蓮花 インタビュー
幼少の頃っていろんなことを感じとる多感な時期
――蓮花さんのプロフィールに記された、「物心つく頃、父に買ってもらった金子みすゞ「わたしと小鳥とすずと」を収めた本。中に記された「みんなちがって、みんないい」の一節に救いを感じ、それからは日記のように詩を書き始める」という部分を読み、蓮花さんが言葉に興味を示した理由を知りました。きっかけとしては納得です。それ以降ずっと詩を書くようになったのは何故なのか、そこから教えてください。
蓮花:父が買ってくれた本の中に記されていた金子みすゞさんの書いた詩に衝撃を覚え、最初はその詩を真似する形でノートに書き出していました。当初は、その詩が好きだからこそ始めた行為であり、その後も「素敵だなぁ」と思う詩に出会うたび、自分でもその詩をノートに書いていました。幼少の頃って、いろんなことを感じ取る多感な時期。その頃に詩に出会えたのは、私にとって本当に良かった経験だったなと思います。
詩を書くようになったきっかけですけど。最初は真似て書くだけだったのが、何時しか自分の想いを言葉にしていくことで…私自身の感情を吐き出すことで、心を開放してゆく楽しさを覚え始めました。それからなんです、詩や日記のような形を取りながら、いろんな想いをノートへ書き記すようになったのは。
今でもそう、いろんな人の言葉や文章を見聞きするたびに、その文字が胸へと突き刺さり、穏やかな気持ちになったりちょっと悲しくなったりと喜怒哀楽いろんな感情を私に与えれば、そこで感じた想いを文字にしてノートへ記録し続けていますし、今後も書き続けていくつもりです。
――きっかけは一冊の本からとはいえ、昔から詩集や本が好きだったんですね。
蓮花:先に詩集へ興味を持ち、それから本にも興味を示し、そこから言葉自体に関心を抱き始めました。他に写真集も好きで、写真集もよく眺めています。
今でも本屋さんは大好きな場所。ちょっとでも時間が空けば本屋さんへ足を運べば、移動中も本は手放せません。たとえザワザワとした空間の中でも、本を読み出すと不思議とまわりの雑音も聞こえなくなるんです。それも面白いなと思っていて。
――蓮花さん自身、感受性の強い方なんでしょうね。自分でも言葉を吐き出さずにはいれない人だ。
蓮花:吐き出すと言うか、文字にすると気持ちが整理されていくんです。だから私は、ズーッと文字を書くことを続けているんだと思います。
――気持ちを言葉にしていくのは日常生活に当たり前にあるもの?
蓮花:そうなんです。うちには、いろんなノートがあります。「タイトルだけを書くノート」「三行日記のような文章を書き溜めるノート」「長い文章を書くためのノート」「本を読んだ感想を記すノート」などなど用途に合わせいろんなノートを用意すれば、その都度書き続けてきました。おかげで書き貯めてたノートがすごい数になり、今や「何処に整理してしまおうか?」状態。
過去の日記は、今でも読み返すときがあります。普段でも、鞄にはかならずノートを入れれば、言葉を思いつくたびに書き記しています。
――小さい頃に書いた文章を読むと、「えっ、こんなこと思ってたんだ」となりません?
蓮花:正直、恥ずかしいなと感じたり、「こんなことを思ってたんだ」となることはあります。だけと、改めて自分自身を知れる機会にもなるように、自分の気持ちをノートに書き記すことは、これからもライフワークとして続けていくつもりです。
ライブの中へ朗読の時間を取れたら素敵だなぁ
――最初は詩や日記という形で想いを吐き出していましたが、そこへ歌詞を通し歌で想いを伝える術を得たことは、蓮花さんにとって表現の器が広がった感じだったのでしょうか?蓮花:歌や作詩との出会いも、書くことで得た私を表現する手段の一つ。これからも、書き続けることでいろんな出会いが広がればなぁと思います。
――いづれは、詩集や小説を出したい気持ちもあります?
蓮花:詩集や小説を出せるのなら嬉しいなぁと思いますけど。今、ラジオ番組「蓮花 Voice...」も担当しているんですけど。そこでも言葉を大事にお話させていただいてるように、一つ一つの経験を私は大切に育んでいきたいなと思っています。
――蓮花さんのホームページを通し、アップしてあったラジオ番組を聞きました。聞き手に心地好さや微睡みを与える、ゆったりとした語りが素敵だなぁと感じました。
蓮花:ありがとうございます。番組内には「詩を読むコーナー」もあるように、私もそういう経験を通し、いろいろ勉強させてもらっています。
――昨年10月に1stワンマン公演を行いましたよね、そのときに詩の朗読はしなかったのですか?
蓮花:あのときは初ワンマン公演ということもあって、歌を中心に、MCも交えてという形でしたけど。ライブの中へ朗読の時間を取れたら素敵だなぁと思っているように、何時かはやってみたいです。