ケルト音楽に興味があるけど、あまりよく理解していないという人は多いのではないでしょうか?
ケルト音楽とは、ヨーロッパの中でもアイルランドやスコットランドなどイギリス周辺のケルト語やケルト文化が使われている地域で発達した伝統音楽のことで、日本でも密かに人気のあるジャンルの1つです。
この記事でわかること
ケルト音楽とは
ケルト音楽とは、ケルト語を話す国々で生まれた民族音楽のことを言います。
主に、ブリテン諸国と呼ばれるアイルランドやスコットランドなどで発達した音楽で、情緒的なメロディで奏でられることが多いため、最近はゲーム音楽などでも使われるようになりました。
まずは「ケルト」とは何か、アイリッシュ音楽との違いなどを詳しくみていきましょう。
ケルトとは?
ケルトとは、ケルト語を話す人々の集団のことをいい、青銅器時代に誕生したと言われています。
もともとボヘミア周辺で誕生したケルトですが、特定の国を作らず、部族単位で活動していたため、ローマ帝国の勢力から逃れていくうちに、ブリテン諸島周辺に落ち着くようになりました。
そのため、「ケルト」というと、アイルランドやスコットランドなどブリテン諸島周辺で発達した民族という印象が強くなったのです。
アイリッシュ音楽との違い
ケルト音楽とアイリッシュ音楽の違いがわからないという人も多いでしょう。
ケルト音楽とアイリッシュ音楽には厳密な違いはありませんが、ケルト人から生まれた音楽がケルト音楽で、アイルランド人から生まれた音楽がアイリッシュ音楽です。
ケルト人は、もともとボヘミア地方にいて、その後色々なところに散らばったため、アイルランドだけでなく様々な地域にケルト音楽が存在し、その1つにアイルランドがあります。
そのため、アイリッシュ音楽にケルト音楽が含まれることはありますが、ケルト音楽にアイリッシュ音楽が含まれることはないのです。
ケルト音楽の特徴
民族音楽は、パッと聴きでも「ポピュラー音楽とは違う」と感じられますよね。
ケルト音楽も同じで、いくつかのルールに乗っ取って作られているため、独特のサウンドを生み出すことができるのです。
そのため、ルールを知っていれば、すぐにケルト音楽かどうか見分けることができるようになりますよ。
ここからは、ケルト音楽の特徴を紹介します。
「チューン」と「ターン」
ケルト音楽は、「チューン」と「ターン」と呼ばれる2つのパターンで構成されています。
日本のポピュラー音楽なら、Aメロ、Bメロ、サビなどいくつかのセクションで構成される曲が多いですよね。
ケルト音楽には、複雑な構成はなく、チューンが8小節で1ブロックとして2回繰り返された後、ターンも8小節で1ブロックとして2回繰り返されるという繰り返しで成り立っています。
「ジグ」と「リール」
「ジグ」と「リール」もケルト音楽のポイントです。
どちらもリズムパターンのことで、ジグは6/8拍子で「タタタ タタタ」と拍を刻むようなリズム。
リールは4/4拍子で、「ズンチャズンチャ」や「ジャカチャカ ジャカチャカ」と聞こえるような賑やかな雰囲気のリズムです。
「ユニゾン」か「オクターブ」
ケルト音楽は基本的にユニゾンまたはオクターブで演奏されることも特徴。
ポピュラーミュージックの多くは、メロディに対して、3度や5度の音などでハーモニーを付けますよね。
しかし、ケルト音楽は、基本的にソロか、ハモリを付けるとしてもオクターブやユニゾンが多いです。
ケルト音楽の音階は、4度や7度を使わないような独特な音階を使っているため、ハーモニーを付けること自体が難しいためと考えられます。
基本的に休符がない
ケルト音楽には、基本的に休符がないのも特徴です。
そのため、管楽器を演奏する人は音と音の間でいかにブレスするかを考えなければなりません。
ケルト音楽は元々、ダンスするために作られているので、音楽は止まることなく流れるように構成されています。
ケルト音楽の歴史
ケルト音楽は、ケルト人の生活の中で生まれた音楽です。
人々が1日の終わりに集い、楽器を持ち寄り、いつの間にか音楽が始まって踊り出すというような生活の中で自然と生まれました。
そのため、元々のケルト音楽は「じゃがいも一袋」のような、日常生活が滲み出たようなタイトルの曲も多かったようですよ。
ケルト音楽に使われている楽器
ケルト音楽は使われる楽器も民族特有のものです。
どれもすぐに持ち運べるような小さめのサイズなことが特徴で、人々の生活とケルト音楽が密接な関係であることが伺えます。
ここでは、ケルト音楽に使われる代表的な楽器を紹介します。
- ケルティック・ハープ
ケルティック・ハープは、オーケストラで使われるグランドハープよりも小さく、膝の上に乗せて使えるサイズのハープです。
ケルト音楽のシンボル的存在とも言える楽器で、グランドハープのようにペダルがないので、弦の上についているレバーで半音操作を行います。
- ティンホイッスル
ブリキ(真鍮)でできた縦笛、ティンホイッスル。
安価な値段で購入できることからペニーホイッスルと言われることもあります。
笛の大きさによって音の高さを調整できるようになっており、色々なキーで演奏するためには、何種類ものティンホイッスルが必要です。
- コンサーティーナ
アコーディオンよりも歴史が古いのがコンサーティーナです。
アコーディオンと同じように蛇腹がついていますが、とても小さく持ち運びできるのが特徴。
- バグパイプ
ケルト音楽と言えばバグパイプを思い浮かべる人も多いでしょう。
リード式の民族楽器で、いくつものパイプがついているのが特徴で、メロディを担当するパイプ、低音を担当するパイプなどに分けて使われています。
ケルト音楽のおすすめ有名曲
ケルト音楽を聴いてみたいけれど、どんな曲があるのかわからないという人もいるでしょう。
また、最近は、ロックやパンクと融合したりとケルト音楽も幅広いジャンルで活躍しているので、どこから聴いたらいいかわからないと言う人も多いのではないでしょうか。
そんな時は、有名なケルト音楽から聴いてみるのがおすすめです。
早速、ケルト音楽のおすすめ有名曲を紹介します。
The Galway Girl / Sharon Shannon
アイルランドの国民的ミュージシャンシャロン・シャノンが歌う「The Galway」は、2008年にリリースし、大ヒットした近代のケルト音楽の代表曲の1つです。
軽快なリズムと爽やかなメロディが心地よいナンバー。
シャロン・シャノンは凄腕のアコーディオン奏者で、他にもたくさんのケルト音楽をリリースしているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
The Lakes of Pontchartrain / Paul Brady
シンガーソングライターでもあり、ギタリストとしても知られているポール・ブレイディの「The Lakes of Pontchartrain」。
ケルト音楽特有のメロディを感じられる情緒的な雰囲気のある曲で、叶わない恋を歌う曲の内容にもよくマッチしています。
Amazing Grace / Scottish Bagpipes
讃美歌「Amazing Grace」をバグパイプで演奏したバージョンです。
伝統的なケルト音楽には欠かせないバグパイプの音色を存分に楽しめる音源で、重厚な響きを堪能することができますよ。
よく知っている曲なだけに、バクパイプの音色やケルトの雰囲気にどっぷりと浸ることができそうですね。
Scottish Bagpipesは他にも色々な曲をバグパイプで演奏しているので、色々聴いてみてください。
ハーヴェスト / 植松伸夫
ハーヴェストは、RPG「ファイナルファンタジーⅤ」の中で使われているゲーム音楽です。
ゲーム音楽の作曲家として有名な植松伸夫さんが手がけた1曲で、世界的に知られているナンバーでもあります。
ケルト音楽特有の6/8拍子を使った軽快なリズムにのせて、ティンホイッスルなど様々な楽器が使われており、ケルト音楽の世界にどっぷり浸ることができる1曲です。
CHRONO CROSS ~時の傷痕~ / 光田康典
作曲家光田康典さんの代表作でもあり、RPG「クロノクロス」で使われているCHRONO CROSS ~時の傷痕~ もケルト音楽です。
前半はゆったりした雰囲気で、ケルト音楽特有の情緒的なメロディが印象的。
後半は雰囲気がガラッと変わるところもポイントです。
ケルト音楽には深い歴史がある!有名曲を聴いて曲の特徴や楽器についての理解を深めよう
ケルト音楽とは、ケルト語を話す人々の中で生まれた音楽です。
生活の中から生まれた音楽でもあり、ケルトの人々が1日の終わりに集い、いつの間にか楽器を持ち寄り演奏を始めるという雰囲気の中で生まれました。
そのため、ケルティック・ハープやティンホイッスルなど持ち運びできるような小さな楽器を使っていたり、ダンスしやすい曲の構成になっていることが特徴です。
具体的に知りたいという人は、有名曲を聴いてみましょう。
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この記事のまとめ!
- ケルト音楽とは、ケルト語を話す人や地域で発達した音楽のこと
- チューンとターンやジグとリールなど、いくつかの特徴がある
- 使用する楽器には、ケルティック・ハープやティンホイッスルなどがある
- ケルト音楽を詳しく知るためには、有名曲をチェックしよう