Eve本人出演CMでも話題となった楽曲「藍才」
Eveの『藍才』は2021年12月3日に配信リリースされた楽曲。
2021年末に放送された「Spotify まとめ」の CMソングに起用されており、CMにEve本人が出演したことでも話題を呼びました。
楽曲タイトルの『藍才』は造語で、読み方は「あいさい」となります。
気になるタイトルや歌詞の意味を徹底考察していきましょう。
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相容れぬことで縛って
最果ての奥に閉まって
哀なものだとわかって
優越に知りたいを重ねた
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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「哀」には「悲しい」「あわれ」などの意味があるため、冒頭の歌詞は主人公のネガティブな感情を表現しているように思えます。
出だしの「相容れぬ(相容れない)」は「両立しない」「対立関係」などを意味する言葉。
歌詞では「縛って」と続いているので「自分の望みとは正反対の物事で自分を抑えつけている」と解釈できるのではないでしょうか。
例えば夢や目標があっても「成功できそうにないから」と、挑戦する前に諦めてしまうこともあるでしょう。
芸術やスポーツの分野で想像すると、特にわかりやすいかもしれませんね。
「優越に知りたいを重ねた」の「優越」は、人より優れていることを意味します。
やってみたい分野で自分に才能があるとわかれば、諦めずに挑み続けようと思えるかもしれません。
歌詞の主人公はやりたいことがあるものの「上手くいきそうにない」と、取り組むのを我慢して過ごしているのではないでしょうか。
冒頭の歌詞は、理想と現実の狭間で揺れる主人公の葛藤を描いているように思えます。
楽曲タイトル「藍才」の意味は?
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泣いたりしたこともあって
暗い足元も見えないでいて
今はまだ飛べるよう 愛憎感にしまった
あの日のことも
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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理想とかけ離れた現状に、悔しくて泣いてしまうこともあるでしょう。
足元が見えなければ、前に進むことも後ろに戻ることもできません。
つまり「暗い足元も見えないでいて」は「どうするべきかわからない」主人公の心情を表しているように思えます。
続く歌詞に登場する「愛憎」は、文字通り「愛することと憎むこと」の意味。
自分が描く理想は愛らしいものですが、手が届かなければ憎らしく思えるかもしれませんね。
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言葉ではなんとも無いって
君と居よう
藍才も捨ていけ 揺蕩う世を
君を辿る 寄る辺にも
また少し違っていたのかな
終わることのなき旅路を
今も未来も超えていけ 君となぞる夢も
確かな命宿して 消えた街の息吹きを
忘れてしまわぬように
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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歌詞に出てくる「君」は「辿る」「寄る」などのワードから「理想の自分」を表しているように思えます。
理想の自分に少しでも近づきたいと願う、主人公の想いを表しているのではないでしょうか。
また、サビで登場するのが楽曲タイトルの『藍才』の言葉。
『藍才』の「才」は、歌詞の内容から「才能」を意味しているように思えます。
そして「藍」の本来の意味は、青色の染料に使われる植物のこと。
藍からとれた染料は、元の藍よりも濃い青色になります。
理想の自分を「青色」とするならば、今の自分が「藍」に例えられるのかもしれません。
つまり『藍才』=「開花する前の才能」を表しているのかもしれませんね。
歌詞は「藍才も捨ていけ」となっているので「未熟な自分を捨てて」のような意味になるのではないでしょうか。
理想の未来を求めて、少しずつ動き出した主人公の姿が想像できそうです。
2番以降の歌詞は夢を追う人へのメッセージ?
2番以降の歌詞は、まさに理想に向かって動き出した主人公を描いているように思えます。
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大人になりたい思いで
最果てまで駆け上がって
藍なものだとわかって
会いたい未来に居ないと
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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しかし「最果て」=「限界」まで頑張っても、主人公はまだ自分の理想に届かなかったのでしょう。
改めて、自分の未熟さを痛感している主人公の姿が浮かびそうです。
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流した涙の理由などないと
嘯く弱さを前にして
今はまだ飛べるよう 愛憎感にしまった
あの日のことも
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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「嘯く」は「とぼけて知らないふりをする」の意味で「辛いことは他人に話しづらい」と伝えているように思います。
上手くいかずに悩んでいたとしても、自分は大丈夫だと周りには強がってしまうものかもしれません。
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貴方ならなんともないって
言うのかな
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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そして、そうやって強がってしまうのは誰しも同じでしょう。
周りから「成功している」と思われている人も、過去には同じように悔しい思いをしてきたのかもしれません。
歌詞の「貴方」は、まさにその道の先駆者を表しているように思います。
なかなか理想に届かない悔しさを描きつつも「成功者もみんな同じ道を辿っているから諦めないで」というメッセージが込められているのかもしれませんね。
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曖昧にしてきたことさえも
確かな自分を創ってくの
やり直したいことさえも 今はもうないと
明日を選ぶよ
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞では、主人公はやりたいことに対して迷っているように感じられました。
一方で、散々迷っても諦められなかったからこそ、それだけ自分にとって大切なものだったと気づけたのかもしれません。
そうだとすると、迷っていた時間さえも意味のあるものに感じられそうですね。
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笑っても泣いても最後だと
立ち上がってゆくその姿も
ここに居ること それだけが全てだと
心想う模様
愛さえも憂いて 瞬くよう
君と二人の思い出にも
まだ少し笑っていたのかな
≪藍才 歌詞より抜粋≫
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「笑っても泣いても最後」の歌詞のように、挑戦が成功しても失敗しても人生は1度きり。
やらなくて後悔するなら、たとえ成功する可能性が低くても「挑戦した思い出」を作れる方がいいのかもしれませんね。
ラストのサビ前の歌詞は「恐れずに未来へ進んでいこう」という希望のメッセージが込められているように感じられます。
歌詞中のさまざまな「アイ」にも注目!
Eve『藍才』の歌詞の意味を考察しました。歌詞には「藍」「愛」「哀」「相」など、いくつもの「アイ」が出てくるのが印象的。
巧みな言葉遊びを交えつつ、夢を追う人たちへのエールが込められているように感じられます。
楽曲は2022年3月16日リリースのEveのニューアルバム『廻人』にも収録。
『藍才』単体で聞くのはもちろん、アルバム『廻人』もあわせてチェックしてみてくださいね。