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DAOKOが身を委ねる蒼い仮想世界

DAOKOは1997年生まれ、2018年1月の時点でハタチの女性シンガー、およびヒップホップMCだ。動画投稿サイトへの投稿がきっかけとなり、m-flowに認められるなどして、2015年にメジャーデビューしたばかり。まだまだこれからが気になる、大注目のアーティストと言えるだろう。
今回取り上げる楽曲「さみしいかみさま」は、DAOKOの最新アルバム『THANK YOU BLUE』を飾る一曲だ。

得意のウィスパーボイスで独自の虚ろでありつつ美しい世界を表現している。

「さみしいかみさま あたしのこといってんの」という歌詞から、歌詞の主人公が、誰かに自分を「さみしいかみさまだ」と言われているのだ、とわかる。

と同時に、ここでいう「あたし」は歌詞の主人公だけに止まらず、DAOKO自身のことも指しているに違いない。

歌詞の主人公になりきったDAOKOは、「さみしいかみさま」と言ってきた相手に「さみしくなんかない さみしいとか考えない」と畳み掛ける。

DAOKO「さみしいかみさま」

触れたら崩壊 仮想の世界
何度も創りなおして
ずっと待ってた 身体甘くして
月の裏側から


歌詞の内容から推し量る限り、DAOKOの描く仮想世界はいつだって夜だ。

都会の夜を見下ろしながら、アイフォン越しにDAOKOの世界を覗いているような、背徳感にも似た感情が生まれる。

SNSから発信したり、YouTubeを再生したりしながら、私たちは「仮想の世界」とコンタクトを取ろうと必死になる。

仮想世界の住人は「ずっと待ってた」と私たちを迎え入れてくれるだろう。

「仮想の世界」と「ヒビカセ」

この「仮想の世界」から連想するのは、同じく動画再生サイトから活動を開始したアーティスト・れをるの楽曲「ヒビカセ」だ。

「ヒビカセ」は初音ミクをテーマにやはりパソコン越しの「仮想の世界」を歌っている。是非聴き比べて遊んでみて欲しい。

「ずっと待ってた 身体甘くして」「どれくらいの愛情をこの世界に向けてんの?」など、「さみしいかみさま」の歌詞とも通じるものがないだろうか。

ある意味で、初音ミクも「さみしいかみさま」の1人と呼べると私は思うのだ。

バーチャルの世界だからこその孤独感や虚しさが、楽曲のそこここにはびこっていて、けれど私たちは彼女たちに直接触れることすらできないでいる。

自分たち自身も「仮想の世界」の住人だ、と気づくまで、そう時間はかからない。

「触れたら崩壊」するくらい脆く儚い世界なのに、私たちはどうしたってこの世界を見捨てることができないのだ。背景はずっと夜、月が私たちを見下ろしている。

『THANK YOU BLUE』のタイトル通り、DAOKOのイメージカラーは「蒼」だ。「青」と書くよりは、「蒼」と書きたい。

その方が、なんだかずっと深い「あお」という気がしないだろうか。

深くてしかもビビットな「蒼」い仮想世界は、時には海のように、時には空のように、そして時には夜のように優しく包み込んでくれる。

真っ蒼な夜の「仮想の世界」から、「さみしいかみさま」が私たちを見ている。

どれくらい近づけるかわからないけれど、いつか出会う時まで「ずっと待って」いて欲しい。そんなことを想うのだ。

Text:辻瞼

DAOKO だをこ 1997年生まれ、東京都出身。ラップシンガー。 15歳の時にニコニコ動画へ投稿した楽曲で注目を集め、2012年に1st Album『HYPER GIRL- 向こう側の女の子 -』を発売。2013年、16歳にしてm-flo + daoko による楽曲『IRONY』が映画「鷹の爪~ 美しきエリエール消臭プラス~」の主題歌に起···

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