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【インタビュー】宮川大聖、「光」は未来の自分に向けた全身全霊のメッセージ

シンガーソングライター・宮川大聖が、6月7日に両A面シングル『光/Sparkling Love』をリリースした。“みやかわくん”の愛称でも親しまれ、SNSの総フォロワー数は300万人を超える宮川。通算4枚目となるシングルは、本人が「音楽活動における第2章のはじまり」と語る一曲と、思わずステップを踏みたくなる軽快なポップチューンを収録した豪華な内容になっている。今回は宮川本人にインタビュー。両曲の歌詞に込めた思いや作詞へのこだわりを深掘りする。

全曲A面でいいと思えるクオリティ

──ファンの方々は宮川さんのいろんなことを知りたいと思いますが、UtaTenは歌詞検索サイトなので、今回は歌詞のことに集中してガッツリお話を伺います。

宮川:よろしくお願いします。


──今回リリースされた『光/Sparkling Love』は、Type-AとType-Bのシングルに各4曲ずつ収録されていて、「サービスし過ぎ!」と思ってしまうくらい豪華な内容になっていますね。

宮川:そうですかね(笑)。ただ確かに、今回は両A面曲の『光』と『Sparkling Love』、カップリングの『SOS』に加えて、Type-Aには『略奪』、Type-Bには『Null』をスタジオセッションバージョンで収録しています。どの曲も同じくらい強い思いを込めているので、自分的にも全部A面でいいんじゃないかと思えるくらい自信があるクオリティに仕上がっています。


──両A面曲の『光』と『Sparkling Love』は、それぞれどういう思いを届けたくて作り始めた楽曲なのでしょうか。

宮川:簡単に言うと『光』は未来の自分に向けて綴った楽曲です。人生に迷ったり、メンタル的に落ち込んだりして自分の中に道標のようなものが欲しいと彷徨っていた時の気持ちを曲にして、自分を後押しできたらいいなと思って書き始めたんです。実を言うと、はじめはカップリング曲の『SOS』を今回のシングルのメインに据えようと思っていたのですが、そうした気持ちを急に伝えたくなって、この曲をA面にしました。

『Sparkling Love』は「美酢ビューティービネッシュ」のタイアップ企画から生まれた楽曲で、SNSで募った恋愛エピソードをもとに歌詞を書かせてもらいました。今まで僕の曲にあまりなかったポップな曲調の楽曲なので、どんな風に完成するか、楽しみながら作った一曲です。

ターニングポイントとなった「光」


──まったく異なるアプローチで作った2曲なんですね。そうすると『光』は、歌詞が先に生まれてきた曲になるんですか?

宮川:そうですね。最初にこういう歌詞を書きたいという衝動が起こって、それをしっかり当てはめたのはメロディができてからではあるものの、まずは自分の思いを言葉にして自分自身にぶつけてみたいというところから始まりました。


──リリース後、いろいろな反響が届いていると思います。特に嬉しいのは、どんな感想でしょうか。

宮川:僕はどの楽曲でも聴いた人ごとにいろんな捉え方をして欲しいと思って曲作りをしているので、『光』についてもMVの世界観を含めて様々な考察をしてくれて、「ここは実はこういう意図で作ってるんじゃないか…」みたいな感じに、僕が想像していなかった感想をたくさんもらえているのが嬉しいです。本当に真剣に聴いてくださって、曲に寄り添ってもらえているんだなって感じます。

▲宮川大聖「光」MV

──確かにいろいろな受け止め方ができる曲ですよね。僕は恩師のことを思い出して自分の記憶にリンクしちゃいました。

宮川:自分自身に向けて書いた曲だったのですが、書き終わった歌詞を読んでみると、確かにそういう風に大切な人への想いという捉え方もできると思ったし、恋愛ソングにも読めるなって。本当は自分に対して書いたということを秘密にしておこうかと迷ったくらい、人それぞれの捉え方ができて面白い曲だと思います。


──秘めた感情を綴るというのは、心の内面にいる自分自身と対話するということにも通じると思いますが、その中で自分のことを見直したり、自分について再発見したことなどはありますか?

宮川:あらかじめ書きたいことが決まっていた中でそれを歌詞におこしていくという作業は、今まで以上に自分を見つめ直す機会になりました。大袈裟な言い方かもしれませんが、この曲をきっかけに音楽人生の第二章が始まったと思っています。それくらい僕の中ではターニングポイントになった曲ですし、今回の経験から今後の音楽制作もいろいろな面で変わっていくような気がしています。


──歌詞を書き終えた後はどんな気持ちになりましたか?

宮川:そうですね。書き終えた時と書き始めた頃とではまったく違った気持ちになりました。書き終えた後、簡単なメロディーをあてたデモテープを聴きながらランニングしていたんですが、本当なら達成感でスッキリした気持ちになっているはずなのに、何回か聴いているうちに泣けてきてしまって…。

曲を書いていた段階の自分はもう過去の自分だから、ちょっとだけ未来の自分から振り返ると、すごくいろんな感情が湧いてきて涙が止まりませんでした。リリースを迎えた今も、その時々の感情によってまったく違った味わいがあります。


──『光』の中で特にお気に入りのフレーズはどこになりますか?

宮川:僕が気に入っているのは、Dメロの<特別じゃなくたっていいんだよ 誰かになんてならなくていいんだよ>という部分です。この曲の中で伝えたかったことが一番表れている部分なので。もうひとつは<色褪せないサヨナラ>という言葉も好きですね。


──<特別じゃなくたっていいんだよ>の部分には、それまで張り詰めていた気持ちがここで赦されるような印象があります。どういう思いを込めて書いたのですか?

宮川:未来の自分が今の自分に向けてかけてくれている言葉というか、本当に言葉通りの気持ちです。誰かに憧れたり、他人と比べて悔しい気持ちを持ったり、いろんな気持ちを持つことはいいことなんだけど、特別にならなくていいし、自分は自分のままありのままで居続ければいいんだよっていう思いを込めています。きっと、書いている時の自分も、その時はそういう言葉が欲しかったんだと思います。


──全編にわたって未来の自分が過去の自分に語りかけるような歌詞の中で、ラストのサビ前の<「もういいんだよ。」>だけ、カッコ書きになっているのが気になります。

宮川:ここは特別に深い意味を込めたというより、未来の自分がいろんな言葉を投げかけてくれている中で詰まった気持ちを解放させてくれる言葉というか、この一言にすべてが詰まっているという意味で強調しました。この部分は歌い方も工夫していて、歌ではなくセリフとして語りかけるように心がけています。



──宮川さんは『光』の世界観のように、これまでも自分の未来を思い浮かべながら進んでこられたのでしょうか?

宮川:そうですね。僕はできるだけ後悔のない人生を進みたいと思っていますが、そう思っていても、後悔を経験することってあるじゃないですか。例えば、ライブの時に何か失敗したらすごく後悔が残るし、もっと練習しておけばよかったなって思います。

でも、自分が失敗するという未来をあらかじめ見据えておいて「自分は未来から帰ってきて、今ここにいるんだ」みたいなマインドになってみると、失敗しないためにできることがたくさんあると気付けたり…。自分流の感覚ですが、そういう考え方を大事にしているところはありますね。


──ライブの失敗で後悔が残ることもあるんですね。宮川さんの真面目なお人柄を感じます。

宮川:どうなんでしょう。周りからは「失敗じゃないよ」って言ってもらえることもありますけど、プロとして音楽をやらせてもらっている以上、やっぱりそこはできるだけストイックに、完璧に近付きたいと思ってやっています。


──きっと、10年後の宮川さんが『光』を聴いたら、また違った感動があるんでしょうね。

宮川:10年後の自分なんてまったく想像できないですけど、その時が楽しみです。

実はライブで歌うのが恥ずかしい!?


──続いて『Sparkling Love』についても深く伺いたいです。こちらは募集した恋愛エピソードをもとに歌詞を作り上げるというアプローチで、楽しみながら作詞ができたのでは?

宮川:楽しかったですね。面白いエピソードだったり、本当に胸が苦しくなるエピソードだったり、その中から、このシチュエーションいいなっていう部分を歌詞のエッセンスにさせてもらいました。


──エピソードから言葉をいただく上で、選ぶ基準にしたのはどんなところでしょう?

宮川:恋人同士の繋がりを感じる言葉だったり、たくさんの人の心を打つキャッチーな言葉は意識しました。もうひとつは、僕があまり使わない言葉を選んでみようと。そこは新鮮さがあって面白かったです。例えば「心まではじけちゃう」や「嘘になっちゃう」のように「〇〇しちゃう」という言葉は、こういうテイストでは使ったことのないフレーズでした。


──そうなんですか? 聴く側からすると自然な宮川さんの言葉になっているので、アーティストってすごいと思います。

宮川:実は自分の中では、まだちょっとだけ恥じらいがあります。


──そうなんですね。それではライブでは、ちょっと恥じらう宮川さんにも注目ですね(笑)。そういう面も含めて、今回のようなアプローチは一人のアーティストとしてどんな経験になりましたか?

宮川:歌詞を書く時って、大体いつも一人で部屋に閉じこもって、ひたすら妄想を繰り広げて、そこから思い浮かんだ言葉を繋いでいく作業になるんですけど、今回はたくさんのエピソードから力をもらいながら、すごくシンプルに楽しみながら取り組めました。普段の作詞が辛いというわけではないんですけど、色んな方の色んな感情が詰まったエピソードから歌詞を作るというのは、常にフレッシュな気持ちで詞を書くという、これまでと違う体験ができました。


──今誰かに恋をしている人であったり、それとも恋を探している人だったり、特にこの曲を聴いて欲しいターゲットはありますか?

宮川:やっぱり恋がしたいなって思った時ですかね。例えば、朝の支度をしながらとか、通学や通勤の途中で聴いてもらったり。この曲のMVの中で、キラキラした夜景の中を踊りながら帰るようなシーンがあるので、そのシーンを想像しながら自分が主役だと思って、ちょっとルンルンしながら聴いてもらうというのもいいかも。いつ聴いても気分が上がると思います。

▲宮川大聖「Sparkling Love」MV

──この『Sparkling Love』で、特にお気に入りの歌詞というと?

宮川:<トキメキに乾杯>かな。これも普段の僕が書かないような歌詞ですし、とてもキャッチーな言葉で気に入っています。春のライブツアーのファイナルでやった時は初披露ということで意識していなかったのですが、もう少し慣れてきたら、このフレーズのところにカクテルグラスを持つような振りを付けて、みんなで一緒に盛り上がれる曲にしたいです。



──『光』は宮川さんご自身が作詞作曲されていますが、『Sparkling Love』は過去の楽曲でもご一緒されているShin Sakiuraさんが作曲しています。ご自身の作った曲に詞をつける時と別の作曲家が作ってくださった曲に詞をつける時とでは心持ちが違うものでしょうか。

宮川:まったく違いますね。自分で作曲する時は、自分の持っている知識の範囲内だったり、ステータスの範疇で詞を付けるんですけど、他の方が書いてくださる曲だと、音や譜割の中に新しい発見がいっぱいあって楽しい気持ちになります。


──宮川さんの中では、どちらの方が難しいのでしょう?

宮川:自分の曲は適当に言葉をあてはめながら歌詞を書くことが多くて、割と簡単にはまるところがある反面、一旦難しく考え始めると立ち止まってしまうことがあります。それに比べて、いただいた曲の場合は、音や譜割を見るといろいろな言葉をあてはめたくなってしまうというか、自分の曲の時よりも広い視点で考えることができます。どちらの方が難しいかは自分ではわからないですけど、どちらの行程も好きですね。


音楽を通じて等身大の自分をぶつける

──そろそろ締めに入っていこうと思いますが、あと少しだけお話を聞かせてください。宮川さんの曲を聴いていると歌詞にも声にも透明感を感じるのですが、そういうのは生まれ育った式根島の環境も影響しているのでしょうか。

宮川:声については島で育った子もそれぞれだと思うので式根島の影響というのはないと思います(笑)。ただ、音や歌詞については島で育った子どもの頃の風景を思い浮かべながら書くことはよくあります。

例えば、メジャーデビューして最初に書いた『スターランド』は、式根島に対する恩返しというか、僕を育ててくれた式根島のみんなへの思いも込めて、島の綺麗な星空をイメージして書いた曲です。『イダテンドリーマー』の時は島でMVを撮影しましたし、そういうことを振り返っても、育った環境に恵まれたのは本当に幸運だと思っています。


──宮川さんの楽曲は10代、20代から広く支持されていますが、自分自身と同じ、等身大を大切にする世代に響く曲を届けるために、大事にしていることはありますか?

宮川:届ける世代を意識することはあまりないですが、とにかく等身大の自分をぶつけるというか、ありのままの自分を曲にして伝えることを大切にしています。自分がやりたいことの根っこみたいなものはしっかりあるので、そこにその時々のリアルな気持ちを乗せることを意識していますね。


──2017年のデビュー以来、ご自身のペースで着実に進まれてきている印象ですが、ここまでの中で音楽との向き合い方は変わってきましたか?

宮川:楽曲制作の仕方自体はあまり変わっていませんが、今回の『光』が自分の中でターニングポイントになりました。ここまでのめり込んで曲作りをしたことは今までになかったので。だからこそ曲に対する思いはすごく強くて、この曲を作って得られたものは本当に多かったです。自分の曲への愛情や一曲一曲に対する寄り添い方など、そういったものがこれまでより強くなった気がします。


──まさに宮川さんにとって全身全霊という言葉がふさわしい一曲ですね。それでは最後に改めて、『光/Sparkling Love』を聴く皆さんにメッセージをお願いします!

宮川:今回の『光』と『Sparkling Love』は、結構両極端なギャップのある曲になっているので、2つまとめてこういう時に聴いて欲しいとおすすめするのはなかなか難しいのですが、普段の生活の中でどこか道に迷ってしまったという時は『光』を、一方で気持ちを盛り上げたいという時は『Sparkling Love』を聴いてもらいたいです。

それでもっとテンションを上げたい時にはカップリングの『SOS』がぴったりですし、夜一人で晩酌なんかをしながらムーディーな気分に浸りたい時はスタジオセッションの曲を聴いてもらったり、とにかくいろんな宮川大聖を見せられるシングルになっています。どんなシチュエーションにも合う曲が詰まった一枚になっているので、たくさんの方々に聴いていただきたいです。


TEXT 鈴木翔

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