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そんな日もあるよね…女だから「キスだけで feat.あいみょん」菅田将暉

7月10日にリリースされる菅田将暉の2ndアルバム「LOVE」からすでに3曲が先行配信されている。さまざまなアーティストが参加しているこのアルバムの中から『キスだけで fest.あいみょん』を徹底考察してみたい。

菅田将暉のカケラの一つ

「仮面ライダーW」でデビュー後、数々のドラマ・映画に出演するという”俳優”の部分。そして作詞・作曲を手掛けながら歌うという”アーティスト”の部分。これらは菅田将暉を作り上げるカケラの一つ一つに過ぎない。



客観的に彼を見ると、スラッとしてオシャレな今どきの好青年。その中をかきわけていくと小さくキラキラ光るカケラがたくさん。どれもどうしようもなく気になるし、手に取ってみたくなる。

『キスだけで feat. あいみょん』でそんな菅田将暉のキラキラ光るカケラがもう一つ増えた。”せつない”というワードはお約束の表現だけれど、この楽曲はそんなんじゃない。全貌を覗いたら、それだけは分かった。

キスだけで feat. あいみょん

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私今日は女だから 今日は女だから
きっと 抱きしめてもらえないでしょう
今日は女だから 今日は女だから
ずっと 溢れているでしょう
≪キスだけで feat. あいみょん 歌詞より抜粋≫
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何をどうとか説明しなくても「今日は女」というリリックで意味は分かる。「抱きしめてもらえない」理由は、彼女は今日が"女"だからだ。

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確かめなくても
湿ってく 揺らいでく
沈みたいの
キスだけでいけそうなの
傷だらけになるとしても
キスだけでここにきたの
やるせないね やる気ないね?
≪キスだけで feat. あいみょん 歌詞より抜粋≫
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ここまでが一番の部分で”女”の感情が歌われている。担当するのは菅田将暉だ。

ふわっとシチュエーションが浮かび、”女”の気持ちまで見えてしまうかのような妙に生々しいリリック。そんな部分を”男”が歌うことによって和らぐ…なんてことはこの楽曲の場合ないといえる。



作詞・作曲を手掛けたのはもちろんあいみょん。彼女らしいベールに包まない心理描写はさすがだ。

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お前今日は女だから 今日は女だから
ちょっと 忍ばせているでしょう
お前今日も女だから 今日も女だから
そっと 触れていたい
≪キスだけで feat. あいみょん 歌詞より抜粋≫
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ここからは二番になる。”男”の感情をあいみょんが歌っていく。

話は脱線してしまうが、彼女の楽曲の中に『君はロックを聴かない』というものがある。

この”会話の一部”のような題名そのものが、彼女の曲作りに対する”取り組み方”や”感覚”がよく表れていると感じるのだ。

”聴かない”と否定で終わる題名はとても珍しい。リリックの解釈は、君がロックを好きじゃないのは知っているけれど、僕がロックが好きな理由を知って欲しい、そしてそんな僕のことも知って欲しいというもの。

一見題名だけ見れば”?”となるけれど、なんのことはない。僕の気持ちの一部をそのまんま題名にしただけなのだ。

言いづらい・恥ずかしい・難しい”感情”を歌にしようとすると、いろんなものが足されて足されて…最終的にはただのカッコイイ歌になりがち。でも彼女の作る歌は確実にその類のものじゃない。

特にこの『キスだけで feat. あいみょん』は最たるもの。よくある”男”と”女”の一コマをそのまんま切り取ってある。

あまりにストレート過ぎて、聴く者がイマジネーションをもっともっと膨らませてしまう。

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待ち構えていても
歪んでく 乾いてく
急がなくちゃ
キスだけでいけそうなの?
傷つけてもかまわないの?
キスだけでここにきたの?
やるせないね 眠れないね
≪キスだけで feat. あいみょん 歌詞より抜粋≫
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すぐそばにいる二人。「キスだけで」会いに来た”女”と待ち構えていた”男”。お互いの気持ちを探り合うほんの数時間の出来事。



恋愛の歌は大体、長い時間に自分がどんな感情でいたのか、その結果ハッピーエンドかバッドエンドか…というものが多い。しかしこの楽曲は逆だ。

今この瞬間の”男”と”女”が、それぞれに思っていることが切り取られている。「キスだけで」は納得がいかない二人がそこに見えるのだ。

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背中合わせの夜
心臓泣かせの夜
重なり合いたい気持ちをまたいで
抱きしめて
キスだけで
私今日は女だから お前今日は女だから
いつも女だから いつも女だから
今日も2人だから
≪キスだけで feat. あいみょん 歌詞より抜粋≫
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最後の部分は二人一緒に歌われる。アコギが主体の静かな曲調でドラムは入らない。テンポもとてもスロー。

静かな夜、お互いの想いがありながらそろそろ眠りにつこうとしている。

「心臓泣かせの夜」という表現がとても彼女らしい。悲しいでもせつないでもない感情。「背中合わせ」でいることで、心臓が泣くのだ。

全体を通して、”女”を真ん中に描かれる『キスだけで feat. あいみょん』。そんな日もあるけれど、いつも一緒にいる二人にとってはほんの一コマに過ぎないのだ。

ロングホープ・フィリア

今回ご紹介の『キスだけで feat. あいみょん』を始め、すでに当サイトでも特集のある『まちがいさがし』などが収録された2ndアルバムが7月10日にリリースされる。

このアルバムの収録曲の中からもう一曲おすすめを紹介したい。それが『ロングホープ・フィリア』だ。



アニメ映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~」の主題歌となっている。作詞・作曲を手掛けたのはamazarashiの秋田ひろむで、このアニメのための書き下ろしだ。

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歩くほどに靴底が汚れてく そんな風に
僕らの魂も磨り減れば影ってしまうよ
そんな時に思い出して 君が諦められない理由を
救ったはずが救われたっけ 握ったつもりが握られた手
≪ロングホープ・フィリア 歌詞より抜粋≫
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疾走感がとても特徴的なアレンジで、先にご紹介した『キスだけで feat. あいみょん』とは毛色が180度違う楽曲といえる。

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遍く旅路に光あれ 強さや弱さでは語れないぜ
立ち向かうその一歩ずつが 君の勇敢さの勝利だった
叫ぶ為に息を吸うように 高く飛ぶ為に助走があって
笑う為に僕らは泣いた それを敗北とは言わない ロングホープ・フィリア
≪ロングホープ・フィリア 歌詞より抜粋≫
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アニメの世界観に寄り添い、勇敢な少年がそこに見える。もう一人友の存在もあるようだ。お互いに挫折や敗北を味わいながら、称賛しあっている良き仲間。

”青春”と一言でいえば終わってしまうが、そこには闘いという複雑な事情も感ぜられる。

男というのは、いつの時代も”闘う”生き物。傍らに心強い友がいるのはそれだけで財産といえる。

この楽曲からは主人公の他にもう一人の”友”がいることで、辛い試練だけではなく、希望や勝利も伝わってくる。

生きていくことのほとんどは辛いことだけれど、「今日の君が笑った」ことですべては救われてしまうのだ。

まだまだ菅田将暉から目を離すな!

俳優としても、他とは違う光を放つ菅田将暉という人物。



彼にはどれだけのカケラがあるのだろうか。

”俳優 菅田将暉”のファンと、”歌手 菅田将暉”のファン、皆さんはどちらなのだろうか。

”両方”のファンならベストといえるだろうけれど、この先は”歌手 菅田将暉”のファンが膨大な数になることは確実だといえる。

TEXT 時雨

1993年2月21日大阪府生まれ。 2009年『仮面ライダーW』でデビュー。 『共喰い』で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞、『あゝ、荒野』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞などを受賞。 同作により2017年度の映画賞を総なめし、若手実力派俳優として多方面で活動中。 また、同年の···

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