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井上苑子「僕らの輝かしい未来」で鮮やかに蘇る18歳の春

2015年にメジャーデビューし、1stシングル『だいすき。』以降、女子中高生からの人気を集めるシンガーソングライター井上苑子。「卒業」をテーマにした楽曲『僕らの輝かしい未来』の歌詞から、彼女の作詞家としての瑞々しい感性に迫ります。

「革靴」が表す高校時代

卒業をテーマにした4つの物語が織りなすショートムービー『私の卒業』のメインテーマ『僕らの輝かしい未来』は、井上苑子が18歳の頃の自分を思い出して書いた曲だとインタビューで語っています。


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すり減って歪んだ革靴と
毎朝 当たり前だった弁当も
口うるさい先生も
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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「すり減って歪んだ革靴」というフレーズだけで、規定の制服と革靴で毎日登下校していた高校時代の情景が、目の前に広がるような歌詞ですよね。

22歳の井上苑子にとって18歳の頃の気持ちは、まだ鮮明に心の中に残っているのではないでしょうか。

それが、この曲の歌詞が生き生きとしたリアリティのある言葉で綴られている理由のような気がします。

リアルでドラマチックな情景描写


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ほんとに最後とか くるんだなあ
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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卒業式を迎えた高校生の多くは、この歌詞のように自分が卒業するといった実感をあまり持てないまま式に臨んでいるのではないでしょうか。

そして頭の中では「歪んだ革靴」や「当たり前だった弁当」「口うるさいい先生」の記憶が巡っている。

この歌詞の中に「卒業式」という言葉は出てきませんが、この一行で卒業式当日を描いているのだと伝わって来ますよね。


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咲き始めた桜が 愛しくて切なくて、
零さないよう上を向いた
大事な記憶たちを
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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式典が終わって校庭へ出ると、まだ肌寒い空気の中で咲き始めた桜が揺れている。

卒業の実感はそんな時に湧いて来て、思いがけず涙が込み上げて来るものかも知れません。

可憐な桜のように愛しい高校生活を思って涙が溢れる様子を「零さないよう上を向いた」と動作で描写しているところがドラマチックですよね。

繊細な心理描写で伝える卒業後の不安


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変わってしまうんだ
明日が来れば君とは
違う景色を見ているのだろう
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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小、中学校の卒業と違って高校卒業後は大学へ進む人、就職する人など、それぞれの道を歩んで行きます。

みんなが別々に変わって行くという現実を初めて知る日、それが高校の卒業式ではないでしょうか。

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週末に見かけた君は 大人に見えたから
いつもなら笑って肩 叩けるのに
気付かないでと願った
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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卒業式を終えた週末に偶然見かけたちょっと好きだった君が、急に大人びて見えて声がかけられず、なんとなく自分の事を見つけて欲しくないと思った。

この複雑な気持ち、経験した事がある方も多いでしょう。


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染まるよ わたしだって
かかと鳴らし歩くの
ひとつ 大人になったつもりで今
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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そして、パンプスのかかとを鳴らして歩いている自分も、明らかに以前の自分ではなくなっています。

冒頭の「すり減って歪んだ革靴」と後半の「かかと鳴らし歩く」、靴の変化で成長を描く感性が素晴らしいですよね。

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世界が どんなに変わってしまっても
君とは どうか どこまでも
繋がっていられますように
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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「君とは どうか どこまでも 繋がっていられますように」と、祈るようなこの言葉には、急速な状況の変化に戸惑う若者の不安が表現されているのではないでしょうか。

全ての18歳のためのメッセージソング


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まわるまわる世界は
自分が知らないとこで
知らない人も戦っているんだよ
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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高校生活という狭い世界の中で生意気を言って一人前のつもりでいた高校生は、高校を卒業した時に初めて、自分が制服で守られていた事に気がつくでしょう。

制服にさよならをしたこれからは「高校生だから」では許してもらえない、広い世界の中で自力で闘って行かなければならない、それが大人になる事なんだよと、この歌詞は意味しているのかも知れません。

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進めよ わたしたち
輝かしい未来へ行こう
自分が いつか何者かに なれたなら
≪僕らの輝かしい未来 歌詞より抜粋≫
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高校を卒業したばかりの自分はまだ何者でもないけれど、僕らの前には何者にでもなれる可能性に満ちた輝かしい未来が広がっていると歌うこの曲は、大人への最初の一歩を踏み出した18歳への応援ソングですよね。

そして、高校を卒業して何年も経つ大人の心にも、18歳の頃の瑞々しい気持ちを蘇らせてくれる曲でしょう。

この曲には、卒業ソングの定番として多くの人から愛される「輝かしい未来」が待っているような気がします。


TEXT 岡倉綾子

神戸出身の23歳シンガーソングライター。 小6より作詞作曲と路上ライブを始め、高校入学と共に上京。動画配信サービスのツイキャスで人気を集め、視聴者数が200万人を突破しメジャーデビュー1stシングル「だいすき。」はYouTubeで2,000万再生を超え、女子中高生を中心にスマッシュヒット。 こ···

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