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「花は咲く」NHK東日本大震災復興ソングの歌詞の意味を考察!希望ある温かな言葉が心に迫る

東日本大震災の復興支援ソングとして制作された『花は咲く』は、未来への希望や願いが込められた歌詞が印象的です。震災から10年が経った今だからこそ思い起こしておきたい、涙を誘う歌詞の意味を紐解きます。

花は咲くプロジェクトテーマソングの歌詞に注目

▲花は咲くプロジェクト-花は咲く【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

2012年3月発表の楽曲『花は咲く』は、NHKの東日本大震災復興支援プロジェクトのテーマソングとして企画制作されたチャリティーソングです。

被災地となった宮城県出身の映画監督・岩井俊二が作詞、菅野よう子が作曲を担当。

被災地にゆかりのある34組の著名人がリレー形式で歌唱したオリジナルバージョンをはじめ、アニメスター版や多言語版など様々なバージョンが制作され、震災から10年が経つ現在まで大切に歌い継がれています。

震災で亡くなった方の目線で綴られたという歌詞の意味を考察していきましょう。

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真っ白な 雪道に 春風香る
わたしは なつかしい
あの街を 思い出す
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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東日本大震災が起こった3月は、ちょうど冬から春へと季節が移り変わる時期

「真っ白な雪道に春風香る」の歌詞はそんな景色を思わせます。

そして同時に、芽吹きの春は復興の象徴でもあるのでしょう。

風景の変化を感じながら、今は亡き「わたし」はかつて過ごした「なつかしいあの街」を思い出しています。

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叶えたい 夢もあった
変わりたい 自分もいた
今はただ なつかしい
あの人を 思い出す
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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その街には「叶えたい夢」も「変わりたい自分」も確かに存在していました。

しかしどちらも、今はもう手の届かないものです。

主人公が思い出す「なつかしいあの人」は、その街に残していった大切な人のことなのかもしれません。

どうにもならない自分のことを考え続けるのではなく、大切な人がどんな風に今を生きているのかに想いを馳せているとすると、優しい気持ちが伝わってくるようです。

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誰かの歌が聞こえる
誰かを励ましてる
誰かの笑顔が見える
悲しみの向こう側に
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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「誰かの歌が聞こえる 誰かを励ましている」というフレーズは、被災者への励ましや復興への願いを込めたこの曲が亡くなった人たちの元へ届いていることをイメージさせます。

「誰かの歌」と表現されていることも、多くの人が大切な誰かを励ますために様々な場所で歌っている様子を思わせますね。

震災によって広がった「悲しみの向こう側」で、音楽の力によって笑顔を取り戻した人たちの姿が目に浮かびます。

心が晴れる日は必ず来る


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夜空の 向こうの
朝の気配に
わたしは なつかしい
あの日々を 思い出す
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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暗い夜の後には明るい朝がやってきます。

冬から春への移り変わりと同じく、夜から朝への変化もつらく悲しい気持ちが晴れていく様子を例えたものでしょう。

明けない夜がないように、今抱えている心の暗さもやがて明るさを取り戻すはずだという前向きな見方が読み取れます。

だからこそ全てを奪った出来事よりも「なつかしいあの日々」を思い出していると考えられます。

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傷ついて 傷つけて
報われず 泣いたりして
今はただ 愛おしい
あの人を 思い出す
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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思い出の中には大切な人を何度も「傷つけて」しまったり「報われず泣いたり」した記憶もあるようです。

生きていれば楽しいことばかりとはいかないでしょう。

しかし、そんな切ない思い出も手の届かなくなった「あの人」も、今となってはただ「愛おしい」という気持ちで思い返しています。

亡くなってしまってもその人が生きた時間は消えません。

どんな出来事もその人が生きた証として価値のあるものだと認めてくれているような気がします。

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誰かの想いが見える
誰かと結ばれてる
誰かの未来が見える
悲しみの向こう側に
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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生きている人たちの時は絶えず進み、被災地にも少しずつ日常が戻っていきます。

誰かと愛を育み、結ばれることもそのひとつです。

そうして想いと命を繋いでいく幸せな未来が「悲しみの向こう側」に続いています。

花は希望の象徴


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花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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タイトルの「花は咲く」というフレーズがサビで繰り返し歌われます。

CDジャケットにガーベラの写真が使われていることを考えると、この「花」はガーベラを指していると考えられそうです。

ガーベラは花の色によって花言葉が異なり、赤は「チャレンジ」、オレンジは「我慢強さ」、黄色は「究極の愛」、白は「希望」でこの楽曲にぴったりの花言葉を持つ花と言えますね。

とはいえモチーフが何であろうと、花が復興や希望、幸福感などポジティブな感情を表していることは間違いないでしょう。

たとえ荒地でも花が逞しく咲くように、大きな爪痕を残した震災の後にも希望があることを伝えているのかもしれません。

また、花が実りのための大事なステップであるように、希望を捨てないでいることが実りある未来を実現するカギであることも感じ取れます。

続く部分では、主人公がこれから生まれてくる子どもたちのために自分は何ができたかと自問しているようです。

これは誰の命もいつどうなるか分からないのだから、生きている限り後の子孫のために誇れる生き方をしようというメッセージなのではないでしょうか。

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花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
いつか恋する君のために
≪花は咲く 歌詞より抜粋≫
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かつて自分が恋をしたその街で、いつか生まれる子どもたちもまた恋をしていきます。

その時、何にも煩わされることなく純粋に人生を楽しめる世の中であってほしいと願うのは自然なことでしょう。

今は苦しくても、そんな明るい未来を実現するためにできることがきっとあるはずです。

美しい花のような希望を胸に前進していきたいですね。

「花は咲く」は心を癒す希望の歌

復興支援ソング『花は咲く』は、災害や感染症など思いもよらない出来事が次々と起こっている今、大切にしたい前向きな気持ちを思い起こさせてくれます。

強く心に訴えかけるというよりもあくまで優しい言葉で穏やかに綴られているからこそ、傷ついた心にも歌詞がすっと沁み込むのでしょう。

日本のみならず世界中に発信し続けたい名曲です。

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