君の“BEST”になりたい…SHINeeが歌に込めた切ない想い



SHINeeは大手韓国事務所に所属し、今年日本デビュー6年目を迎える男性5人組グループ。日本ではリード曲にR&Bを基盤としたダンスミュージックが多く見られ、ファンの知る「歌唱力を誇る楽曲」は世間的にはなかなか注目されていません
知られざる魅力はミディアムテンポ・バラードと多彩にあるなか、今回はピアノの旋律としっかりと響く低音が耳心地よく、彼らの歌唱力が存分に感じられる「BETTER」と言う楽曲をご紹介します。


人は人生を歩めば歩むほど、誰かを思う痛みを経験するでしょう。
たとえばLoveとLikeの狭間で揺れる芽生えたての感情、確立された関係性から抜け出せない歯痒い恋、本当の想いをそっと秘めること、時に気づかないまま傷つくこと。そして相手を思うあまり、自己犠牲を選択してしまうこと。その切なさがSHINeeという歌声のフィルターを通して、胸に強く響いてきます


――――――
光の矢にはendmark
突き刺さる前に
上手に避けてしまえる
ものばかりじゃない
次々放たれるendless
痛みはいつしかinner
気づけないままに深く深く

――――――
恋をする男性の心情が、具体的ではない独特の比喩表現で聴く対象を広げ、「好き」「愛している」といった直接的な感情のワードが含まれていないことで、より秘められた感情であることが強調されています。


彼は知っているのです、決して想い人にとっての”BEST”にはなれないと…それでも傍にいたい、君の手を?んでいたい。たとえ、”BEST”ではなくても”BETTER”でいたい。


曲中に散りばめられた”BETTER”、サビ後に繰り返される”BETTER”。まるで自らに言い聞かせているかのような、強い願いのような響きに、決して楽な決断ではないこと。諦めたわけではなく、諦めきれないほどの想いだからこそ閉じ込めていること。頭と心が一致しきれていないような人間味。さらに余韻の残る歌い方によって、その様子が顕著に表現されています。

――――――
”BETTER BETTER Oh Oh Oh Oh”
”BETTER”

Oh BETTER この世界の果てで
君と巡り逢えたらいいな
BETTER 君といたい
BETTER 君と永遠に

――――――

日本的感性で描かれた歌詞がメインボーカルであるJONGHYUNの高音とフェイク、ONEWの安定感と柔らかな音色を中心に5人の重なり合うコーラスにより、さらにムードを含み情緒的に昇華。
歌声に伝えきれなかった恋への慰め、切なさを越えた過去へのエールのような温かさを感じ、サビのフレーズに流せなかった涙がほろほろと流れます。

――――――
悲しいなら泣いて
ありのままに泣いて
それでも苦しくて誰かが必要なら
僕の傍においで
ありのままでおいで
どこにいても苦しいのなら
僕の傍においで

――――――

誰にも言えなかった想いがあなたの中で溢れ出すとき。伝えたくても伝えられない想いを閉じ込めてしまうとき。誰かの”BEST”になれないと気づいたとき。
”BETTER”という選択を教えてくれ、その選択を後押ししてくれる。

”いつの日か何処へでも”
”自分だけの力で”
”飛び立てる気がしたら”
”振り向かずに生きなよ”


主人公の切なさに共感を与えると同時に、主人公の想い人として痛みに寄り添ってくれる、至極のバラードです。


TEXT:詠月奏

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