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映画「ソラニン」夢と現実の狭間で葛藤する若者たちを描く青春音楽ラブストーリー!

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浅野いにおの人気コミックを実写化した映画『ソラニン』。音楽での成功を夢見ながらも、程遠い現実と将来への不安を抱えた若者たちを描く青春ラブストーリーです。誰もが一度は経験する苦悩や葛藤に共感できる本作の魅力を紹介します。

浅野いにおの人気コミックを実写映画化!

2010年に公開された映画『ソラニン』は、音楽への夢を追い続ける若者たちの青春ラブストーリー

原作は2005年から2006年まで週刊ヤングサンデーで連載されていた、浅野いにおの同名コミックです。

人のリアルな心情を独特なタッチで表現し、多くのファンに愛されています。

その人気マンガを実写化した本作は、『僕等がいた』『アオハライド』など青春マンガの実写映画を多く手がける三木孝浩が監督を務めました。

数ある実写化作品の中でも、原作の世界観を忠実に再現していることで高い評価を受けた邦画の1つです。

繊細な心を映し出した本作のあらすじや見どころを紹介します。

映画「ソラニン」のあらすじ

▲映画『ソラニン』予告編

大学卒業から2年経っても音楽への夢を捨てきれず、アルバイトをしながら趣味でバンドを続けている種田

そんな彼と同棲しているOLの芽衣子は、毎日の地味な仕事と面倒な人間関係に嫌気が差していました。

ある日、彼女は彼に言われた「辞めちゃえよ」という言葉を真に受けて、本当に退職してしまいます。

そのことで口論になり、お互いに隠していた気持ちをぶつけ合う二人。

その時初めて「真剣にバンドをやってほしい」という彼女の想いを知った彼は、バイトを辞めてバンドに専念することにしました。

彼女の貯金を切り崩しながらの生活を始め、苦しいながらも夢に生きることを楽しむ2人。

その一方、ベースの加藤は大学6年生であることを後輩に馬鹿にされ、ドラムのビリーは実家の薬局を継ぐことについて悩んでいました。

それぞれ将来に不安を抱える中、新曲の「ソラニン」を制作してレコード会社に送りますが、思うように話が進みません。

絶望した種田は、ついに彼女に別れを告げます

一度は和解した2人でしたが、散歩に出かけた種田をいくら待っても、彼女の元に帰ってくることはありませんでした。

原作とぴったりのキャストが等身大の若者を好演



本作の主演を務めるのは、多彩な役をこなす演技派女優の宮崎あおいです。

楽観的な性格で夢を追う彼を健気に応援し続ける役どころで、思い立ったらすぐに行動する、意思の強い頑固な女性を等身大に演じています。

本作では初めてギターボーカルも披露し、ピュアで力強い歌声が多くのファンを魅了しました。

恋人役は、役へのはまり方から憑依型俳優と称される高良健吾が務めています。

音楽にかける情熱はあるもののどこか垢抜けない役を好演しており、原作のイメージともよくマッチしています。

また、ドラムのビリーこと山田二郎を桐谷健太、ベースの加藤賢一をサンボマスターの近藤洋一、加藤の恋人で主人公の親友でもある小谷アイは伊藤歩が演じました。

彼らも様々な思いに悩まされていることが伝わる熱のこもった演技を見せています。

悩みながら夢を追う不器用な姿に共感できるストーリーが魅力



本作の見どころは、若さゆえの弱さやもどかしさが真っ直ぐに描かれているところです。

スポットが当てられているのは、20代前半のまだ大人になり切れない若者たち

やりたいことはあるのに何となく過ぎて行く日々に甘え、本気になれない彼らの姿は、多くの人が若い頃に経験した気持ちと重なるのではないでしょうか。

いざ本気になっても思うようにいかず、焦りやもどかしさ、不安ばかりが募っていきます。

子供のように純粋に夢を追いたい気持ちと、大人として現実を見つめなければならないというジレンマに悩まされる様子が、胸に刺さるでしょう。

また、そんな風に思い悩む中で、ただ純粋な気持ちで音楽に打ち込んでいる瞬間の彼らの美しさにも惹かれます。

現実がどうであれ、ありのままの自分で強く生きることの価値を感じさせてくれますよ。



タイトルの『ソラニン』とは、ジャガイモの芽に含まれる毒を意味します。

これは、誰の心でも蝕む苦い経験や負の感情を指しているのかもしれません。

しかしソラニンはジャガイモが成長するために必要なものです。

それと同様に、つらい過去も人を成長させ、前に向かって進むために欠かせないものでしょう。

そうした痛みから生まれたポジティブな感情は、きっと人を強くします。

種田がどんな気持ちで「ソラニン」を書いたのかに注目すると、さらに深いメッセージが読み取れますよ。

「ソラニン」は切なくも前向きな別れを歌う主題歌

▲ASIAN KUNG-FU GENERATION 『ソラニン』


本作の主題歌は、ロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATIONが手がけた楽曲『ソラニン』です。

原作者が作品内で記したタイトルと歌詞を引き継ぎ、そこにメロディをつけて製作されました。

歌詞には「さよなら」というフレーズが何度も使われ、大切な人との別れを経験した喪失感を描いています。

何気ない日々が特別だったにも関わらず、あまりに当たり前になりすぎてしまった恋人達。

次第に「悪い芽」のような不満が増えて、この恋人は別れてしまいます。

別れは辛いものですが、幸せだった時間を思い出しながら相手を思いやる気持ちからは、前向きな姿勢が感じられるでしょう。

曲調はギターロックとなっており、同じコード進行が続く覚えやすいメロディが特徴です。

一気に高音に跳躍しては低音に変わるメリハリの効いたサビは、気分を盛り上げ、切ない歌詞を明るい雰囲気に引き上げています。

また、PVは華やかなライブシーンと、静かな日常のシーンの対比が印象的です。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの主題歌バージョンと、宮崎あおいが歌う本編バージョンでは印象が違うので、どちらも楽しんでみてください。

映画「ソラニン」から生きることを学ぼう


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映画『ソラニン』は、どこにでもありそうな日常を実直に映し出した作品です。

夢を追うことは決して楽しいことばかりではありません。

しかし、夢や人と本気で向き合った時間は決して無駄にはならないことを、本作は教えてくれます。

大切なのは、どんな結果を出すかよりも人生のあらゆる時間をどう生きるのか

かつて夢を追っていた人も今夢に悩んでいる人も、ぜひ本作を観て人生を見つめ直してみてくださいね。


TEXT MarSali

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