ブルーノートスケールが気になっているけど、練習方法や使い方が分からないので上手く演奏に取り入れられないという人も多いのではないでしょうか?
少しクセのある音階ですが、定番スケールとの違いやルーツ、演奏のコツを覚えれば初心者でも使いこなせるようになりますよ。
この記事のもくじ
ブルーノートスケールとは
ブルーノートスケールとは、ブルーノートと呼ばれる♭3rdや♭5th、♭7thの音を含むスケールです。
厳密には、各々の音程を1/4上げた「四分音の1種」とされていますが、ピアノや鍵盤打楽器でも使えるように12音技法に当てはめた形で理論化されています。
上の図のマイナーペンタトニックに、♭5thを追加したタイプ以外に、メジャーペンタやメジャースケールを基に考えられた種類など、色々な解釈があるのが特徴。
黒人音楽がルーツとなった音階で、チョーキングやスライド奏法で簡単に四分音が出せるギターと相性が良いスケールです。
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メジャー・ペンタトニック・スケール
メジャー・ペンタトニック・スケールは、手軽にブルーノートを挿入できるスケールです。
構成音は「ルートと2nd、3rd、5th、6th」で、メジャースケールから4thと7thを抜いた構造なので「ヨナ抜き音階」とも呼ばれています。
このメジャーペンタに♭3rdを加える形で、♭3rdをクォーターチョーキングして音程を1/4分上げるだけでも、簡単にブルーノートスケール風のサウンドを出せますよ。
♭5thや♭7thを加えるとより泥臭い雰囲気になるので、好みに合わせて使うと良いでしょう。
マイナー・ペンタトニック・スケール
マイナー・ペンタトニック・スケールをベースにした考え方は、マイナーコード上のフレーズに変化をつけたいときや、ワイルドなロックを弾くときにおすすめです。
構成音も「R、♭3rd、4th、5th、♭7th」とブルーノートを2つ含んでいるので、♭5thを意識して弾くだけでもブラックミュージック的な雰囲気を出せます。
♭3rdを経過音的に使ったり、クォーターチョーキングしたりすると、ドミナント7th上で使えるようになるのもポイント。
幅広いジャンルに応用できるサウンドなので、ロックやポップスが好きな人は、こちらから先に覚えていくのがおすすめです。
ブルーノートスケールの使い方
ブルーノートスケールは、ドミナント7thやマイナーコード上で使うのが定番の使い方です。
特に、ドミナント7thを使った「Ⅰ7→Ⅳ7」というケーデンスと相性が良く、メジャーペンタとマイナーペンタのどちらを中心においても上手くアプローチできます。
マイナーコード上であれば、調性を気にすることなくブルージーなサウンドをプラスできる、マイナーペンタをベースにした音階を使うのがおすすめです。
使用時ののポイントは、ブルーノートを長く伸ばさず、経過音やアクセントとして使うこと。
♭3rdをクォーターチョーキングする場合は1拍ほど伸ばしても良いですが、基本的には、スライドやハンマリングを使ってペンタ内の音を装飾するイメージで弾くと良いでしょう。
前後の流れや雰囲気を意識して使うと効果的なので、実際使われている曲を聴いたり、コピーしたりしながら使う練習を続けていくと、イメージ通りに弾けるようになります。
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ブルーノートスケールの練習方法
ブルーノートスケールの構造や活用法を覚えたら、実際に弾きながら音の位置や響きを覚えていきましょう。
ペンタトニックスケールに音を足すだけなので、「ペンタまでは覚えた!」という人であれば簡単にマスターできますよ。
次は、ブルーノートスケールの効率の良い覚え方、練習方法を紹介するので、ぜひ練習の参考にしてみてくださいね。
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ブルース進行を覚える
ブルース進行は、ブルーノートスケールの練習にピッタリのコード進行です。
キーに対してのⅠ7となる、最初に記載されたコードに合うブルーノートスケールを弾くだけでアドリブできるので、練習前に覚えておきましょう。
基本のブルース進行は「Ⅰ7→Ⅳ7→Ⅰ7×2→Ⅳ7×2→Ⅰ7×2→Ⅴ7→Ⅳ7→Ⅰ7→Ⅴ7」の計12小節。
Key=Cで考えると、Ⅰ7はC7、Ⅳ7はF7、Ⅴ7はG7となります。
マイナー調の暗いサウンドで練習したい場合には、ドミナント7thをマイナーに変換し、最後の4小節が「♭Ⅵ7→Ⅴ7→Ⅰm7→Ⅴ7」に変更したマイナーブルースもおすすめ。
ほかにも、ツーファイブと呼ばれる「ジャズの定番進行」を挿入したジャズブルースもあります。
ギター初心者であれば、基本の進行を覚えることからはじめて、その後自身のスタイルに合ったブルースに挑戦するとフレーズの幅を広げられますよ。
指板のポジションを覚える
ブルーノートスケールは、メジャーペンタ、マイナーペンタの5ポジションとリンクさせてておくと、実践でも使いやすくなるのでおすすめです。
5ポジションとは「指板上の音の並びを5つに分けたもの」で、暗記を効率化できるだけでなく、フレージングのアイディアとしても使えます。
はじめて練習するのであれば、ペンタの5弦・6弦ルートのポジションに、ブルーノートを足していくのがおすすめ。
この2つをマスターしたら小指にルートが来るポジションや、4弦ルートのフォームを覚えていきましょう。
位置を一通り覚えたら、YouTubeに公開されているバッキングトラックを使って、フレーズを組み立てる練習をするとスキルアップできますよ。
ブルーノートスケールが使われている曲
ブルーノートスケールのポジションをマスターしたら、次は実際に使われている音楽を聴いて、演奏のイメージを固めていきましょう。
テクニックに自信があるなら、ブルース系ギタリストをコピーしても良いですが、ギター初心者は歌モノを聴き込んだほうがイメージを掴みやすいですよ。
最後にブルーノートスケールが使われている曲を、歌モノを中心に紹介します。
馬と鹿 / 米津玄師
米津玄師の「馬と鹿」は、ブルーノートを効果的に使っている楽曲です。
四分音をビブラートや音程を下から当てるしゃくり、音程を下げるフォールに混ぜ、ストレートに歌うだけでは出せない、ノスタルジックな世界観を演出しているのが特徴。
特に分かりやすいのが、サビ終盤の「鼻先が触れる呼吸が止まる」の部分です。
A♭上で6thを1/4上げた♭7th、Cm7の4thを1/4上げた♭5th系のブルーノートが登場します。
直後の「消えない」は正しいピッチに戻して歌いコントラストを演出しているなど、メリハリを意識した使い方がされている楽曲です。
Dirty Work / Austin Mahone
アメリカのポップシンガーAustin Mahoneが歌う「Dirty Work」は、クールなサウンドのブルーノートが楽しめる曲です。
ブルゾンちえみのネタで流れる曲として、日本のメディアでも多く取り上げられました。
ブルース進行に近いⅠ7とⅣ7のみを使用したAメロの歌で多用されており、ドミナント7thのサウンドをマイナー調に演出しています。
2ndの音を1/4上げ、♭3系のブルーノートにするフレーズが際立っているほか、6thと♭7thの中間の音も多く歌われているのが特徴。
これらのフレーズは汎用性が高く、色々なジャンルで使えるのでぜひ参考にしてみてくださいね。
aiko / カブトムシ
ブルーノートを海外のブルースやジャズ、R&Bシンガーのように、自由自在に操るシンガーaiko。
彼女が歌う「カブトムシ」にもブルージーな四分音を上手く取り入れた、ビブラートやしゃくり、フォールがたくさん登場します。
多くの部分で使われているのですが、一番分かりやすいのはAメロの「あたしは弱い」「今が何より大切で」です。
ここでは、6thよりも1/4音高い♭7th系のブルーノートが伸ばし気味で使われています。
ジャズミュージシャン菊地成孔が絶賛するほどのクオリティなので、普段ポップスを聴かない人もスケールの雰囲気を掴むために聴いてみてはいかがでしょうか。
ブルーノートスケールはジャズで多く使われている!使い方を覚えてかっこよく演奏しよう
ブルーノートスケールは、ジャズやブルース、これらを発展させたロックやR&B、ファンク、フュージョンなど、多くのジャンルで使われている音階です。
ペンタを使ったソロに、ブルーノートを足してあげるだけでサウンドを変えられるので、アドリブ初心者でも気軽に使えます。
基本を覚えたらエリック・クラプトンやB.B. キングなどのレジェンド、ロベン・フォードやジョン・メイヤーなどの洗練されたフレーズを使う人をコピーするのもおすすめです。
まずは、音階の構造や使い方、練習方法を覚えるところからはじめ、試行錯誤しながら自分好みのかっこいい弾き方を見つけてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ブルーノートと呼ばれる音を含んだ、ブルージーな響きの音階がブルーノートスケール
- ブルーノートスケールを使うコツは、ドミナント7thコードやマイナーコード上で装飾音として弾くこと
- ブルース進行やポジションを覚えて、アドリブ練習を重ねていけばブルーノートスケールを使いこなせるようになる
- ブルーノートスケールの雰囲気は、使われている曲を聴きながら覚えるのがおすすめ