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【インタビュー】俳優と歌手の二刀流!上田堪大が2nd single『Ripple』を発売!

俳優としても活躍の幅を広げる上田堪大。そんな彼の待望の2nd single『Ripple』が8月3日にリリース。シティポップテイストのサマーソングが特徴的な今作について、上田堪大にたっぷりと話を聞いた。

キッカケはとあるオーディション

──まずは、上田さんのこれまでの軌跡について紐解いていこうと思います。現在は俳優としても活躍されていますが、キッカケはあるんですか?


上田堪大(以下、上田):大学生のとき、従姉妹のお姉ちゃんにとあるオーディションを教えてもらって。書類審査までは通ったんですが、その後落ちてしまったんです。それがすごく悔しかったのと、書類を通ったのだから僕にも少し希望があるのかなって思ったんですよね。

もともと幼少期から心の中には芸能活動をしたいという気持ちがあったんですが、この機会をキッカケに行動に移していくことになるんです。


──具体的にはどのような行動を?

上田:両親との約束で、大学卒業は絶対ということだったんですが、在学中にモデル業をスタートさせました。もともとシャイな性格なので、人に見られることに慣れようと思って。そこから大学を卒業し、すぐに上京。その少し前から運よく映画に出演させていただいたりする中で、俳優さんの演技を生で観て、やっぱりお芝居は楽しいなって思えたんです。

ただ若気の至りというんですかね? 当時はマルチになんでもこなせたらいいやと特に何も考えてはいなかったかもしれません(笑)。ただ本気でお芝居をやりたいなという気持ちは芽生えていました。


──なるほど。お芝居を生業にされてみて、いかがですか?

上田:もちろん映像は映像ならではの良さ、舞台は舞台ならではの良さがあると思うんですけど、僕は今、舞台を中心に活動をしているので、お客さまのことをよく考えます。この状況下、今でこそマスク1枚になりましたけど、緊急事態宣言明けすぐのときは、最前列はフェイスシールドを装着しないといけなかったりとか。

今でも笑ったり、さまざまなリアクションを制限されていますよね。そんなストレスを抱えながらも観劇してくださる方たちがいる。お芝居をしているとそういったお客さまの想いを生で感じることができるので、毎回、板の上に立ってお芝居をすると幸せな気持ちになりますね。


──もともと好きだった俳優さんはいらっしゃるんですか?


上田:ジム・キャリーさんや阿部 サダヲさんが好きですね。


──意外とコメディ色の強い俳優さんがお好きなんですね?

上田:そうなんですよ! 自分にはないものを持っている方たちというか(笑)。まあ、ないものねだりなんですかね。


──それでは、これまでにドラマや映画もたくさん観てこられた?

上田:特に上京した当時って、お仕事もなく、アルバイトの生活だったので、終わって家に帰っては、ドラマや映画のDVDを観たりするのが習慣になっていましたね。


──そして上田さんは、歌手としても活動されています。

上田:そうですね。もともと歌うことは好きで自主的にボイストレーニングに通っていたりもしたんですが、まさか自分がメジャーデビューをして歌うことになるとはって感じです。周りには、メジャーデビューしている先輩もいらっしゃって、その方たちの歌の実力というのも知っていましたから、当初は自分にできるのかなという不安の方が正直大きかったです。


──2枚目のシングルがこの度リリースされるわけですが、どうですか?

上田:すごく不思議な感覚ですね。サブスクのランキングで自分の名前があることに違和感を感じるというか。「え? いる」みたいな(笑)。でもそういう状況を目の当たりにすると本当にデビューしたんだなと実感するというか。デビューから2年が経って、2枚目となって、自分がアーティストとしても活動していると再認識している期間のような気がします。


──確かに、これまでに聴いていたアーティストさんと名前が並ぶんですもんね!

上田:そうなんですよ! 不思議ですよね。さまざまな曲がランキングには混在しているけど、過去の名曲と自分の名前が並んでいたり、自分の好きな曲よりもランキングが上だったりすると、正直嬉しいですよね。驚きももちろんたくさんありますけど。


素の自分を曝け出せる歌手活動

──現在は歌とお芝居の二刀流として活躍している上田さんですが、演技と歌で重なる部分はあるのでしょうか。


上田:自分はミュージカルにも出演させていただく機会もあったりして、より言葉の意味を考えるようになったので。例えば、カラオケで歌うだけだったら、そこまで意識しないと思うんですけど、実際に聴いてくださる方が目の前にいる。目の前にいなくてもどうすれば伝わるだろうなというのは以前よりは考えるようになったのかなと思います。

そういう意味で、お芝居も言葉・台詞を届けるものだと思うので、そこは歌とリンクしている部分だと思いますね。あとは息遣いもそうですよね。


──なるほど。歌手・上田堪大はどんなマインドで活動されているんですか?

上田:演じるときはその役に完全に集中しているので、自分を出さないというか。上田堪大がやっているので、上田堪大が演じる誰々というのは絶対にあるとは思うんですけど、歌は、等身大の上田堪大がやっているものだから。変に着飾るとかはないかなと。だいぶ素の自分だと思います。


──それでは、歌では自分をさらけ出せている?

上田:そうですね。自分の出し方が違うというか。


──出し方の違いというと?

上田:それこそ舞台で歌のある作品でCDが出ているものもあるんですけど、やっぱりそっちの方は役として歌っている。役としてその台詞を歌に乗せて歌っているものと完全に上田堪大が今回の『Ripple』を届けるという風になってくると、聴き手の感じるものも違うと思うんですよね。そういう意味では、別ベクトルなものなのかなと思います。


──なるほど。確かに感情の乗せ方も違う気がしますね。ちなみに上田さんは普段どんな曲を聴かれるんですか? 今回の『Ripple』はシティポップテイストの楽曲ですが。

▲上田堪大「Ripple」Music Video

上田:それでいうと、シティポップはあんまり聴いてこなかったんですよ。でも僕はいわゆるミーハーです(笑)。旬なポップスを聴きますし、アーティストで聴くより、曲で聴くことが多いかもしれない。でも学生時代は、HIPHOPを聴いていましたね。ラップ大好き! 実はラップをやっていたんですよ。中学の卒業式に音楽室を借りて、ラップを歌ったりしていましたね。


──ラップも言葉にフォーカスする部分があると思うんですけど、やっぱり上田さんは言葉を重視する歌い手さんなんですかね?

上田:どうなんでしょうね? でも好きなのかもしれないですね。いまだにHIPHOPを聴いたりしますし、基本的に邦楽を聴きます。


新たな武器を手に入れたという手応え

──先ほどもおっしゃっていたように今回の『Ripple』はあまり聴いてこなかったテイストの楽曲とのことですが、歌われてみていかがですか?


上田:僕はバラード調の曲を好んで歌うんですけど、その中でもこの曲は僕の声に合わないなと思うこともあるんですよね。最近気づいてきたことですけど、僕も良くも悪くも特徴的な声だと自覚もしてきたので、この曲に果たして僕の声は合うのか?というように不安というよりかは挑戦。自分の声がこの楽曲に乗ることでの化学反応を楽しめた楽曲ですね。


──『Ripple』はメロウでまったりとしたサウンドも特徴だと思うんですけど、最初に聴いたときはどう思われました?

上田:僕はすごく感覚的なんです。自分で言うのも変かもしれないけど(笑)。自分を漢字一文字表すと直線の“直”、直感・素直・正直とか、その“直”という字を含む言葉で表されることが多いんですけど、自分自身も直感で生きていることが多いんです。

だから他にたくさんの候補がある中で「これが、いい!」ってずっと言っていたのが『Ripple』なんですよ。そして、何度も聴いて選んだのが、2曲目の『Sea the Light』なんですよ。


──じゃあ、この曲の並びは必然だった。

上田:今、思うとそういうことなのかなって思います。


──2曲歌われて、上田さん的に聴きどころや難しかった箇所はありますか?

上田:『Ripple』に関しては、耳に残るのは、〈目眩く 巡り会って〉とか。そのフレーズがめっちゃ耳に残りやすいなと思いますね。初めて聴いたときからずっと思っていて。そういうところが楽しいなというところと、あとは、この曲自体がカップルを描いている感じではあるんですけど、今の世の中や情勢を置き換えて書いている部分もあるから、そもそもがお洒落だなって思っちゃうんですよ。そういう意味では、その想いに乗っからせてもらいながら歌っている部分が『Ripple』に関してはあるかもしれないですね。

そして、『Sea the Light』に関しては本当に難しかったです。4行目の〈始まりなんてそんな感じじゃない?〉は難しかったし、曲のキーも高いですし。


──難しいというのは、感情を乗せるのが?

上田:シンプルにリズムですね(笑)。


──でも難しい曲を歌うと、幅も広がるし、次に難しい曲が来ても自信にもなりますよね?


上田:そうですね。この2曲を歌い終えて思うのは、新しい武器というのかな? 新しいものを手に入れたような気がしていて。これからの自分の人生に何か役立つものになるんだろうなという予感はしていますね。


──そんな2曲をどんな方たちに届けたいですか?

上田:単刀直入に言うと、全員聴いてという感じなんですけど(笑)。『Ripple』に関しては特に今の情勢の中では、目に見えないところからストレスや障害を感じることがあると思うんですよ。だからそういう方々、思い悩んでいる方には聴いていただけたらいいなって思いますし、『Sea the Light』は夏っぽくてノれる曲だなと思っているので、朝の通勤中とかドライブとか元気を出したいタイミングで聴いてもらいたいなと思います。


──上田さん的に、今の情勢で感じることはありますか?

上田:当たり前だったものやことがなくなって、少しずつ当たり前が戻りつつあったのに、またなくなってという繰り返しの中では、一瞬たりとも、特にお仕事させていただいているときは特に、何も気が抜けないなって思います。

舞台で言うと1つの公演でも例えば中止になったとして何十公演ある中で1つなくなっただけという捉え方もあるけど、その1つしか観に行けなかった方もいるんですよね。どんな理由であれ、遠方から勇気を出して来てくださっている方だっているだろうし。そんなことを考えると舞台1公演でもそうですし、曲を届けることに関してもですけど、責任というか重みは違いますよね。だから、情勢前より「届けよう」という想いはかなり強くなっていますよね。


──1つ1つが奇跡ですもんね。

上田:そうなんですよ! やっぱり舞台もやり切りたかった気持ちの中で、出来なくなったときには喪失感というか、深い落とし穴に落とされた感覚がありました。それでも何度でも立ち上がって、その先に待ってくれている方々と共にいろんな景色を見ていけたらいいなって今は素直に思います。


──届けられる人がいてこその活動でもありますしね。

上田:見てくれる、聴いてくれる人がいないと成立しないものだと思っているので。だから先ほど「どんな人に届けたい?」と聞かれたときに全員と答えたのは、本当に本音というか。もしかしたら6〜7歳のお子さんが聴いて、「この曲好き!」と思ってくれることもあるだろうし、ご年配の方がこの曲を気に入るかもしれない。可能性は無限大なので、そういう意味で誰かの心に何かが響けばいいなっていうのは今回リリースにあたって思っています。

常に上を目指してやっていきたい

──UtaTenは歌詞を扱うサイトなので、上田さんの好きな歌詞についてもお聞きしたいと思います。この2曲で好きな歌詞・フレーズを教えてください。

上田:なんか恥ずかしいですね(笑)。『Ripple』に関してはすごく例えるのが上手いなって思うんですよね。〈不躾〉とか〈陳腐な〉とか、日常会話で使わない言葉があったりとかして、すごく新鮮の中、心に刺さったりしていて。当たり前のように歌ってはいますけど、面白いなと思ったりとか。

あとは〈綴じた愛の余韻 手と手取って〉というところとかも、すごく洒落ているなって(笑)。自分の脳の中にはそんな言葉絶対ないよっていう意味ではすごく好きですね。



──文学的な言葉選びですよね?

上田:そうなんですよ! 〈愛に映った 虹に見惚れた〉とかね。どこか小説みたいで、俳優とミックスされているような感じがするんですよね。それが『Ripple』は面白いなって思います。


──『Sea the Light』はいかがですか?

上田:『Sea the Light』はシンプルにノれるというところがすごく好きなんですけど、この曲はサビが好きですね。あとは、僕が一番難しいと感じているリズム、〈始まりなんてそんな感じじゃない?〉に関して言えば、これって誰しも、僕だって、役者をやり始めたときもそうですし、いろんな仕事とか、何もかもが、絶対必ず全員に公平に平等にあるものが始まりだと思うんです。

そういう意味ではこの曲には軽さもあるんですけど、〈始まりなんてそんな感じじゃない?〉っていうフレーズがあることで深みと重みを付随させているのかなと思いますね。



──確かに〈始まりなんてそんな感じじゃない?〉って言われたらその通りなんですよね、何事も。

上田:そう! あるあるじゃないですか、先輩に「俺も最初はそうだった、だから大丈夫だよ」って言われるのって(笑)。でも本人からしたらそんな余裕もないわけで。でも数年経つと自分も同じことを思って、過去振り返ることができる。だからいろんなことがあっての、〈始まりなんてそんな感じじゃない?〉っていうのは深いなと思いますね。


──紐解いていくとすごく深い! その後の〈ちょうどいい頃合いじゃないの?〉という歌詞が来るのもまた深いというか。

上田:なんか1個前進しているような感じがしますよね! 2曲ともに言えるのが、何かに置き換えたり、表現の仕方をわざと複雑にしていたりしているのが、すごく面白いなって感じます。


──最後に、今後の目標・展望を教えてください。

上田:アーティストとしては、ライブをしたいですね。ソロじゃなくてもいい。仲間で集まって、ライブが出来たら楽しいだろうなって思います。あと、僕は応援してくださっている方に「自分を一番に考えてください」と過去よく言っていたんですけど、メジャーデビューのときに「上を目指したい」と初めて言ったんです。そこが俳優・上田堪大とアーティスト・上田堪大の違いかもしれない。常にランキングがあるアーティスト業で、やるからには上を目指してやっていきたいと思っています。



TEXT 笹谷淳介
PHOTO Kei Sakuhara

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