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Queen「ボヘミアン ラプソディ」歌詞の意味を解説!実はカミングアウトの曲だった?

イギリスの世界的ロックバンドのQueenを象徴する名曲『ボヘミアン ラプソディ』は、ボーカルのフレディ・マーキュリーのプライベートな部分が表現された楽曲です。謎の多い歌詞の意味を紐解きます。

Queenの名曲に込められた意味を和訳と共に解説


イギリスのロックバンド・Queen(クイーン)の言わずと知れた代表曲『ボヘミアン ラプソディ(Bohemian Rhapsody)』。

1975年発売の4作目のオリジナルアルバム『オペラ座の夜』の収録曲として発表され、同年に第1弾シングルとしてリカットされました。

元ボーカリストのフレディ・マーキュリーに焦点を当てた2018年放映の伝記映画のタイトルになっていることからも、この楽曲が彼の人生において重要な曲であったことを感じさせます。

それはイギリスのシングルチャート9週連続1位を獲得するメガヒット曲となったことだけでなく、彼自身の心情が反映されているからでしょう。

タイトルは「放浪民の狂詩曲」という意味があり、型にはまらない自由な生活を送る放浪民と、形式に囚われず異なった曲調を自由に繋げる狂詩曲が組み合わされています。

つまりテーマは自由であると考えられます。

どんな自由を求めていたのか、英語詞の和訳に注目しながら歌詞の意味を考察していきましょう。

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Is this the real life is this just fantasy
caught in a landside -
(no escape) from reality
Open your eyes look up to the skies
and see
【対訳】
これは本当のこと?
それとも幻想?
地滑りに巻き込まれて
現実から逃げられない
目を開けて
空を見上げて 見て
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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主人公は自身の目の前で起こっていることが現実なのか、幻想なのかが分からなくなっています。

しかしいくら幻想だと思いこんで現実逃避しようとしても、現実から逃げることはできません。

地滑りに巻き込まれるかのように、人生の転落を経験しているのでしょう。

そんな彼に、誰かが「目を開けて 空を見上げて」と語りかけてきます。

それはおそらく、「絶望の中でもただ落ち込んでいてはいけないよ」という自分の心の声です。

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I'm just a poor boy
I need no sympathy
Because
(I'm easy come, easy go a little high
little low)
Anyway the wind blows doesn't really matter
to me, to me

僕がただの貧しい少年 同情は要らない
だって僕は ふらっと来て 去っていく
少しハイで 少し落ちる
どちらに風が吹こうとも 僕には関係ないから
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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主人公は自身のことを「ただの貧しい少年」と表現します。

これは金銭的な貧しさだけでなく、心の拠り所がない孤独さも言い表しているように感じました。

自由気ままに生きる彼は世間の風向きなど関係なく、心の赴くままに行動してきたようです。

「ボヘミアン(放浪民)」とはこの主人公の生き方を示していると解釈できます。

母親への告白から見えるメッセージとは


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Mama, just killed a man put a gun
against his head
Pulled my trigger now he's dead
Mama life had just begun but now I've gone
and thrown it all away

ママ 人を殺しちゃった
頭に銃を突き付けて
引金弾いたら 死んじゃったよ
ママ 人生は始まったばかりなのに
でも 僕は全て捨ててしまったみたいだ
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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サビの「ママ」という呼びかけのフレーズは特に有名ですよね。

しかしその後に続くのは「人を殺しちゃった」という衝撃的な告白です。

「頭に銃を突き付けて引き金を弾いたら死んじゃった」と語っていますが、そのように行動していれば相手が死ぬのは当然です。

自分の行動が相手の命を奪うものであるという認識がなかったことは、主人公の心の未熟さを象徴しているのではないでしょうか。

人生が始まったばかりなのに殺人という大きすぎる罪を負い、希望ある未来を全て捨ててしまったみたいだ、と絶望を伝えています。

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Mama, woo didn't mean to make you cry
If I'm not back again this time tomorrow
Carry on, carry on as if nothing
really matters
Too late my time has come
Sends shivers down my spine
Body's aching all the time

ママ……
嘆かせるつもりは なかったのに
明日この時間 僕が帰って来なくても
このまま 暮らしを続けてね 何もなかったように
もう遅いよ 僕の時間は来てしまった
背筋に寒気が走るよ
体はいつでも痛んでいる
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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こんなことをして母親を悲しませたいわけではなかったのに、事はもう起きてしまいました。

自分が帰らなくても、母親にはこれまで通りの生活を送ってほしいと願います。

罪悪感や人を殺した恐怖感で背筋には寒気が走り、体にも痛みを感じています。

ここで出てくる「僕の時間」とは何を表しているのでしょうか?

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Goodbye, everybody
I've got to go
Gotta leave you all behind
and face the truth
Mama, woo
(Any way the wind blows)
I don't want to die
I sometimes wish
I'd never been born at all

さよならみんな 僕は行かなきゃ
みんなを置いて 真実と向き合うんだ
ママ……
死にたくないよ
いっそ 生まれて来なけりゃ良かったとさえ思うことがあるんだ
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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主人公は家族や友人へ別れを告げます。

「真実と向き合うんだ」と、自分の罪を償う覚悟ができたようです。

やってきた「僕の時間」とは、裁きの時ということなのかもしれません。

また「死にたくないよ」とこぼしているため、その先には死があることも感じているのでしょう。

こんな風に自分と母親を苦しめてしまうくらいなら「いっそ生まれて来なけりゃ良かった」とさえ考えてしまいます。

「Any way the wind blows(とにかく風は吹いている)」というフレーズは、どうやっても抗えない運命を指していると考察できそうです。

自由に生きているように見えても、結局何かに囚われていることを示しているように思えます。

この曲の詳しい意味についてフレディ・マーキュリーはプライベートな歌であるとしか明かしておらず、メンバーも知らされていないため様々な説が唱えられています。

歌詞の通り自身が犯した罪の告白をしているのではないかとも考えられていますが、どちらかというと同性愛者であることのカミングアウトの説が有力だと解釈しました。

当時はまだ受け入れられにくかったセクシャルマイノリティの問題を、周囲と違う生き方という点でどこか罪のように感じていたのかもしれません。

自身の生き方に苦悩する中でも、自分に正直になって自由に生きたいという強い願いを吐露したのが、『ボヘミアン ラプソディ』なのではないでしょうか。

罪の審判と主人公の決意


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I see a little silhouettoof a man
(Scaramouch, Scaramouchwill you do the Fandango)
Thunderbolt and lightning very very
frightenning me
(Gallileo) (Gallileo)
(Gallileo) (Gallileo)
(Gallileo) Figaro
(Magnifico)

男のシルエットが浮かんで見える
スカラムーシュ スカラムーシュ ファンダンゴをしてくれるかい?
稲妻に雷鳴
とても とても怖いよ
ガリレオ ガリレオ
ガリレオ ガリレオ
ガリレオ・フィガロ
は貴族
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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「スカラムーシュ」とはイタリアの即興喜劇に登場する道化役者のことで、主人公はそのシルエットを見ます。

「ファンダンゴ」は、スペインが起源のダンスのことです。

主人公はファンタンゴを踊ってもらうことで心を軽くしたいと考えている様子。

そこに眩しい稲妻と激しい雷鳴が轟き、主人公はあまりの恐ろしさに怯えてしまいます。

続く部分では「ガリレオ」と「フィガロ」という二人の人物が登場します。

「ガリレオ」はイタリアの天文・物理学者であるガリレオ・ガリレイのことで、「フィガロ」はオペラ『フィガロの結婚』の主人公を指しているのでしょう。

どちらもイタリア人であることから、曲調にも取り入れられているオペラというモチーフを強調するために登場させたと考えてみました。

この二人には、権力者に屈せず自身の信念を曲げなかったという共通点があります。

深読みするならば、そういった点をふまえて登場させたのかもしれません。

そして雷と共に登場したことや主人公がそれを恐れていることから、彼の罪を断罪する役割を果たす人物と考えられます。

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I'm just a poor boy nobody loves me
He's just a poor boy from a poor family
Spare him his life from this monstrosity
Easy come easy go will you let me go

僕はただの貧しい少年で 誰にも愛されない
彼は貧しい家庭に生まれた 貧しい少年
その怪物性から 彼の命を救い給え
ふらっと来ては去る 僕を行かせてくれるのか?
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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この歌詞からフレディ・マーキュリーの孤独による悲しみが垣間見えるようです。

「誰にも愛されない」と感じ、人には理解してもらえない「怪物性」を秘めていることに苦しんでいたのでしょう。

しかも正義によってその異質さを断罪しようとする人がいるため、余計に苦痛を味わっています。

ところが「僕を行かせてくれるのか?」とあるように、そこから自分を解放しようとしてくれる存在もいるようです。

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(Bismillah!) No we will not let you go
(Let him go)
(Bismillah!) we will not let you go
(Let him go)
(Bismillah!) we will not let you go
(Let me go)
Will not let you go
(Let me go)
Will not let you go
(Let me go
No, no, no, no no, no, no)

ビスミラ!いや行かせはしない 行かせてあげて
ビスミラ!行かせはしない 行かせてあげて
ビスミラ!行かせはしない 僕を離して
行かせはしない 僕を離して
行かせはしない 僕を離して
決して 決して 決して 決して離さない
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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「Bismillah(ビスミラ)」は「アッラーの名のもとに」という意味で、イスラム教徒が使う言葉です。

神に誓って主人公に罰を与えようとする存在と、罪から解放しようとする存在が対立している様子がうかがえます。

これは主人公の罪の審判が下されている場面と解釈できるでしょう。

そして一度は罪を受け入れる覚悟をしていた主人公も「僕を離して」と自由になりたい気持ちを膨らませていきます。

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Oh mama mia, mama mia mama mia, let me go
Beelzebub has a devil put aside for me
for me, for me

ママミーア ママミーア ママミーア僕を自由にして
魔王ぺゼルブブは 僕に悪魔から避けてくれているのだろうか 僕のために
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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ついには、新約聖書に登場する悪魔の首領である「魔王ベルゼブブ」に自分の味方をしてくれるように願うことさえします。

つまり自身を守るために悪魔に魂を売ったのです。

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So you think you can stone me
and spit in my eye
So you think you can love me
and leave me to die
Oh, Baby can't do this to me baby
Just gotta get out just gotta get right
outta here

僕を石で打ち 唾を吐きかけられることができるのか?
僕を愛しておいて そのまま死ぬまで放っておけるのか?
ああベイビー そんなことはしないでくれ
ここから出なければ ここから出なければ
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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「石で打ち唾を吐きかけられる」ことは、罰が与えられ侮辱されるということを意味しています。

彼に愛を示しておきながら罰して侮辱し、死ぬまで放っておこうとする人がいるようですね。

文字通りの態度を取られたわけではないと思われますが、自分を理解してくれない家族や周囲の人と分かり合えないことのつらさが表現されていると考察できます。

そして分かり合えないならば「ここから出なければ」と、ますます自由を求める結果になりました。

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Nothing really matters anyone can see
nothing really matters
Nothing really matters to me
(Anyway the wind blows・・・)

全てが 関わりないこと
誰にでも わかるさ
何も 関わりないんだ
何も 関わりないんだ 僕には
風がどちらに吹いても
≪Bohemian Rhapsody 歌詞より抜粋≫
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切羽詰まった雰囲気から一転して、主人公は何もかもが自分には関係のないことのように振る舞っています。

「風がどちらに吹いても」つまり世間の見方がどう転ぶとしても自分は自由に生きることを決めたのです。

葛藤しながらも自身の生き方を貫いた、フレディ・マーキュリーの決意がにじみ出ているように感じます。

自分なりの解釈を見つけて

ボヘミアン ラプソディ』はQueenの音楽性と、奥深い歌詞の魅力を知るのにおすすめの楽曲です。

聴く人によって様々な解釈ができるフレーズが満載なので、ぜひ自分なりの考察をしながら歌詞に注目してみてください。

Queenとフレディ・マーキュリーが世界中で愛され続ける理由がきっと見つかりますよ。

イギリス・ロンドン発のロックバンドQueen。 ボーカル兼ピアノ担当のフレディ・マーキュリー、ギター担当のブライアン・メイ、ベース担当のジョン・ディーコン、ドラム担当のロジャー・テイラーの男性4人組バンド。 デビューは1973年。メンバー全員が作詞作曲ができ、様々な楽器を使いこなす事···

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