トラブル防止のために事前に確認を怠らないようにしましょう。
この記事のまとめ!
- チケットノルマとは、ライブハウスがバンドごとに課すイベント出演料のこと
- バンドはチケット指定枚数売る必要があり、不足分は自腹負担、超過分はバックされる
- イベントやライブ会場によってはノルマがない場合もある
- 事前にノルマを確認しないと金銭トラブルに繋がる可能性がある
- トラブルなくノルマをクリアできれば、楽しいライブができる